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INTERVIEW

SERRA

2025.10.21UPDATE

2025年10月号掲載

SERRA

Interviewer:サイトウ マサヒロ

-4曲目の「MYTH LOGY」は丸山 漠(a crowd of rebellion/Gt)さんの作編曲です。制作の経緯は?

a crowd of rebellionさんは好きでずっと聴いてましたし、バンド系のサウンドでソロ活動をするなかで、楽曲提供してもらえる世界線があればと思っていました。SALTY DOG時代からの繋がりでそれが実現することになったので、ハイトーンで攻める楽曲をやりたいなと。"イントロからお客さんがうわーってなっちゃう曲をお願いします!"ってリクエストしたら、ほぼ完成系のデモが返ってきて......固まりました(笑)。鳥肌を超えて鳥になっちゃうぐらいカッコ良すぎたのを、今でも鮮明に覚えています。

-たしかにハイトーンだしアップダウンが激しくて歌の難易度が高そうな曲です。レコーディングにはどう臨みましたか?

もう、全身全霊で(笑)。

-根性論(笑)。

そうそう、ミックス・ヴォイスなら歌いやすそうな部分も、ここは無理矢理地声で行かないとカッコ良くないぞっていう。サビは命を削るぐらいの勢いで歌いましたね。

-特にラスサビの1段階ギアを上げるような歌唱は印象に残りました。

もう、死んでもいいくらいの。死んだ後も歌が世に残っててくれっていう気持ちでレコーディングしてます。

-「EYERIS」もですけど、SERRAさんの歌唱表現はAメロ、Bメロ、サビの繰り返しではなく、楽曲全体でクライマックスに向けてテンションをコントロールしているように感じます。

意識してますね。ラスサビが大事だと思っていて。そこでHPがなくなるというか、自分のHPを削って相手にダメージを与える暗黒騎士のようなテンションで歌っています(笑)。

-作詞に関してはいかがでしょう。丸山さんの音からどうイメージを膨らませましたか?

まず、最初に神聖なイメージを感じたんですよね。イントロのピアノが神秘的で、同時に力強さや、時代が明けていくような、門が開くような印象を受けて。新たな神話の始まりを表現したいと思いました。世の中で強いられる縛りを振り切って、自分の意思を貫くような歌詞にしようと。最後にシンガロングのパートがあるんですけど、ライヴにおいてお客さんも時代を作る仲間として一体感を出せるように意識しました。

-そもそも、作詞は普段どういう流れで進みますか?

楽曲を聴くと頭の中でストーリーが組み立てられていくので、その物語とメロディ、響きが合致する言葉を探っていきます。何を伝えたいかが明確にあるわけでもなくて、入れたい言葉を入れ込んだ後にタイトルが決まることが多いですね。ただ、「MYTH LOGY」は最初にタイトルが浮かんできました。

-作詞をする上で気を付けていることはありますか?

最近は、分かりやすい言葉をどこに入れ込むかを考えてます。結構詩的に書いちゃうほうなので。それぞれ違う読み取り方をしてもらうのは好きなんですけど、それでもちゃんと伝えたいことは伝えなきゃなって。

-グッと心を掴むキャッチーなフレーズを差し込む、みたいなことですか?

とか、核になるような言葉を見つけたりとか。いろんな歌詞や本も参考にしながら、自分の言葉に書き換えています。

-なるほど。これまで書いた歌詞の中で、特に渾身のフレーズやワードは?

「テノヒラ」の"また 自分を犠牲にして/作り笑い上手くなっていくの?"は良いって言ってもらえることが多いですね。叱咤するような言い回しを入れて良かったなと思います。ぜひ仕事で大変なときに聴いてほしいです。

-それと、『Dawn Light』にはもともとエレクトロだった楽曲をヘヴィなバンド・サウンドにアレンジした「ViVALE (Band arrange Ver.)」も収録されていますね。

原曲のポップなサウンドも挑戦的だったんですけど、そのままではライヴで再現するのが難しくて、バンドでアレンジして演奏していたんです。で、このバージョンもいいからアルバムでは改めて作り直してみないかっていうことで、hidëさんにアレンジをお願いしました。

-ライヴを重ねていくうちに、バンド・サウンドやヘヴィな楽曲のパワーを感じることが増えたり?

自分の声には、重々しいぐらいの音がちょうどいいんじゃないかなって。やっぱり合ってるなと思います。

-バンドに負けないパワーがあるというのはもちろんですし、エモーショナルな歌い方ができるヴォーカリストだから、そのテンションに寄り添えるメリハリのあるサウンドがマッチするのかも。

うん、そうなのかもと思ってます。

-取材時点(※9月下旬)でアルバムのリリースから約1ヶ月が経過していますが、自分の手から離れて皆さんの手に届いた作品について、現在はどう感じていますか?

まずは達成感。あとは、デジタル配信でも反応がいただけて嬉しいんですけど、やっぱりCDとして形にして、それを受け取ってもらえてるっていうのがリリース・イベント等で目に見えた瞬間に、"ちゃんと届いてるんだな"っていう実感がすごく湧きました。

-手触りがあるものの価値は大きいですね。

今の時代、CDを出すっていうこと自体がチャレンジではあるんですけど、中身にもこだわっていますし、歌詞カードをじっくり読みながら聴くっていうのもCDじゃないとできないことだから、お客さんがSERRAの光に触れる大切な経験を与えられるのかなと。

-そして、ハロウィンをテーマにした新曲「ダリラ」のデジタル・リリースも10月24日に予定されているということで。季節ものの楽曲はSERRAさんにとって珍しい気がしますが、制作のきっかけは?

自分は、誰よりもハロウィン向きのビジュをしてるので(笑)。毎年簡単な仮装くらいはしてたんですけど、今年は曲も出して楽しんでみようという感じでした。小さい頃にゴシックなドレスを着て"トリック・オア・トリート!"ってやるのが楽しかった思い出があるんですよね。これを機に、SERRAでもハロウィンを武器にできたらいいなって。

-エレクトロ・スウィングっぽいサウンドも遊び心があって新鮮でした。

これまで、スウィング系の楽曲がなかったんですよね。なので、ちょっとノリたくなるような面白おかしいポップな楽曲で、歌声の妖艶さも発揮したくて。

-ライヴでもセットリストのアクセントになりそうですね。

そうですね。ガラッと雰囲気が変わるようなものにしたいです。

-現在は"SERRA ワンマンライブ - 1st Album 『Dawn Light』 Release Tour"を開催中ですよね。初日の東京公演はいかがでしたか?

めちゃくちゃ進化できた一日でした。新しいお客さんも増えていましたし、そのなかでも自分の思いを素直に伝えられて、今年たくさんのライヴで得た学びや経験を集約した完全体のSERRAを届けられたライヴでしたね。

-ファイナルは来年2026年1月30日、東京キネマ倶楽部での"SERRA 1st Album『Dawn Light』Release Tour Final ~Road to 「CЯEATION -クレアシオン-」~"です。"CЯEATION"と冠されたライヴ・シリーズは以前から行っていますが、どういった関連性があるのでしょう?

"CЯEATION"はそれ自体が"Road to Zepp"みたいな立ち位置のシリーズで、昨年9月の"SERRA 3rd LIVE「CЯEATION -Theater of Lycoris-」"でも東京キネマ倶楽部に立たせていただいたんですけど、目標だったソールド・アウトが叶わなかったんです。なのでここでリベンジして、改めて"4th LIVE"へ向かうためのライヴにしたいです。

-スキップせずに一歩一歩進んでいくという意志が感じられます。では、当日の意気込みをお願いします。

最近知ってくれた方も、前から聴いてくださっている方も、誰もが応援できるようなストーリーを作れればと思います。あなたの心に残るライヴを必ずお届けします!

RELEASE INFORMATION

SERRA
1stアルバム
『Dawn Light』

LACA-25176/¥3,300(税込)
[Lantis]
NOW ON SALE!!