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INTERVIEW

XOXO EXTREME

2025.09.22UPDATE

2025年09月号掲載

XOXO EXTREME

Member:一色 萌 小日向 まお 桃瀬 せな 小嶋 りん 横山 陽依

Interviewer:サイトウ マサヒロ

孤高のプログレ・アイドル XOXO EXTREME、メジャー第2弾作品は2作同時シングル・リリース! NARASAKI(COALTAR OF THE DEEPERS/特撮)が作曲した鋭利なキラーチューン「Vanitas Hora」と、おおくぼけい(アーバンギャルド)作詞作曲の複雑怪奇ながら愉快な「High-Posi-Cry」で、唯一無二の存在感に磨きを掛ける。カップリングではグループ初期から歌い育ててきた楽曲たちを再録。主催プログレ・フェス"EXTREME Fes"の開催も迫るなか、原点を再確認しながらさらなる高みに向かう彼女たちに話を訊いた。

-最近のキスエク(XOXO EXTREME)のライヴは、メジャー・デビュー・ミニ・アルバム『Forgotten Capital』(2025年1月リリース)の楽曲が、新たな一面を見せるフックになっているように感じます。

小嶋:『Forgotten Capital』でキャッチーな曲が増えて、よりライヴを楽しんでくれるお客さんが増えてくれたように感じます。私たち、ファンの方のことを"キスエクおじさん"って呼んでるんですけど――

小日向:通称"キスおじ"ね。キスはカタカナで、おじはひらがなです(笑)。

小嶋:そのキスおじたちも、アイドル現場の中では年齢層が高い人が多いと思うんですけど、リフトしたりして楽しんでくださってるかなっていう。フロアの元気さは最近になって強くなってきた印象があります。

桃瀬:エゴサすると、他のグループのお客さんが、"キスエクは歴も長いし曲も渋いのにフロアの雰囲気が一番若い"ってポストしてたりして。

一色:膝や腰が痛いとか言いながら大はしゃぎしてますね。振りコピをしてくれる人も多いんですけど、例えば「レッドシックレコード」(『Forgotten Capital』収録曲)で、メンバーが歌いながら交差する振付をキスおじたちがフロアでやってたりしてる(笑)。

小日向:千手観音みたいに一列になったりね(笑)。

桃瀬:見ると笑っちゃう(笑)。

一色:ステージ上のうちらよりだいぶ人数多いし、複雑なフォーメーションをこなしてるよね。

桃瀬:私たちよりもメンバー・チェンジに柔軟に対応できるかもしれない。

一色:その日によってメンバーが違うからね(笑)。

小日向:私たちが元気にライヴするようにしてるから、それに応えてくれる人が増えてるんだと思います。

-というと、エネルギッシュなパフォーマンスをしていこうという意識の変化がメンバーの中にあったんですか?

一色:というよりは、この5人のバランスを考えると自然にそうなったって感じですかね。やらされているわけではなく、ライヴが楽しいから結果的にそうなってる。一番いい形のような気がします。

小日向:やっぱり、アイドルって元気を与えるものですから(※目をキラキラさせる)。

一色:この顔、みんなにも見てほしいな(笑)。

横山:私は前々から、振付に忠実にパフォーマンスをすることに重きを置いてやってきたんですけど、お客さんのノリや雰囲気がそっち寄りになってきたこともあって、自然とテンションを上げてライヴするようになりました。まおさんが担当する煽りを、たまに分担させてもらったりして。

一色:最近、陽依が楽しそうだねってよく言われるよ。

横山:本当に? 私は言われたことない。本人にも伝えてください!

-メジャー・デビュー以降、ステージ以外の部分で環境の変化を感じることはありますか?

小日向:主催のフェス("EXTREME Fes")にANEKDOTENを呼べることもそうだよね。

一色:あと、MVを作ってもらえたのは結構大きいです。キスエクは曲がいっぱいあるわりにMVが少なくて、メンバーとしても憧れがあったので、すごく嬉しくて。「レッドシックレコード」のMVはフルCGの壮大な世界観で新しい一面を見せつつ、"秋葉原UDXビジョン"で大きく流してもらえましたし。今回のシングルでも、「High-Posy-Cry」のMVを新しいアプローチの映像で制作いただいているので、楽しみにしていていただければと思います。それと、やっぱりこうして取材してもらえるとメジャー感を感じますね。

-では、9月24日にリリースされる、2作同時リリースのニュー・シングルについて聞かせてください。まずは「Vanitas Hora」はNARASAKIさんの作曲で、タッグを組むのは「ADELHEID」(2022年リリースのシングル表題曲)、「アストラル旅行」(2023年リリースのDVD『XOXO EXTREME 4th ワンマンライブ -Omen- 2022.10.19 SHIBUYA PLEASURE PLEASURE』収録曲)に続いて3曲目ですね。デモを聴いたときの感想はどうでしたか?

桃瀬:リハのときにみんなで聴きましたよね。で、"カッケー!"って。

一色:NARASAKIさんの世界観だ! って思いました。「ADELHEID」も「アストラル旅行」もですけど、ここではないどこかの雰囲気が漂ってるんですよね。完全にファンタジーではなく、現実にも根差しているけど、広い受け取り方ができる。

-レコーディングはいかがでしたか?

小日向:NARASAKIさんがディレクションで来てくださってて、5〜6時間くらい休憩なしで。

桃瀬:バカ緊張したー! 手汗が止まらない止まらない。

一色:2人(桃瀬、横山)はディレクションしてもらうのが初めてだったもんね。うちらは「ADELHEID」のときにやったけど。

小日向:「ADELHEID」のときもすごく時間がかかったんですよ。

一色:特に私とちゃんまおが苦労したんだよね。

小日向:私の歌い方には癖があって、それをなくして曲に合った歌い方をするようにディレクションされたんですけど、すごく難しくて。

一色:NARASAKIさんの意向としては、楽曲にいろんな受け取り方をするための余地を残しておきたいから、リリースされる音源は味付けされていないもののほうがいいそうで。なるべくプレーンな状態の曲を聴いてもらって、それぞれの気持ちを乗せてほしいという狙いがあるんです。だから、それに寄り添うように歌うのが大変でした。

小日向:あとは、"逆さになった砂時計 銀河に返して飛ぶんだ"を元気に歌ってって言われたんですけど、そうしたらいつもの自分になっちゃうから苦戦しました。でも、3人は歌ったらすぐに"いいね!"みたいな。

桃瀬:あまり歌に自信があるほうではないから、頭を抱えながら自分の番を待ってたんですけどね。特別な技術やビブラート、発声のテクニックが身に付いていないから、もっと細かく表現できたらって思うことが多いんですけど、今回はサクッと進んでしまって。

小嶋:私もNARASAKIさんのディレクション時には褒めていただけることが多くて。私、普段から空想しながら生活してることが多いんですよ(笑)。だから、NARASAKIさんの楽曲の世界観を想像して、イメージに近いものが出せるのかなと思っています。

横山:NARASAKIさんはいつも"歌声がかわいいね"って言ってくださるので、すごく自信が持てます。私、NARASAKIさんの曲がめっちゃ好きで、卒業前の最後になるかもしれないシングルとしてNARASAKIさんの曲がいただけてとっても嬉しいです。

一色:レコーディング中に印象的だったことが合って。Bメロの歌のバックのセリフっぽいところは、NARASAKIさんに現場で"ちょっと喋ってみてもらっていい?"って言われて、急遽そのまま採用されたんです。NARASAKIさんが立ち会ってくれたからこそできたことですね。

-NARASAKIさんはキスエクのバックバンドに参加したり、集団 -BAND SET-のメンバーとして対バンしたりと交流を重ねていますが、ディレクション以外では何かやりとりしましたか?

横山:私、ダンスが良くなったって褒められました。そんなに見てくれてるんだと思って、ありがたかったです。

桃瀬:私は"髪の毛の艶がすごいけど、どんなことに気を付けてるの?"って熱心に聞かれて、特に何もしてないので、遺伝ですって答えました(笑)。

一色:NARASAKIさん、結構キスエク好きだよね。

小日向:絶対好きだよ。

一色:「Vanitas Hora」はもちろん「ADELHEID」、「アストラル旅行」も、難しい曲だと思うんですよ。いつも表現にこだわりがある曲をくださってて、信頼を感じます。