INTERVIEW
XOXO EXTREME
2025.09.22UPDATE
2025年09月号掲載
Member:一色 萌 小日向 まお 桃瀬 せな 小嶋 りん 横山 陽依
Interviewer:サイトウ マサヒロ
これからもプログレ・バンドの皆さんに喜んでもらえる活動を続けたい
-無邪気に歌ってた当時と今では、きっと歌声に乗る思いも変わったでしょうね。
小日向:歌い方も全く違いますね。昔はか細くてか弱そうな女の子でしたけど、今はもう、たくましくなりました。
一色:歌声は3人共変わったよね。
小日向:いや、萌さんは変わってないよ。もともとができあがってる。
小嶋:でも、やっぱり上手になってるよ。
一色:その変化も楽しんでもらいたいですね。
大嶋:ずっと大事な場面で歌ってきた曲ですからね。最初はこれしかなかったし。
一色:15分の出番とかだと地獄でしたよ。「悪魔の子守唄」と「週末幻想曲」(2018年リリースのミニ・アルバム『WORKS COLLECTION #01』収録曲)しかない(笑)。
大嶋:途中でお客さんがいなくなるとか、つらい時期もあったんですけど、ライヴを重ねるごとに食い付いてくるお客さんが増えてきて。そういう大切な曲でありつつ、このタイミングで最初に作ったCDが売り切れてしまったので、再録することにしました。
-10月にはキスエク主催のプログレ・フェス"EXTREME Fes"の開催が控えています。グループにとって、大きな挑戦の一日になりそうですね。
大嶋:キスエクのコンセプトを決めた段階から、プログレの聖地であるCLUB CITTA'でワンマンをやることが目標の1つだったんです。そして今、日本に勢いのあるプログレ・バンドが続々現れてきたタイミングで、これはもうフェスにするしかないと思うようになりまして。
小日向:私、以前インタビューで、いつかプログレ・フェスをやりたいって夢を語ってたんですよ。大嶋さんにパクられました!
大嶋:いや、そのときにはもう会場押さえてたよ(笑)。なんで知ってるんだろうと思った。
小日向:まぁ、私がイメージしてたのは野外での開催でしたけどね。チッタ(CLUB CITTA')も嬉しいけど。
-今回が盛況だったら、次回以降は野外になるかもしれませんよ?
小日向:そうか、第2弾をやればいいのか。
一色:開催を発表したときに、"恒例になったらいいね"っていう反応もありました。一世一代の気持ちで臨もうとしてたけど、たしかにフェスって続いていくものをイメージしますよね。"EXTREME Fes"っていうタイトルも普遍性がある気がするし。こっちの体力が続くか分からないけど(笑)、まずは今回を成功させないとっていう気持ちです。
桃瀬:素敵な一日にしてみせます!
小日向:うちらのライヴはバンド・セットですから、気合十分ですよ。
一色:キスエクのバックバンドはSilent Of Nose MischiefさんかAlsciaukatさんであることが多いんですけど、今回は特別編成で臨みます。メンバーは、Zeppワンマン("XOXO EXTREME 5thワンマンライブ~Ultimate UNION~")でもお世話になった村井研次郎(cali≠gari/Ba)さん、Kyrie(ex-NoGoD/Gt)さんに加えて、Silent Of Nose Mischiefから稲葉 敬(Gt)さん、諸田英慈(Key)さん、Alsciaukatから大沼あい(Key)さん、谷本朋翼(Dr)さん。耳が肥えているプログレ・ファンの方々にも楽しんでいただける、間違いない演奏をお届けできると思いますね。当日はアイドルに抵抗のあるお客さんもいらっしゃると思うので、持ち時間にキスエクのいいところを凝縮して、"案外いいじゃん"って思ってもらえるように頑張ります。
-せっかくなので、すでに発表されている出演アーティストについても一言ずつご紹介いただけますか? まずは高円寺百景から。
一色:リーダーの吉田達也(Ba)さんとは何度かご一緒させてもらったことがあって、高円寺百景としての共演はお客さんからも待望されていたので、実現できてすごく嬉しいです。
大嶋:キスエクも公認カバーしているMAGMA(2018年リリースのシングル『The Last Seven Minutes』表題曲)からの影響を強く受けているバンドなので、そういう親和性もありますね。
-続いて、バスクのスポーツ。
一色:バスクのスポーツも、プログレ・ファンの方から共演してほしいって昔から言われてたんです。去年、"FUSHIGI ROCK FES #03"でご一緒したんですけど、私たちは物販中でライヴを観られなかったので、今回は楽しみです。
-"FUSHIGI ROCK FES #03"では、Evraak、曇ヶ原とも共演していましたね。
小嶋:ヴァイオリンの演奏でゲスト参加もさせてもらいました。曇ヶ原は昨年、Evraakは今年"フジロック(FUJI ROCK FESTIVAL)"に出演していて、日本のプログレを盛り上げてらっしゃる方々なので、こうして出演していただけて嬉しいです。
一色:そして、元曇ヶ原の石垣翔大(Ba/Vo/Gt)さんも"sad pray set"としてソロで出演してくださいます。
小嶋:翔大さんのライヴには、私がサポートしているジョリッツのギタリスト、吉田仁郎さんがヴァイオリンで参加されるそうなので、それも楽しみですね。
-そして、おおくぼけいと建築は......。
一色:言わずもがな、先程から話に出ているおおくぼけいさんのプログレ・バンドですね。アーバンギャルドさんではなく建築で出てくださるっていうのもすごく嬉しいです。
-レザニモヲについてはいかがですか?
大嶋:異色の男女ユニットです。演奏も素晴らしいですし、どことなくアイドル性もあるということで、面白いかなと思ってオファーさせていただきました。
-アイドル・シーンからは3776が唯一共演予定です。
一色:かなりキスエクとのシンパシーを感じるというか。よく攻めたことをしてフロアの人をポカンとさせていて、観ていると、例えば「悪魔の子守唄」みたいな曲を堂々とやる勇気が湧いてくるんですよね(笑)。届けたい音楽を堂々とやり切ることが大事だっていうのを思い出させてくれる。初めて観るプログレ・ファンの方にも間違いなく面白がってもらえるはずなので、唯一のアイドル共演者が3776なのは心強いです。
-そして大きな目玉となるのが、10年ぶりの来日となるANEKDOTENですね。
一色:私たちは今まで公認カバーとしてMAGMA、ASIA(2024年XOXO EXTREME feat. 金属恵比須としてリリースのシングル『Daylight』表題曲)、ANEKDOTEN(2020年リリースのシングル『Nucleus』表題曲)の楽曲を歌ってきたんですけど、ファンの方から"どれか1組でも呼べたらいいね"って言われてたんですよ。"でも、まさか海外からはね"って話してたんですけど、そのまさかで話が進んでて本当にびっくりしました。
小日向:私、ANEKDOTENさんが出るってキスエクのXを見て知ったんですよ。"えぇー!"って(笑)。
一色:キスエクの「Nucleus」カバーも観てもらえるかもしれないから、いっぱい練習して臨みたいですね。
大嶋:10年ぶりの来日が実現するということで、キスエクとして日本のプログレ・シーンに貢献できるイベントになりそうです。
一色:他の出演者の皆さんも、チッタのイベントに出られることを喜んでくださっていて、すでに嬉しいですね。これからもそうやってプログレ・バンドの皆さんに喜んでもらえる活動を続けたいですし、そのためにもまずは今回の"EXTREME Fes"を無事に成功させたいと思います!
-最後に、残念ながら横山さんは来年2月をもってグループを卒業してしまうとのことですが、皆さんから一言ずつ、この5人での残りの活動の展望を聞かせてください。
小日向:寂しいものは寂しいですけど、これからも気持ちは一緒だし、帰ってくる場所も作っておきますから。私、一度帰ってきてる人なので(笑)。陽依がいるこの5人での活動を大切にしながら頑張ります。
小嶋:"EXTREME Fes"や遠征もあるので、いろいろな思い出を残したいです。前向きな卒業なので、ファンの方々も心配せずに付いてきてもらって、その後に続く楽しみも見せていけたらいいなと思います。
桃瀬:残り半年、長いようで短いですけど、楽しいことだけで溢れてたらいいなと思ってます。お客さんもその気持ちで、最後まで一緒に楽しみたいです。
一色:この5人の体制はキスエクの中で一番長いし、一番濃かったと思うんですよ。Zepp(DiverCity(TOKYO))でワンマン("XOXO EXTREME 5thワンマンライブ~Ultimate UNION~")やって、メジャー・デビューして、チッタで主催フェスをやって。その期間を駆け抜けてきた大事なメンバーなので、もちろん最後まで楽しく過ごしつつ、陽依にはキスエクで学んだことを糧に強く生きていってほしいと思います。
横山:メンバーもお客さんも、"いつでも帰ってきてね"って言ってくれるんですけど、なかなかそう言ってもらえることなんてないと思うんですよ。だから、本当に温かい人たちだなって。もともとは年内で卒業っていうのも考えてたんですけど、少しでも長くこの5人の姿を観てもらいたいです。"EXTREME Fes"も私の生誕も、周年もあるので、まだまだ濃くなると思いますね。......まだ卒業する実感がないんですけど、とにかく頑張ります!
一色:うちらが続けていれば、陽依が戻ってくる場所や皆さんに会える場所を作ってあげられるかもしれないから、その先もお互い頑張ろうね。
小日向:まぁ、たぶん社会人は続かないから、2~3年くらいで。
横山:こんな感じなんですよ、メンバーもお客さんも(笑)。