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INTERVIEW

XOXO EXTREME

2025.01.15UPDATE

2025年01月号掲載

XOXO EXTREME

Member:一色 萌 小日向 まお 桃瀬 せな 小嶋 りん 横山 陽依

Interviewer:サイトウ マサヒロ

2016年12月の始動以来、プログレッシヴ・ロックを歌い踊るアイドルとして、前人未到の道を突き進んできたXOXO EXTREME(読み:キス・アンド・ハグ・エクストリーム)。2025年1月15日リリースのミニ・アルバム『Forgotten Capital』で老舗レーベル、MIDIから待望のメジャー・デビューを果たす。ライヴ・アイドル・シーンとプログレ・シーン両方からの期待がかかる彼女たちの確かな覚悟が和やかな会話の中に滲むインタビューをお届けする。

-メジャー・デビューおめでとうございます! キスエク(XOXO EXTREME)にとっては、かねてから意識している目標だったのでしょうか?

小日向:それは全くないよね? メジャー・デビューできるなんて思ってもなかったし、こんなに長く続くとも思ってなかったです。普通のアイドルとはちょっと違うことをやってるから、何かチャンスないかな? とは思ってましたけど。

一色:目標として掲げていた覚えはないですけれど、プログレッシヴ・ロックとアイドルの両分野で活動してきて、メジャー・デビューという結果に繋がったなら、今までやってきた意味があるなと思うし、すごく光栄で嬉しいことだなと感じます。キスエクはもうすぐ8周年ですけれど(※取材は12月中旬)、近い規模感でやってるアイドルさんの中には、2~3年とか、早いと半年とかで終わってしまうようなグループもあるので、ここまで続いているだけでもビックリですね。

小嶋:5年の段階でも"長いな"って思ってたし、もう8年経つってことに驚いてます。

-では、メジャー・デビューが決まったときは皆さんどのような心境だったのでしょうか?

桃瀬:本当なのか? どうなっていくんだ? そもそもメジャーってなんだ? みたいな(笑)。現実感が本当になかったです。テレビの世界のアイドルさんじゃないと行けない別世界だと思ってて。でも、ライヴで発表したときにお客さんがすごく喜んでいる声が聞こえてきて、"あ、私たちメジャー・デビューするんだな"ってちょっと泣きそうになったし、頑張らなきゃなって感じました。

-桃瀬さんと横山さんにとっては、加入から2年目でのメジャー・デビューですからね。ここまであっという間だったんじゃないかなと。

横山:2年目でメジャー・デビューしたり、大きい舞台に立たせていただいたり、お客さんからも"恵まれてるね"って言っていただけることは多いですね。私も、正直メジャー・デビューってなんなのかよく分かってないんですけれど(笑)、友達からも"おめでとう"ってたくさん言われて、ようやく実感が湧いてきてます。

-たしかに、メジャー・デビューは友達や家族に自慢できる勲章のようなものかもしれないですね。一方、長年走り続けてきた一色さん、小日向さん、小嶋さんはいかがでしょう?

小日向:長年頑張ってきました。

一色:嘘つけ(笑)!

小嶋:この子、1回脱走してるんです(※2019年にグループを脱退、2022年に再加入)。

小日向:恥ずかしながら(笑)。私は今も全然実感がないんですけど、お母さんに報告したら、スマホで"メジャーとは"って検索してくれてたんです。1つ親孝行できたんじゃないかなって思ってます。友達からも祝ってもらえて、なんだか鼻が高くなりました。

小嶋:私もメジャー・デビューになんとなく憧れはあったんですけど、いざ自分がそうなると何が今までと違うんだろうと思って、ちゃんまお(小日向)のお母さんと同じく"メジャー・デビューとは"って調べました(笑)。とはいえいろんなケースがあるので結局分からないなと思ったんですけど、やっぱり発表したときにお客さんや家族や友人がすごく喜んでくれるし、褒めてくれるんですよね。重みをそれで感じたというか。背負うものが大きくなったなと思うので、改めて頑張りたいなと思ってます。

一色:メジャー・デビューを発表するときに、お客さんの中に"何かが変わってしまうんだろうか"、"今のままで楽しいのに"みたいなことを思う人がいると考えてたんですよ。でも、みんなが迷うことなく喜んでくれて、いいファンに恵まれてるしみんな信用してくれてるんだなって思いました。歴史と実績のあるMIDIに、アイドルとして名を連ねるのが誇らしいっておっしゃる方もいて、嬉しかったですね。実感としてはたしかにまだ薄いんですけれど、今回この5人で初めてのMV撮影をしたり、今日もこうして激ロックさんに取材していただいたり、新しい人とお仕事させていただく機会が少しずつ増えているのを感じています。

-長年続いてきたグループがこのタイミングでメジャー・デビューを果たすのは、ライヴ・アイドル・シーンにとってもすごく明るいニュースですよね。

桃瀬:現役のアイドルさんだけでなく、もうアイドルを辞めてしまったお友達もすごく喜んでくれて。もう夢を追いかけなくなってしまった子からもお祝いしてもらえるっていうのは、続けるための糧になりますね。

小日向:他のアイドルさんはもちろんライバルでもあるんですけれど、仲間でもあるので。

一色:一緒に大きくなりたいよね。

-そして、キスエクはアイドル・シーンだけでなくプログレ・シーンからの期待も背負う存在なわけですが、その責任のようなものは感じていますか?

桃瀬:ダンスも歌も、ちゃんと根本的なところからコツコツやっていかないとなって、デビューを発表した日に思いました。

小嶋:アイドルさんと同じく、プログレ界隈の方々も"キスエクが希望になりました"って言ってくれる方が多くて。キスエクがプログレ・シーンを盛り上げる役割を担えたらと思います。

大嶋尚之(プロデューサー):今の日本のプログレ・シーンは、Evraakや曇ヶ原、バスクのスポーツ、コラボでCDも出させていただいている金属恵比須等、すごくいいバンドたちが頑張ってて。小嶋がヴァイオリンを弾けることもあって、バンドとコラボさせていただく機会も多いですから、ぜひシーンに貢献してほしいですね。

一色:アイドル対バンではキスエクを通して初めてプログレに触れるお客さんがいるし、プログレ・バンドとの対バンではキスエクで初めてアイドルに触れるお客さんがいて。どっちの入口にもなり得るから、ちゃんとしたクオリティでプログレとアイドルを両立させないと"プログレ・アイドル"を名乗れないと思ってるんです。パフォーマンスに磨きを掛けつつも、アイドルらしい楽しさを保たないといけない。メジャー・デビュー以降は、それをもっと高いレベルで続けていくことが必要になるのかなって。これからはもっと多くの人が、キスエクをきっかけにアイドルやプログレに触れることになるだろうから、すべてにより磨きを掛けていきたいですね。

-横山さんと桃瀬さんは、プログレに対する理解について、活動を通して深まっている実感はありますか?

横山&桃瀬:......ない(笑)。

横山:でも、私はキスエクの中でもいわゆるプログレ度の強い、ディープな曲が好きなんです。勝手にプログレって難しい音楽なのかなって思っちゃうところもあるんだけど、実はそうでもないのかなって、この2年で思うようになってきました。

-アイドル・グループって、メンバーが1人入れ替わるだけでもガラリと雰囲気が変わるものだと思うのですが、今の5人のキスエクはどういうグループだと思いますか?

小日向&桃瀬&小嶋&横山:(※じっと一色の表情を伺う)

一色:全員見てる(笑)。

小日向:やっぱり、先輩の言葉を聞きたいじゃん。

一色:この5人の体制って、キスエクの歴史の中ではわりと長いほうなんですけれど、その分安定感が出てきたし、安心してライヴができますね。陽依、せなは2023年4月のZepp DiverCity (TOKYO)でのワンマン・ライヴ("XOXO EXTREME 5thワンマンライブ~Ultimate UNION~")の開催発表を客席から観ていて、その後にグループに合流したんです。相当なプレッシャーを感じていたと思うし、Zeppの直前の1ヶ月間はかなり根詰めて練習したから、それまでの6〜7年間に匹敵するぐらい濃い時間だったと思っていて。あの期間を乗り越えられたこの5人には信頼感がある。メジャー・デビューしても大丈夫だって思える根拠があるし、自信があるんです。

小日向:今のキスエクは、力があるよね。

一色:陽依は骨を折りながら頑張ったもんね。

横山:そうなんですよ、肋骨が折れたままZeppのステージに立って(笑)。実は、Zeppでやるって決まった日、プレッシャーを感じて泣きながら帰ったんです。でも、なんとか乗り越えて今も続けられてるので、これからも頑張れると思います。

-ここからは、メジャー・デビュー・ミニ・アルバム『Forgotten Capital』について教えてください。まずは作品全体を通して、率直な手応えはどうですか?

小日向:ありまくりです! 完成した音源を貰ってすぐに聴いたんですけれど、1曲目の「カラトピア」で"ヤッベー! 歌うまー!"って。

一色:自分で(笑)。

小日向:ミックスやマスタリングの大人の力もあってうまく聴こえるなと思って(笑)。もちろん残りの3曲もすごくいい曲だし。これは、プログレおじさんには間違いなく刺さる作品なんじゃないかな。

-......プログレおじさんっていうワードはOKなんですか?

大嶋:ちょっと検討します(笑)。

一色:キスエクのファンの方は、"オイ! オイ!"っていうアイドルオタクなノリの人もいるんですけど、後方で目を閉じてじっと聴いてる人も結構いるんですよね。

小日向:"寝てない?"みたいな(笑)。そういう方がプログレおじさんかなって私は思ってるんです。

小嶋:"今度のワンマンは着座がいいな"とかよく言われる(笑)。