INTERVIEW
終音☆眠
2025.07.03UPDATE
2025年07月号掲載
Interviewer:山口哲生
-最初に発表された「A:dam」(2025年2月リリースの1stシングル)と「I:ve」(2025年3月リリースの2ndシングル表題曲)は対の形になっていますよね。そういったコンセプチュアルなものもやってみたかったとか?
そうですね。ちょっと変わったギミックじゃないですけど、そういうものが大好きなので、対になるものをやってみたいなと思って。それで、歌詞もそうですし、「A:dam」のメロディを「I:ve」にちょっと入れてみるとかもしているんですけど、実は「A:dam」と「I:ve」に関してもう1曲作る予定があるんです。まだ作ってはいないので、あくまでも予定ではあるんですけど。
-いつか日の目を浴びることがあるかもと。先日リリースされた『サイケデリックシアター』についてですが、初CDをリリースするにあたって、こういう作品にしたいと考えていたものはありましたか?
CDにはカップリングで「ゴシックシンパシー」を入れているんですけど、"ゴシック"って付いているし、世界観が伝わりやすいかなって思ってこの2曲を入れました。ちょっと重めなものと、ちょっと変わったものと。
-楽曲を制作するときは、まず終音さんがこんな曲が欲しいと作曲者の方とやりとりをされて、進めていくという流れでしょうか。
そうですね。こんな曲にしたいですという話をして。例えば、ジャンプする曲が欲しいとか、こういう感じのリフがいいですとか。
-「サイケデリックシアター」のときはどういう曲が欲しいと考えていたんですか?
ちょっと変わった感じというか。サイケじゃないけど、SFチックというか、近未来的な感じというか。「A:dam」と「I:ve」とか、「19歳人形」(『I:ve』収録曲)とはまた違ったもので、インパクトのある楽曲がいいなと思ってました。それで曲を貰ってメロディを作って歌詞を書いて。
-トップラインも終音さんが考えていると。
そうですね。ここに何を入れたら面白いかなとか。
-メロディって結構すぐに出てくるのか、結構悩むのか、どんな感じですか?
ふっと降りてくる(笑)。あとは、こんなメロディを歌ってみたいなというのをボイスメモに録っているので、これと合うんじゃないかなと思って入れてみるとか。あと、お風呂で出てくるときが多いですね。
-"サイケデリックシアター"というタイトルがまずあって、そこから歌詞を書いていったんですか?
いや、違います。この曲は"其の体には"という歌詞をめっちゃ入れてるんですけど、そこから始まりました。それとちょっとSFチックにしたかったから"4、3、2、1"というのを入れて。そこを入れたのは最後だったかな。ちょっとだけ分かりやすくしようと思って。
-歌詞の内容は、それこそご自身のことであって。
そうです。
-ご自身の実体験?
はい。第1の人生のことは語りません(笑)。ライヴに来てもらったり、歌詞を見て、曲を聴いてもらったら、猫目なら分かる! って思ってます。
-ライヴでそういうお話をされることもあるんですか?
たまに語ります。ライヴ自体はちょっとカッコつけているんですけど、MCはちょっと雰囲気を変えていて。「雨に鳴り響くオルゴール」を発表したとき("堺轟音12 -SAKAI GOES ON-")はちょうど母の日だったので語ったり。だから、ライヴに来てくれたらちょっと深掘りできるじゃないですけど、ちょこちょこ喋ってます。
-喋ってもいいなと思うのは、ライヴの雰囲気が良かったときとかですか?
そういうときもあるし、伝えたいなっていうときもあるし。「雨に鳴り響くオルゴール」のときは、親子で来てくれてる猫目さんもいたから、お母さんを大切にしてね? みたいな気持ちで言ったところもあったんですけど、今日は言いたいなっていうときに急に言ったりします。
-ライヴではちょっとカッコつけているというお話をされていましたが、ファンの人と向き合うと、自然とそういう気持ちが湧き上がってくるというか。
うん。やっぱりファンありきですからね。私が言うのもなんですけど、自信を持って言えるぐらい、皆さん本当にいい人たちだから。私の第2の人生を応援してくれているので、少しでも歌を聴いて、その人たちも頑張ってくれたらいいなじゃないけど、力になれる自分にもっとなれたらいいなと思ってます。
-たしかに、音楽活動ではあるかもしれないけど、終音さんからしたら第2の人生を始めているわけで。そう考えるとありがたいし、嬉しいですよね。自分を肯定してくれているというか。
やっぱり足を踏み出すことって大変じゃないですか、どれだけやりたかったとしても。なのでいてくれないと私も始められない、続けられないじゃないけど、後悔させないよって言って頑張ってます。
-終音さんも第2の人生を始めるための一歩を踏み出すのは大変でしたか?
はい。やっぱり勇気がいりましたね。初めてやることが多いから。でも、サポートしてくれている方たちを黒猫目教団と言っているんですけど、その支えもあったり、その人たちも応援してくれてるから、それも力になるし。裏方さんたちも力を貸してくれて、1人じゃないんだなじゃないですけど、すごくパワーを貰って頑張れてます。
-一歩踏み出せた理由みたいなものってあるんですか?
このままでいいのか? っていう気持ちがあったんですけど......これは語れないな(笑)。でもまぁ、これじゃダメだろ! って思ったんです。
-第2の人生を始めた今は楽しいですか?
楽しいですね。もがき苦しんでいるのが楽しい(笑)。思い通りにならないことってやっぱり多いけど、それが楽しいです。いろいろ考えることが多いのが私は好きだから。
-もがき苦しんでいる中で、特にもがいていることってなんですか? 別の言い方をすると、自分の武器としてどうしても手に入れたいものとか。
表現力。歌心。やっぱりまだライヴで毎回緊張するから、そのときそのときで変わっちゃったりはするんですけど、せっかく自分のことを歌詞に書いているんだから、上手く歌って表現できたらいいなとは思ってます。だから表現力かな。
-ご自身のことを歌詞に書いているわけですが、それを歌っているときにどんな感覚になります?
なんだろう......「雨に鳴り響くオルゴール」は泣きそうになるときもありますけど。語りのところとか。