INTERVIEW
Bubble Baby
2025.01.14UPDATE
2025年01月号掲載
Member:Rude-α(Vo) Q汰(Gt) 奏(Ba) KenT(Dr)
Interviewer:フジジュン
ラッパーがバンドする"B-Boyロック"引っ提げて、こっちから迎えに行くから待っとけ、ガキ!
-でもだからこそ、"あぁ、Bubble Babyは他にない音楽をやろうとしてるんだな"って思ったし、"ここから他にない道を歩こうとしてるんだな"とすごくワクワクしました。
Rude-α:でも悔しいっすよ、See You Smileの何がなんでもモッシュが起こる感じとか。あれを作りたいって気持ちもあるんですけど、そこで自分にあるものを磨こうと。あと最近、ENTHのドラムのタクミに誘われて、Zepp Shinjuku (TOKYO)で04 Limited Sazabysとやったライヴ([ENTH "Doggy Walky"])を観に行ったんですけど、2階席から見てたらかわいい女の子がいっぱいいて、くらっちゃって、"俺等もやってやろう!"と思って。カッコいいと思う音楽を信じて、自信持って前に進んでるやつらに、こういうかわいい女の子が集まってくるんだなと思ったら、そこに真理を見つけちゃったんですよ(笑)。
-わはは(笑)、そうだね。間違いない。
Rude-α:だから、"もう誰かに合わせてやる必要なんてねぇわ"と感じて。自分のカッコいいを突き詰めた先に、Zepp Shinjukuのかわいい女の子たちが待ってると思ったら、もっと頑張ろうと思えました。
-俺はBubble Babyを見て、すごく新しいと思ったし、これまでのミクスチャー・ロックと呼ばれるジャンルの潮目が変わったなと感じましたよ。
Rude-α:"何やってるか分からない"、"ジャンルはなんなの?"っていうのがみんなの中にあったと思うから、"B-Boyロック"と自分等で名乗るようにしてるんです。
-自分にしか作れないオリジナリティや、この世にないものを生み出すってスピリッツもすげぇロックだと思いますよ。楽器隊3人は"ON GYAO 2024"をやって、意識的に変化した部分ってありました?
Q汰:やっぱり3バンドともオリジナリティがあるなと思いました。ポップ・パンクってジャンルの中でそのバンドにしか出せない音を出せてて。"なんのジャンルをやってるんだろう?"っていうのは、自分等が一番悩んだ部分でもあって、名前はなくても自分たちの中で固まってる何かがあったらいいなとずっと思ってて、そこでRudeが"B-Boyロック"って言い始めた時期があって、すごくピンときたんです。何かのシーンに属そうと考えて、"ON GYAO 2024"を始めたところもあったと思うんですけど、属するより作るほうが早いんじゃないか? と気付いたのは、"ON GYAO 2024"があったからだと感じています。
-そこからできてくる曲って変わりました?
Q汰:"自分等で、オリジナリティのある音楽をやりたいんだ"って気付いてから、作曲の意識も変わって。「Bow Do Free」もそういう気持ちになってから作った曲だったんです。"もっと俺たちの武器を使っていこうよ"って言って。頭からケツまでラップしてる曲って今までなくて、どこかにメロディが入ってる曲が多かったんですけど、全部ラップで歌なしに持っていけたのは、"B-Boyロック"という分かりやすい言葉があったからですね。"これでやっていこう"って話し合ったわけじゃないけど、自然と身体に染み付いてきてるものがあって。来年はどんどん形にして、("B-Boyロック"と)みんなが口に出して言うようになったら面白いかなというのは思っています。
-今音楽ジャンルなんて完全に崩壊してると感じるけど、そうやって定義付けすることで、イメージしやすいと思うんだよね。
Q汰:そう、名前を付けることってすごく大事だと思ってて。
Rude-α:今、B-Boyロックでは一番先輩だしね。なんの年功序列もないから(笑)。
-そうだよ。"B-Boyロック界の先頭走らせてもらってます"って言ったらそうだからね。前も後ろも誰もいないんだから(笑)。
Q汰:だから、俺等の後輩が出てきてくれたら俺等としてはすごくおいしいし、俺等が先頭走ってるってことを分からせる2025年にしたいと思ってます。
-すごく明快で分かりやすい目標だと思います!
奏:音楽の話だと、僕はGood GriefのYasu(Vo)とかと、"もう新しいものを探すのに疲れたな"って話してて。10代の頃は、新しいバンドを見つけることが快感で、よく"ディグる"って言葉を使ってたんですけど、ディグり飽きちゃってる部分があるんです。ライヴハウス・シーンに限らずですけど、SNS時代というか令和になってからかな? 新しいものが古いとされるまでのスピードがものすごく速くないですか?
-うん、カルチャーがものすごいスピードで消費されてる。
奏:飛びつくまでは早いけど、1年足らずで過去のものにされるっていうのに心が疲れちゃってるような気がして。斬新なものを見つけていくより、自分の中にあるもの、これまで積み上げてきた音楽とかが自分自身なんだなって感覚になってます。簡単に言うと、斬新なものよりも、懐かしいものの魅力を再確認して落とし込むみたいな感覚を目指していきたいなという気持ちはありますね。
-極端な話、"Bubble Babyにキーボード加入!"みたいなことは必要なくて、4人の今持っているポテンシャルを最大限に活かして、今まで届いてない人に届けられれば、その人にとっては新しい音楽として捉えられるし、新しい出会いにもなります。
奏:そうです、まさに。こんな時代だから、流行にとらわれて良い悪いを判断されるものじゃなくて、いつ聴いても"いいな"と思われる音楽を、心を込めて作ることが一番正義なんじゃないか? というふうに思っています。
-俺、40代も後半になって改めて思ったけど、中学高校で好きだったものってずっと好きだよ(笑)。その時々で自分の中の流行りがあったり、新しいものを見て衝撃を受けたりするけど、結局、昔好きだったものに回帰したりするからね。
Rude-α:KenTと昔好きだったK-POPアイドルの話をしてたとき、2人ともKARAがめちゃ好きだったんですけど。KARAの最初に出た『ガールズトーク』ってアルバムの8曲目くらいのカップリング曲を流したら、2人ともしっかり歌えて(笑)。
KenT:するする歌詞が出てくるんだよね。刻まれてる(笑)。
Rude-α:だから、そういうのがクラシックだなと思いましたね。中学の頃聴いてて、今も歌える歌ってジャンルはなんでも本当にすごいと感じるし、俺たちもそういう音楽を作りたいっすね。
KenT:僕はラップ×バンドの最上級のカッコイイを作りたいと思ってて、Q汰と作曲するときとかに聴く音楽も変わったよね? 今まで聴いてこなかったバンドや、知らなかったバンドをあえて聴いてみるとか。僕等が音楽を始める前、ミクスチャーのバンドがたくさんいた時代ってあったじゃないですか? その辺の時代のものをあまり聴いてなくて、最近もsmorgasを聴いて"めっちゃカッコイイやん!"って驚いて。新しいものを追っかけるのがしんどくなっちゃったって奏が言ってたけど、僕は過去の素晴らしい音楽を掘り返して吸収する楽しみが僕等にはあるかもねと思ってるんです。深い音楽の歴史を辿って、かなりヒントを貰えてる現状なので、インプットして、しっかり楽曲に落とし込んでいきたいなと考えてます。"ON GYAO 2024"で対バンしたバンドを観ても、"むちゃくちゃ音楽好きやな!"って刺激を受けることが多くて。自分もかなり音楽好きですけど、"そんなに!?"って驚く程の輝くオタクだったんで(笑)、その音楽への愛情は見習うべきところがあって、シンプルですけど、今まで以上に音楽に愛情を注ごうと思わされるイベントです。メンバー一人一人がもっと音楽を好きになって、スキルアップするっていうことを来年もやっていきたいです。頑張ります!
-新曲についても聞きたいのですが、「Go My Way」はいつできた曲だったんですか?
Rude-α:「この道の果てで」を出して何も書けなくなって、曲作りが止まってた期間に奏がデモを作ってきて、自分たちが止まってしまっていたからこそ、自分たちが進んでいく道についての曲を作ろうってコンセプトで書いて。リリックの中に多少ふざけた言葉も入れてるんですけど、"良い日も悪い日も乗り越えて、自分自身の道を進んで行こう"という曲ですね。自分たちがまた立ち上がるきっかけを作り出したのが「Go My Way」で、「Bow Do Free」はそっから立ち上がった勢いのまま作った、"酒飲んで絡んでくるバンドマンうぜぇよ"って曲で(笑)。今また曲を作る流れが生まれたのが「Go My Way」で、それまでほんとに何もしてなかったんでヤバかったです。
-でも、話を聞いても曲を聴いても、ここから2025年に繋がっていく新しい流れができてる感がありますよね。
Rude-α:いつまでも新人ヅラしてられないから。2025年にいいところまで行かなければ、本当にやめてやろうくらいの勢いっす、自分的には。きれいさっぱり諦める。それくらい本気で2025年打ち込みたくて、日常でも落ち込んでる暇ないなって。この年になると失うものや、諦めないといけないことも多いんですけど、それ以上に自分の中で守りたいものやブチアゲたい友達がいて、そいつらにもライヴに来て楽しんでほしいし、一緒に仕事する人にもワクワクしてほしいから、2025年はそうありたいですね。今度こそ突っ走りたいです。
-そんな2025年のスタートダッシュとなる、下北沢SHELTERでのワンマン・ライヴ"ON GYAO 2025"に向けての意気込みはいかがでしょうか?
Rude-α:成功するか失敗するかは置いておいて、早いうちにワンマンを絶対やっておきたかったので、ちょうどいいタイミングだったと思います。1月というのを決めてから、そこに向けてやろうとなって。サボってた期間もあるなかで、また前を向いてやろうと思ったところでワンマンができるのがいいなと。俺としては、明日でも明後日でもいいですよ。とにかく早くワンマンがやりたい。ゲロゲロって自分の臓器も全部吐くくらいの感じでライヴする。全部出します。頑張りまっす!
Q汰:ワンマンは、"ツーマン企画を3本やる"って決めたタイミングで決まったんですけど、そのときと今とでワンマンへの意気込みが全然違って。今は成功させようというよりも自分たちが楽しみにしてるというか、"どうなるんだろう!?"ってワクワクがあるんです。お客さんがどれだけ入るかも分からないんですけど、バンドとしてのスイッチが切り替わって、"ここからやってくぞ!"って気持ちになってる状態でワンマンを迎えられるというのが嬉しくて。夏くらいはずっと不安で、"1月のワンマンどうすんだよ? その前に解散とかになったらどうする!?"って思ってました。
-そんなにヒリヒリしてた時期があったんだ(笑)。
Q汰:めちゃくちゃヒリヒリしてました。
Rude-α:俺、夏に1回グループLINE抜けたもんな? "やめてやるからな!"って。
Q汰:ライヴの前日に沖縄にいたRudeがキレちゃって、"俺、(東京に)帰らない"って帰って来なくて。それくらいヒリついてたんですけど、今は"今の俺たちにどんなライヴができるんだろう?"って楽しみになってるんで、頑張るのはもちろん、楽しみたいですね。
奏:ツーマン企画の終着点がワンマンみたいな感じに日程的には組んだんですけど、今は2025年の始まりって気持ちで臨んだほうが気持ちいいかな? と考えてますね。ワンマンで今の自分たちを理解してケツに火を付けて、ピークに持っていきたいと思います。
KenT:僕は好きなバンドはたくさんいますけど、ライヴを観に行くのが好きなバンドはUVERworldとハルカミライで。そのとき風邪引いてても、ライヴを観たら全回復しちゃうくらいのライヴを見せてくれるバンドだと思うので、僕等も来てくれたお客さんが患ってる病気を全部治すようなライヴにしたいと考えてます(笑)。
-では、最後にRudeさんからメッセージをお願いします。
Rude-α:バンドマンのラップじゃなくて、ラッパーのバンドだから、既存のロックとは全然違うかも知れないですけど、ライヴに来てもらって確認してもらうというよりは、こっちから迎えに行く。来年は"This is B-boyロック"みたいなアルバムも出すし、ツアーもやるんで、お前等のところまで迎えに行くから待っとけ! って感じです。まだ力ないバンドがデカいこと言ってると思うかも知れないけど、激ロックの2025年1月号にその言葉を残しておくことを、自分たちにとって意味のあることにしたいんで。迎えに行くから待っとけ、ガキ! って感じですね(笑)。
LIVE INFORMATION
[Bubble Baby presents "ON GYAO 2025"]
1月26日(日)下北沢SHELTER
OPEN 18:00 / START 19:00
前売 ¥3,500(D代別)
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