INTERVIEW
プランクスターズ
2024.09.13UPDATE
Member:マジ神☆カンナ 愛成来来 虹春ぬし
ももしきや古き軒端の忍にもなほあまりある昔なりけり(以下:もーりー) エンマチャチャ
Interviewer:山口 哲生
"自由奔放悪ガキアイドル"改め、"自由奔放悪餓鬼集団"プランクスターズ。前回激ロックに登場(※2022年11月号掲載)して以降、世界ツアー"BUTTER DOG SUMMIT"で5ヶ国を回り、ツアー・ファイナルを豊洲PITにて開催した。また、東名阪Zeppツアーも開催し、全公演ソールド・アウト。今年に入ってからも世界各国のステージに立ち、楽曲も大量にリリースする等、精力的に活動中。我が道を邁進し続けている。9月17日にZepp New Taipeiにて開催されるワンマン・ライヴを控えた今、ここまでの活動について5人に振り返ってもらった。
オタクは全世界共通な気がする――面白いし、優しいし、理解がある。あと自由ですね
-前回ご登場いただいてからの約2年間を振り返っていこうと思うのですが、まず昨年7月にアイドルという枠を卒業し、プランクスターズという概念として活動していくと発表されていましたよね。
マジ神☆カンナ:そうでしたね。改めて言われると恥ずかしい(笑)。
-グループの特徴が表れているところもあると思うんですが、アイドルではなく概念になろうと思ったのは?
マジ神☆カンナ:"アイドルなのに"とか"アイドルだからこうしないといけない"とか、そういうことを一番言われてきたので、なんかもうめんどくさいなと思って。
-なるほど。
マジ神☆カンナ:いろんなジャンルのアイドルさんが出てきて、SNSで"アイドルとは何か"っていうのが社会的にもいろいろ言われていると思うんですけど、プランクスターズは炎上とかも含め、そういう部分で別にアイドルじゃなくてもいいなぁっていう話になって。そこからですね。でも、都合のいいときはアイドルって使います。"だってアイドルだから!"って。だからまぁ、自分たちが都合良く生きるためにというか(笑)、アイドルだったらアイドルとしてしか見られないけど、概念として活動すればやりやすくなるかなと。アイドルらしからぬことをしたときも"いや、アイドルじゃないもん"ってネタとして出せるし(笑)。
-(笑)いいですね。
マジ神☆カンナ:特に何かきっかけみたいなものはなかったんですけどね。何か言われたとか、傷ついたとかでもないし。"広く見られればいいかな、何事も"って軽い気持ちです。
-来来さんは概念で行こうというお話が出たときにどう思いました?
愛成来来:私は別にアイドル志望っていうわけでもなかったから、ちょうどいいやって。
マジ神☆カンナ:アイドルやりたい人は(プランクスターズに)入らないよね(笑)。
愛成来来:アイドルをやりたい人もいただろうけど。
マジ神☆カンナ:ここにいるとアイドル志望じゃなくなっていくんだよ。そういう人が多い気がする、経験上。
-来来さん的には願ったり叶ったり。
愛成来来:そうですね。自由が一番いいです。
-そこは本当にそうですね。虹春さんは概念で行きましょうということになったときにどう思われました?
虹春ぬし:私はよく分かってないですね、そのことについては(笑)。"あぁ、そうなんだ"って。私はアイドルをやりたかったタイプの人間なので。でも、すごくやりやすくなったなとは思います、いろいろなことが。
マジ神☆カンナ:虹春はセクシー担当でダンスも得意なんですけど、ビジュとかちゃんとアイドルらしいことをしつつも、YouTubeとかTikTokを撮るってなると、ネタキャラみたいなこともできたりするんですよ。
愛成来来:でも、虹春は他の地下アイドルと一緒にされたくないって言ってた。
虹春ぬし:うん、嫌ですね。
マジ神☆カンナ:だからちょうど良く概念として活動できているのではないでしょうか(笑)。
虹春ぬし:結果的に。
もーりー:私はどんな名前になっても好き勝手にやるだけなので、どっちでもいいっていう感じでしたね。自分がやりたいことをやるだけなので。
エンマチャチャ:私は"え、カッコいい!"と思いました(笑)。楽しそうと思って、いいじゃんいいじゃん! って言ってました。
愛成来来:エンマが初めてカッコいいと思っていることを知った(笑)。
エンマチャチャ:だって概念になるんだよ!? イェーイ!って感じです。
-(笑)前回ご登場いただいたのが世界ツアー"BUTTER DOG SUMMIT"の開催目前というタイミングで。そこからタイ、韓国、イギリス、アメリカ、台湾の5ヶ国を回り、ツアー・ファイナルを豊洲PITで開催されました。今年に入ってからも台湾、香港、ブラジル、中国と海外公演が増えていますが、向こうのお客さんのリアクションはいかがですか? やっぱり熱狂的ですか?
マジ神☆カンナ:そうですね。誘ってくれたイベンターさんから"プランクスターズの「UFO UFO」(2020年リリースの1stアルバム『FUCK THE ピンチケ』収録曲)がすごいカバーされてるよ"とか"楽曲の反響がいい"とか。ブラジルも、主催者の方が目を付けて呼んでくれた部分もあるので、ある程度お客さんは事前知識を持ってくれていて、下ネタのコールとかも覚えてくれたり、「UFO UFO」では(日清焼そば)U.F.O.を食べるとか、日本のオタクのちょっと面白い部分をやってくれたりして。
-へぇー! すごいですね、かなりしっかりと。
マジ神☆カンナ:最初の世界ツアーは特に理由もなく、ただ行ってみたいから行っただけで、お世話になっているイベンターさんに無理やりツアーを組んでもらっていたんですけど。それがあってからの繋がりとかもあるんですが、その後は呼んでいただいたほうが多いですね。
-それはかなり状況が違いますね。ただ行ってみたのと、呼んでもらえて行ったのとでは。Xのポストを拝見していたら、ライヴ中に客席から自転車が出てきた映像をアップされてましたよね。
マジ神☆カンナ:「MACH DRIVE TIME!」(『FUCK THE ピンチケ』収録)っていう曲で、自転車ではなくバイクみたいな振りがあるんですけど。周年ライヴを広島でやったときに、バイクを持ってくるのもなかなか難しいので、自転車みたいなのに乗ってメンバーがパフォーマンスしたことがあったんですけど、それを観てくれていて。で、ファンの人が自転車を用意していたんです。
-すごいものを用意してくれていましたね(笑)。
マジ神☆カンナ:基本的にはファンが持ってきたものをやるみたいな感じではありますね。思いも寄らないバズりとかが増えました。
愛成来来:"天下一武道会"みたいだよね。オタクの"天下一武道会"。
マジ神☆カンナ:うん。戦ってます、オタクが。どうにかして爪痕を残そうと(笑)。どっちがステージか分からないぐらいやり合ってます。
愛成来来:どこかの大きいライヴで国旗掲げてる人もいたよね。タイだったかな。自分の国に自信持っててすげぇって思った。
マジ神☆カンナ:これがタイのオタクや! みたいな。うちらも負けずに、これがプランクスターズや! ってならないとって思わせてくれましたね。
愛成来来:オタクは全世界共通な気がする。面白いし、優しいし、理解がある。あと自由ですね、どこも。みんな楽しそう。
マジ神☆カンナ:思っていたほど言葉の壁もないし、みんな日本語のMIX打てるしね。
-すごいなぁ。
マジ神☆カンナ:ほんとすごいです。
-印象に残っている国を挙げるといかがです?
マジ神☆カンナ:どこも楽しかったんですけど、ブラジルが印象的でしたね。移動に30時間かかるっていう時点で、そんなに飛行機の中で過ごすのか! っていうのは人生初体験だったので。でも、地球の真裏を見るっていうのは、自分にとって大きい経験だったかなと思います。
-来来さんは印象に残っている国を挙げると?
愛成来来:印象深かった国は......タイ。タイは合法でマリファナが......。
マジ神☆カンナ:やめなさい(笑)。
愛成来来:いや、やったとかそういうのじゃなくて、文化の違いがすごいなと思って。普通に売ってるのって日本じゃありえないし、日本だとダメなことも普通に商売になっていることがすごいなと思って。
-たしかに国が変わるとOKなものが変わるって不思議なことですよね。
マジ神☆カンナ:そうですよね。あっちは食べないものをこっちは普通に食べたりするし。
-虹春さんは、海外のお客さんのリアクションだったり、ライヴをしていて感じたことというとどんなものがありましたか?
虹春ぬし:やっぱり日本の人より感性が豊かというか。さっきも言っていたように、優しいなというのと、反応が大きいのでやり甲斐もあるし、やっていて楽しいです。