INTERVIEW
プランクスターズ
2022.11.08UPDATE
2022年11月号掲載
"自由奔放悪ガキアイドル"をコンセプトに活動する、広島発7人(+2匹)組アイドル・グループ、プランクスターズ。そのコンセプト通り、縛りのない自由なパフォーマンスはニュース番組でも報道されたほどだ。そんな破天荒な彼女たちが、このたび5ヶ国で初のワールド・ツアーを開催、ファイナルは豊洲PITでの初ワンマンとなることを発表した。これまでの活動を振り返りながらこのツアーに懸ける想いを、ツアーに合わせリリースされるアルバム『BUTTER DOG SUMMIT』の話も織り交ぜながらたっぷり訊いた。
メンバー:カン・ニャン 愛成来来 虹春ぬし
ももしきや古き軒端のしのぶにもなほあまりある昔なりけり(※以下"もーりー")
閻魔羅闍 ぅゅ 緋鬼籠六花様
インタビュアー:藤坂 綾 Photo by 濱谷 幸江
Styling MAtSU(GEKIROCK CLOTHING)
メンバー全員でやろうと決めたことが炎上したなら、それは自分たちの責任でもあるから、プラスに変えることができる
-まずはグループの始まりから教えてもらえますか。
カン・ニャン:アイドルオタクの運営が、広島のアイドル・シーンをもう一度盛り上げようということで、新しくアイドル・グループをプロデュースする会社を作ったのが始まりで。当時、コンセプト・カフェでメイドをやっていた私のところに、その会社からオファーが来たんですけど、アイドルについて全然詳しくないし、右も左もわからない状態だったから、広島の他のコンカフェにいた来来(愛成来来)が目立ってたし、アイドルにも詳しいということだったので、"一緒にアイドルやらないですか?"って声を掛けた感じです。
-"自由奔放悪ガキアイドル"というコンセプトは、その当時からのものなんですか?
カン・ニャン:縛りがなく、自由に楽しいことができたらいいねっていうところからスタートしているので、そこは当時から変わらずで。そこから活動していくなかでメンバーがどんどん増えていって、アイディアもお客さんも増えていって、そのお客さんのニーズに合わせたりしつつ活動してきたら、当時よりももっとコンセプトに近づいてきたのかなと思います。
-どんどん自由になってきたという感じですか。
カン・ニャン:はい。自由な中でも仕事はちゃんとするし、ちゃんとしながらも自由なところを見せることができるようになったんじゃないかと。そういうところも含めて、メンバーで作っていくグループなので、どんどん良くなってきてると思います。
-アー写でストッキングを被ったり、ライヴでコオロギ300匹を放出したり、そういったパフォーマンスはいつ頃からやり始めたんですか?
カン・ニャン:やりたいことを自由に好きにやってくれ! っていうライヴハウスが大阪にあって、私たちのコンセプトを知っててそう言ってくださったのかもしれないですけど、そのときに客席に墨汁を撒いたり、小麦粉を撒いたり、ぐっちゃぐちゃにやったらそれがニュースになって。そこで味を占めた、みたいなところはありますね。ちゃんと"悪ガキ"っぽいライヴができたなと。そこが始まりだったかもしれないです。
-ニュースで報道されてましたね。
カン・ニャン:結構炎上しちゃって。でもそれをきっかけにSNSのフォロワーがぐんと増えたし、ライヴに来てくれる人も増えたしで、見つかってナンボやなって勉強になりました。
虹春ぬし:最初は炎上することに慣れていなかったり、いろいろ言われて悲しいなと思うこともあったりしたんですけど、結構すぐに慣れたというか、炎上したらむしろラッキーだなって。そういうライヴをやっていくなかで気持ちもだんだん変わってきて、炎上をプラスにしていくことができるようになりました。
-炎上をプラスにって、グループにとっては大きな強みになりますよね。
カン・ニャン:例えば、メンバーがやりたくないことで炎上したらやっぱり嫌だけど、メンバー全員でやろうと決めたことが炎上したなら、それは自分たちの責任でもあるから、そういう意味でもプラスに変えられるんじゃないかと思うんです。だから今はプラスに捉えて、変えられることのほうが多いかもしれないですね。
虹春ぬし:良かれと思ってやったことや、これは絶対いい意味で話題になるだろうなって思ってやったことも、叩かれたりしたしね。
カン・ニャン:そうそう。そういうときは人間ってなかなか難しいよねと思ったりもするけど、別にそのことが原因で次のライヴや活動に支障が出ることはないので。そういうことが嫌でやめちゃった子もいるけど、そのときも"こういうことが嫌なんでやめます"ってちゃんと言ってくれるしね。
虹春ぬし:"ちょっとついていけないです"とか。
カン・ニャン:そういうときも叩かれたりしたけどね。
虹春ぬし:結論としては、そんなにダメージではないと。
カン・ニャン:特に今はそういうメンバーが集まってるかもしれないです。そういう叩かれてるところを見て入ってきたメンバーもいるんで、今のメンバーは叩かれるの覚悟で来てるんじゃないかと。
-覚悟がすごいです。
閻魔羅闍:私は今でもピーピー泣いてます。
カン・ニャン:そこは人それぞれだよね。でも、表舞台に立つからにはちゃんとして、陰で萎えてようが次のライヴでまたメンバーみんなが同じ気持ちでいられたらいいから、特に問題はないです。
-そもそもいろんなアイディアはどこから出てくるんですか?
カン・ニャン:メンバーで話し合いもするんですけど、来来が言ってることが採用されることは多いですね。いろんなアイドルを観てるっていうのもあるし。
愛成来来:勝手にやって怒られることもあるけど。
虹春ぬし:結構突発的に、後先考えずに言っちゃって、メンバーも"え?"みたいなときがあるし、というかそんなときのほうが多いんですけど、結局やっちゃうみたいな。
カン・ニャン:そのアイディアを、メンバーでどうやったら楽しくなるかを考えながらね。
愛成来来:そう、そうやってみんながカバーしてくれるんで。
虹春ぬし:だから、結果やって良かったっていうことのほうが多いです。
カン・ニャン:みんなでフォローし合えば、グループとしては結果いい感じになるので。
虹春ぬし:なので、基本的にはメンバー全員で考えてるって感じですね。
-チェキ券枚数バトルの最下位がAV出演、これは結構衝撃でしたが。
愛成来来:これはもう豊洲PITをどうしても埋めたくて。みんな"埋めたい"って言うけど絶対口だけだから、死ぬ気でやらせようと思ったんです。AVだったらみんな嫌かなと考えて。
カン・ニャン:本気で嫌なことだったら、全力で取り組むかなと思って発言した結果です。
愛成来来:でも、自分が最下位になることを考えてなかったから途中で焦った。
-たしかに、そうでしょうね。
カン・ニャン:新法で10代はダメだから、はなから私と来来しか無理なんで。まぁ、結果はまたのお楽しみで。
-わかりました。猿(ニホン・ザル)と犬(プリちゃん)がメンバーにいるというのも気になったのですが。
カン・ニャン:一応ライヴも出てくれてるんですけど。勝手にスカウトして、勝手にメンバーにしてたけど、動物だからいろいろ大変だねってことで(笑)、今となってはお飾りみたいな感じです。
-11月19日からはワールド・ツアー("BUTTER DOG SUMMIT")も決定しましたが、これは目指してたところでもあるんですか?
カン・ニャン:全然です。47都道府県ツアー("WE ARE THE GOLDEN NUTS")を回って、次のツアーは世界かね、なんて言ってたら、世界でした(笑)。
-今、どんな気持ちですか?
虹春ぬし:楽しみな気持ちもあるんですけど、やっぱりちょっと怖いですね。海外の知識もないし、どんな人がいるんだろうかとかどんなライヴをしていいかとか、何もかもがわかんないので、なんとも言えない(笑)。
カン・ニャン:韓国好きだから、韓国料理とか楽しみなんじゃない?
虹春ぬし:韓国料理食べて、あとは何かしら結果を残して帰ってこれたらいいなと思います。
愛成来来:文化が違いすぎるから、すべての国でいろんなものを吸収して、最強になって日本に帰ってくる、かな。
カン・ニャン:その5ヶ国で観に来てくれた人たちが、日本まで会いに来てくれたら楽しいし嬉しい。また会いたいなって思ってくれるような、そんなライヴができたらいいですね。あと、個人的には私めちゃめちゃ占いが好きで、占いによると海外の人とご縁があるみたいなんで......ワンチャン恋人見つけてきます(笑)!
-ふふ(笑)、それは楽しみですね。ぅゅさんはいかがです?
ぅゅ:海外に行くのは初めてだから怖いし、イメージもまだあんまり掴めてないというか......イメージも全然湧かないです。デビューして1ヶ月で海外だから(笑)。
カン・ニャン:そうだよね。ほんとおもろい。
ぅゅ:はい。でも貴重な体験だし、楽しみです。
緋鬼籠六花様:私も海外に行ったことないし、なんなら日頃から外に出ることも少ないのに、いきなり世界にどうぞ! と言われてもって感じで。言葉もしゃべれないから、どういうアプローチができるのかなって考えてるんです。あと、これは勝手なイメージなんですけど、海外ってめっちゃ盗難が多いって聞くから、マジで盗まれんようにしようと。
虹春ぬし:個人的な心配? どんなライヴをしたいかとかは?
緋鬼籠六花様:やっぱりどれだけインパクトを残して帰るか、ですよね。
虹春ぬし:緋鬼籠ワールドを布教してきてください。
緋鬼籠六花様:世界共通の緋鬼籠六花様でいけたらいいなと思います。
虹春ぬし:世界の六花様になってくださいませ。
緋鬼籠六花様:はい。
-はい(笑)。もーりーさんはいかがです?
もーりー:日本であまり知名度がなくても、海外では人気のある方とかもおられるし、そういうところを狙っていきたいのと、テロとか怖いって意見もあるかもしれないけど、最悪ライヴ会場をジャックされて、銃で撃たれても伝説として残ると思うので、死んでもいいくらいの気持ちで行きたいと思います。
虹春ぬし:すごい覚悟(笑)。
もーりー:私はいつでも死ぬ覚悟です。
愛成来来:嫌だけど、そうなったときはしょうがないよね。
虹春ぬし:嫌だよ。
閻魔羅闍:私は、しゃべれないけどニコニコしてたらニコニコしてくれるかなって。
愛成来来:笑顔は世界共通だもんね。
閻魔羅闍:そう。しゃべれなくても楽しいは一緒だと思うので、ニコニコしてたらきっと楽しいんじゃないかなと。