－あの2曲ではたくさんラップしてますもんね。

ああ。たくさん言いたいことがあるよ（笑）。「Monster In Me」は全編俺だから、大好きなことを思い切りやれる曲なんだ。

－ここからはデラックス・エディションに収録される楽曲を中心にうかがっていければと思います。シングル「Hate Me Too」のアコースティック・バージョンは、単にソフトにアレンジするのではなくいい意味で攻撃性が残った仕上がりになっていて意表をつかれたのですが、この曲をリアレンジすることになった経緯と、アレンジのポイントをうかがえますか？

今言ってくれたことこそがアレンジのポイントだったよ。あの曲は必ずしもヘヴィではないけど、エッジが効いているからね。オルタナ感、グランジ感のほうが強いんだ。

－たしかに。

ポップ・ロックと呼んでもいいかもしれないけど、それはメロディの話で、ヴォーカル的にはそうでもないと思う。これもまた意識してやったことで、楽器部分を削ぎ落として、ヴォーカルは前面をキープして、エッジを効かせようと思った。「Hate Me Too」や「Live Before I'm Dead (Hours)」、「Echoes」みたいな曲で俺にとってインスピレーションになったのは、LIL PEEPだった。何年も前に亡くなった人なんだけど、彼の曲はソフト寄りでもヴォーカルにエッジが効いていたんだ。すごくグランジっぽいサウンドで、例えて言えばNIRVANA meets Post Maloneみたいな感じ。というわけで、楽器部分は削ぎ落としたけど、ヴォーカルは粗削りな感じにしたんだ。

－「One Foot In The Grave (Feat. Aaron Pauley Of Of Mice & Men)」、「Live Before I'm Dead (Hours)」はオリジナル版に収録されていない新曲になります。この曲はいつごろ制作されたのでしょうか？ アルバム本体と同じころですか？

そうだね。みんな一度に作ったんだ。アルバムに入れる曲をピックアップするのは本当に大変なことだよ。デラックスに入れる曲も迷ったし、どれを今は出さずに置こうと決めるのもね。今回はちょっと戦略的に考えるようにしたんだ。とっておく曲は通常"B面曲"なんて呼んでいる......今はもうヴァイナルもテープもないから"B面"も何もないけどさ（笑）。通常"B面曲"と呼ぶ曲に対して、今回はもっと戦略的になりたいと考えた。"アルバムを作ったときに気に入らなかった曲のリスト"と考えるよりも、"出てからしばらく経ったアルバムに新しい命を吹き込んでくれそうな曲"は何か、という考え方をしたんだよ。で、この2曲がベストな選択だったというわけだ。

－「One Foot In The Grave」では、OF MICE & MENのAaron Pauley（Vo/Ba）をフィーチャーしています。2016年に激ロックが行ったインタビューでは、"OF MICE & MENの影響も受けている"と語っていましたが、そんなアーティストとコラボしてみていかがでしたか？

すごくクールだったよ。OF MICE & MENとはずっと前から何か一緒にやりたいと思っていたからね。2016年当時だとAaronは加入していたかな（※2012年に加入）......。Aaronはその前JAMIE'S ELSEWHEREというバンドにいて、そのバンドも俺は好きで影響を受けていたんだよね。そんなわけで、何年も前から一緒にツアーするなり何か作るなりしたいと思っていたんだ。ようやく巡り合わせがあってうまくいった。彼に参加してもらうにはいい曲だったよ。

－彼にアプローチしたときはこの曲を提示したのですか。それとも選ばせた？

当初は、すでに出ている曲にフィーチャリングで参加してもらうという話だったんだ。そうしたとしてもみんなに気に入ってもらえたかもしれないけど、まだ出していない曲でコラボしたほうがいっそうクールになると思ってね。候補曲はいくつかあったし、新たに書き下ろすという案もあった。でもたまたまこの曲を送ったら聴いてくれて、"すごく気に入ったからこれでいこう"と言ってくれたんだ。あとは彼の好きにやってもらったよ。彼がベストだと思う歌入れをしてもらって、送り返してもらったら俺たちもものすごく気に入ってさ。間違いなく正しい動きだったと思うね。

－プロセスとしてはスムーズだったんですね。

そうだね。きれいな感じに収まったよ。彼はものすごい努力家なんだ。1週間くらい集中的にアイディアを行ったり来たりさせて、いろいろ練ってくれた。彼が情熱を持って臨んでくれたのがよくわかったよ。だからこそこんなにうまくいったんだ。

－ようやく一緒にコラボできて良かったですか。

もちろん！ 早くまたコラボしたいよ。いつかは一緒にツアーもできるといいね。