INTERVIEW
I PREVAIL
2024.01.10UPDATE
Member:Eric Vanlerberghe(Vo) Steve Menoian(Gt)
Interviewer:菅谷 透 Translator:原口 美穂
『True Power』は冒険心を持っていろいろなことにチャレンジしながらも、まとまりのあるサウンドを目指している
-ここからは最新アルバムの『True Power』についてうかがいます。リリースから1年以上が経過しましたが、今はアルバムをどのようにとらえていますか?
Steve:『Trauma』が大ブレイクしたから、あれに勝るようなものを作るのは大変だったけど、1年経った今でも素晴らしいアルバムを作ることができたと思う。これからもずっと演奏していきたいような曲も収録されているし、アメリカのラジオでNo.1になった曲(「Bad Things」)もあって、いろいろな面で成功を収めているんだ。ファンのみんなもそれぞれ繋がりを感じてくれる曲があるだろうし、『Trauma』に引けを取らない、誇らしい作品になったね。ライヴで演奏していてすごく楽しい、エネルギーを持ったアルバムでもあるよ。
Eric:俺たちにとって非常に重要なアルバムになったと思うよ。『Trauma』は方向性を変えて新しい道へと進んだアルバムだったから、今回も同じものを継続するというのはできなかった。新しい何かに挑戦しなければいけなかったんだ。だからいろいろな方向性を考えたり、みんなが期待するものとは少し違うことにもチャレンジしたりしたけど、1年経って改めて振り返ると、非常に誇らしい作品になったと思うよ。それからさっきSteveが言ったように、ライヴでプレイしていてすごく楽しいアルバムなんだ。ライヴを重ねるごとにみんなのリアクションが大きくなって、みんなの知っている曲も増えていって、それがツアーのたびに増している。未だに成長しているんだ。だから"すぐに次のアルバムを作らなくちゃ"というプレッシャーもないし、作品が未だに浸透しているのを見るのが楽しいよ。
-おふたりとも"ライヴでプレイするのが楽しい"とのことですが、例えばどの曲になるのでしょうか?
Eric:それは自分の子供たちの中から、誰が一番好きなのか聞かれてるようなものだよ(苦笑)! うーん......「Self-Destruction」のときもあれば、「Body Bag」のときもある、そんな感じだね。
Steve:俺は「Judgement Day」かな。ギターが楽しいし、爆発的で危険なサウンドのメタル・ソングだからね。それで「Raining Blood」のイントロを拝借しているんだ。メタル・ゴッドへのオマージュだね(笑)。
-今回のようなメタル系のイベントでは、そういった流れが非常に合いそうですね。
Steve:今回は40分くらいのオープニング・セットだったから、ハードな曲を選んだんだ。
-アルバムについて話を戻すと、「Body Bag」のような激しいナンバー、「Deep End」のようなポップな曲、「Self-Destruction」のようにラップを大々的にフィーチャーした曲など、より洗練しつつ方向性を広げたような作品だと感じましたが、どのようなアルバムを目指して制作したのでしょうか?
Eric:ひと言で言えば、エキサイティングで予想外な曲を作ろうと思ったんだ。例えば「Body Bag」は曲の終わりにヘヴィなブレイクダウンが来ると予想するだろうけど、そうではなくてサークル・ピット向きの、ファストでハイエナジーな終わり方だ。「Self-Destruction」では全体でラップを用いていて、コーラスではSteveがヘヴィなギターを演奏する。そしてアウトロではヘヴィなラップ・ソングに変わるんだ。予想外のサウンドで、リスナーを驚かせたいという気持ちが常にあったよ。
Steve:君の言ったように、洗練されていることも意識したんだ。『True Power』は冒険心を持っていろいろなことにチャレンジしながらも、まとまりのあるサウンドを目指している。若いバンドだとゴチャゴチャになってしまいがちだと思うけど、冒険的でありながらも成長を感じられる、そんなアルバムを作りたかったんだ。
-ありがとうございます。そろそろお時間になってしまいましたので、最後に日本のファンへメッセージをお願いいたします。
Eric:まず俺たちの曲を初期から聴いてくれているファンへ。10年近くもついてきてくれてありがとう。ついにこの国にやってくることができたよ。忍耐強く待ってくれてありがとう(笑)。新しいファンも含めて、日本に来てからみんながくれた優しい言葉やメッセージはすごく嬉しかったよ。またすぐに日本に戻ってきたいね。アリガトウ!
Steve:We'll be back!
Eric:(笑)