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INTERVIEW

Morfonica

2023.12.05UPDATE

2023年12月号掲載

Morfonica

Member:進藤 あまね(倉田 ましろ/Vo) 西尾 夕香(広町 七深/Ba)

Interviewer:米沢 彰

毎回レコーディングのときは暗い気持ちになってから行くようにしていました。友達に"私が傷つきそうなこと言って"ってお願いしたり


-進藤さんのほうはいかがですか?

進藤:私が演じる倉田ましろちゃんは「きょうもMerry go rounD」という5曲目なんですけど、もう最初から"私に神さまっているのかな"と歌っている時点で"あ、倉田ましろワールド来た!"と思って。自分も結構考えすぎちゃうというかネガティヴな面もあるんで、歌詞がすごく自分にも刺さりました。作曲が上松(範康)さんで、上松さんワールドも広がってて、このアルバムはエレガさんの素敵なところが詰まっているんですよね。アルバムの最後の曲ってとても重要だと思ってて、そこを任せていただいたのも嬉しかったです。このアルバム自体ダークな雰囲気ではあるのですが、最後にちょっとだけ希望が見えるように作られているんです。"苦しいよ......それでも息をして、"って台詞が入るんですが、ましろちゃんは最後に希望が見えていて、今までだったら"苦しい、だから息できない"なんですけど、"変わろう"っていう気持ちがここで出てきて、"苦しいけど息をします"って"廻りながらも掴んだ"というか、Morfonicaの4人に出会ってから掴んだ明日とか、そういうのが表れていて。最後の歌詞はましろちゃんの中での葛藤が解決の糸口が見えてきたところなんだな、と思っていて、"歌と手を繋ぎながら"終わるという、希望が見える、でも完全に救われたわけではないのがすごくいいなって思います。MVも素敵で、毎回とても素敵なのですが、"ガルパ"(バンドリ! ガールズバンドパーティ!)6周年のときにお祝いイラストを描いてくださったイラストレーターさんがまたこのMVも担当してくださるっていうのがすごく嬉しくて。今までMorfonicaに関わってくださったみなさんの思いも、ましろちゃんの心情も併せてぎゅって詰め込んだ、思い出いっぱいの曲になっています。

-おふたり以外のテーマについても簡単に教えていただけますでしょうか?

進藤:1曲目の「フレージング ミラージュ」がヴァイオリンの八潮瑠唯さんで。

-始まりからそういう感じですね。

進藤:歌詞もすごく八潮瑠唯さんを表現していて、"一番欲しい100点はもらえない"という歌詞とか、ゲームで幼少期を描いたストーリーを読んでいた方はこの歌詞を全部見て"わー!"ってなって、またストーリーを読み返しちゃうんじゃないかな、と思います。2曲目の「MUGEN Reverberate!」はギターの透子(桐ヶ谷透子/直田姫奈)ちゃんで、透子ちゃんの負けず嫌いのところがすごく強調されていて、自分だけって考えてたところがちゃんと5人視点になっていく、変化を感じられる曲で。透子ちゃんのポジティヴな面も取り入れている曲で、すごくいいなと思っています。4曲目の「esora no clover」がドラムの二葉つくし(mika)ちゃんの曲で。最初のストーリーで"私も変わりたい"ということを言ってたんですけど、すごく恵まれた家庭だし、みんながずっと"この子の闇はなんなんだろう"って思っていたのが全部この歌詞に入っているので、読んで"つくしちゃんこんなに大変だったんだね"って気づいてほしいですね。

-ご自身の担当するキャラクターのテーマ曲以外で、特に気に入っている楽曲などありましたら教えていただけますでしょうか?

西尾:私は透子ちゃんの「MUGEN Reverberate!」ですね。透子ちゃんはほかのメンバーと喧嘩はしているものの、爆発までは行っていなかったので、どういう系統で来るのかなってドキドキが一番あったんですよね。いざ聴いてみたら暗すぎないというか、透子ちゃんの内に秘めた強い芯がすごく見えて、曲調もこのアルバムの中では結構アゲ系に入るので、それもいいバランスが取れているんじゃないかなって思います。

進藤:私はつくしちゃんの「esora no clover」がすごく刺さって。私自身、結構ダウナー系のバンドや楽曲が好きなんで、それもあってすごく好きです。曲調もそうだし、歌詞もすごく好きで。でも歌うのが難しいんですよね。どの曲も難しいんですけど、"え? ここで上がるの?"みたいなところもあって。叫ぶように歌うっていうのもあったりして、むちゃくちゃ難しいんですけど、すごくアップテンポでバスドラがめっちゃ効いてる曲なんで、そういうところも好きですね。

-ジャケットも含めて、これまでとはかなり雰囲気が変わったなと強く感じました。今回の雰囲気の変更について、ご自身ではどのようにとらえていますか?

西尾:単純に私は今回の雰囲気が好みなので、"あ、好き"ってなりました(笑)。

進藤:たしかに。Morfonicaのメンバーは全体的にそっち系好きなんで。すごいみんな"やったね!"みたいな感じになったよね。

西尾:今まで出ている曲がヴァイオリンが主旋にいるのもあって華やかで、聴いて"うおー!"ってなるよりは、どちらかというと上品に聴いている感じの曲が多かったので、違う方向の曲がいっぱいできて、ライヴの幅も広がると思うので嬉しいです。

-ヴォーカルも難しいメロディが多くて本当に驚きました。

進藤:そうなんですよ。本当にMorfonicaは難しい曲が多くて。みんなニコニコ華やかにやってるんですけど、実は演奏面もすごいんですよ、ってちゃんと言っておきたくて(笑)。パッと見て難しいっていうよりも、細かいんですよね、全員が。ヴォーカルについては「esora no clover」にはちょっと不協和音にも聴こえるsus4っていう音が入っていたりして。でもそれがすごくいい面なんじゃないかって思っていて。今の"バンドリ!"だとMyGO!!!!!さんやAve Mujicaさんも加わって、Roseliaさんは"バンドリ!"におけるゴシック系の頂点じゃないですか。そこと被らないようにっていうのがMorfonicaのみんなの中ですごくあって。ジャケットも歌も曲も含めて、どことも被らない、ダークなMorfonicaをたっぷり詰め込んでいるなと、歌っていてすごく思いました。あと、毎回レコーディングのときは暗い気持ちになってから行くようにしていました。友達に"私が傷つきそうなこと言って"ってお願いしたり。絶対いつものテンションじゃいけなくて。

-今作ではバンドの名前の重要なパーツにもなっている"forte"を作品名にしたのはとても重要に感じられるのですが、この作品名に込められた意味や位置づけについて、思うところや感じることなどをうかがえますでしょうか?

進藤:フォルテは"力強く"という意味なのですが、Morfonicaは"変わりたい"から始まったバンドで、学年が上がってから"forte"という名前でツアーをやって、それがミニ・アルバムのタイトルにもなって。これからは変わりたいって意思もありつつ、もっと力強くなるっていうところが強調されてるんじゃないかなと、個人的には思ってます。

-今作のリリースを経て、来年4月には同名のコンセプト・ライヴ"Morfonica Concept LIVE「forte」"が予定されていますが、こちらはどのようなライヴになるのでしょうか?

進藤:半年くらい期間が空くので、それまでみなさんにもこの5曲をいっぱい聴いてもらって。コンセプト・ライヴになるので、みんなにはいろいろ考えて、予想しながら来てほしいなと思いますね。私たちもダークな一面をどう強化していくのかって考えたり、それだけではなくて強さも出せるように、トレーニングをいっぱいしておこうかなと。このアルバムを引っ提げてのライヴになるので、きっと新曲5曲も楽しみにしていただきつつ、レコーディング音源よりももっともっと、生バンドで魅力的にお届けできるように頑張りたいです。

西尾:同じタイトルを使ってはいるものの、今回のライヴのタイトル・ロゴは途中で掠れていたり、"r"の文字の一部がひっくり返っていたり、同じ要素を持ちつつも全然違うものが始まるんだな、っていうことがわかってもらえたんじゃないかなと思います。同じタイトルだけど本当に真逆を行くライヴになるので、そこは楽しみにしていてください。

-今年7月には上海公演などもありましたが、海外に行くこともそうですし、海外から日本のライヴに来る方も増えているように見えます。海外からの人気に関しての実感はありますか?

進藤:上海のイベントに私たちを呼んでいただいたことがすごく嬉しかったんですよね。そこで知ってもらえるきっかけになったと思うし、最初のデビュー曲からそうなんですけど、最近の動画でもすごく海外からのコメントが多くて。海外の方々にすごく刺さりやすいというか、キャラクターの見た目とかもすごくみんな好きな感じだと思うって言ってくださる方もいて、海外のほうでもまたライヴができたらいいなと思います。

-今後の音楽活動の目標などありましたら教えてください。

西尾:"バンドリ!"のベースの中で一番弾ける人であろうというのは、最初からずっと思ってやっています。気持ちだけでも。負けず嫌いというのもあって。ベースの音を褒めてもらえるのはすごく嬉しいですね。

進藤:仲のいい作曲家さんやアーティストさんに"エモい曲が似合うと思う"、"エモい曲歌ってほしいな、作りたいな"と言っていただける機会があったので、それに応えられるようになりたいです。Morfonicaでも歌い続けつつ、進藤あまねとしてもアニソンを歌えるようになったら嬉しいなって思いますね。"Morfonicaのヴォーカルの子だ!"ってひとりでいるときにも言ってもらえるように、デカくなりたい(笑)。

-最後に読者へのメッセージをお願いします。

西尾:モニカ(Morfonica)の新しい一面がどーんと出たアルバムなので、ここから入った方はこういう系統が主なのかなって思うかもしれないですけど、これをきっかけにこれまでの曲とかも聴いてライヴに来ていただければ、よりMorfonicaを感じられると思うので来てほしいですし、さらにゲームの世界にも入っていただいたら嬉しいです。どういう辿り着き方であれ、この5曲をきっかけにモニカに興味を持ってもらえたらいいなと思います。

進藤:この新たなミニ・アルバム。Blu-ray付生産限定盤には去年のライヴ("BanG Dream! 10th☆LIVE DAY2 : Morfonica「Reverberation」")の映像がついてるんですよ。聴いてみて、"このバンドなんかいいじゃん、ライヴ行ってみよう"って、ライヴに来てもらえたらなと思いますし、曲を聴いて"ちょっと行ってみよう、ゲームも始めてみよう"みたいに思ってもらえたら嬉しいなぁって思いますね。それがMorfonicaの今後の活動に繋がるので、よかったら見つけてくださったら嬉しいです。