INTERVIEW
終末のステラ
2023.02.28UPDATE
2023年03月号掲載
Member:勝たんしかまひ 田中天夢 オダ≠オダシ 西音寺えるく 彩雲あや
Interviewer:山口 哲生
正直、バケモノなんですよ
-「doubt」の歌詞はすぐに書けたんですか?
田中天夢:わりとすぐ出てきたほうでした。Atsuyoshiさんから、歌というよりも言葉っぽくしてほしいと言われて、わりとすぐに降りてきたタイプの歌詞です。で、それをちょっと難しくしようと思って、辞書を引きました(笑)。
勝たんしかまひ:変態だと思います! 降りてきたとか言ってますけど、"繋がり始めた快楽をそっと"ですよ!?
西音寺えるく:"巡る命の配列"とか。
田中天夢:最初の"巡る命の配列が前後抱えた物語"が出てきた瞬間に、これはいける! と思って、そこからダー! って一気に書きました。
オダ≠オダシ:天夢が書いた歌詞で、初めて気持ち悪いなって思った。
勝たんしかまひ:そう! ほんとに思った!
オダ≠オダシ:今まではストレートで、すぐにわかる感じだったんですよ。私は「doubt」もわかるほうだったけど、"いや、にしても今回すごいの来たなー、いい意味で気持ち悪いなー"と思って。
勝たんしかまひ:どんな生活をしてたらこの歌詞が降りてくるのかわかんないじゃないですか。普通に生活していて、"はっ......! 「繋がり始めた快楽をそっと」......!"とかなるわけない! と思って。
田中天夢:だから、理解できる人は天才です。私と同じ思考の持ち主ですよ。
オダ≠オダシ:お、じゃあ私、天才だ。ありがとうございます。
勝たんしかまひ:違う。天才じゃない。変態。
オダ≠オダシ:同類?
-彩雲さんは、歌詞はすぐに読み解けたんですか?
彩雲あや:私もわからなかったですね。
オダ≠オダシ:彩雲さんは歌詞の前に頑張るものがたくさんあるからね。
彩雲あや:うん。正直、バケモノなんですよ、この4人って。外から観ているぶんには"かっこいい!"でしたけど、実際に入ってみると、バケモノの集まりでしかなくて。歌詞も書けるわ振付もできるわ、このふたり(まひ、オダ)もいろんなことを全部できちゃうわで、本当に全員バケモノ級でした。
オダ≠オダシ:普通のアイドルさんだったら、ライヴ前に"今日のMCはこれを言おう"とか"振りのここの部分、もうちょっと確認しておこう"とかがあると思うんですけど、うちら、ライヴ前にそういうの全然しないんですよ。本当はしたほうがいいんでしょうけど、"さ、やるか"みたいな感じでステージに立っちゃうので。
田中天夢:全員での復習がないんですよ。
オダ≠オダシ:そう。自分たちでその日の動画を観て、ここはダメだった、あれはダメだったって各自思って、次のライヴで、今日はここは絶対にやれるっていう。それが勝手に復習みたいになっていて。
勝たんしかまひ:我が強すぎて、人に指図されたくない4人が初期に集まったから、4人での練習とかも空気重すぎて。
田中天夢:重かったなぁ(笑)。
勝たんしかまひ:ずっとケンカしてるみたいな雰囲気の中でやってたから。
オダ≠オダシ:でも慣れたよね?
勝たんしかまひ:うん、慣れた。
田中天夢:そこに今(彩雲が)めちゃくちゃ頑張ってついてきてくれていて。
-大変ですね。バケモノたちについていくっていう。
彩雲あや:そうなんです! みんなホントにバケモノなので。
勝たんしかまひ:だから、最初は怖かったと思う。自分たちですら、最初は"ヤベぇ、この空気大丈夫かな"って思ったけど、だんだん慣れてきて、それが定番みたいになってきたから。
オダ≠オダシ:でも、あんまりまだ(重い場面を)見せてないんですよ。最近は順調だから。初期はもう重すぎて。
勝たんしかまひ:殺伐としてた。4人で合わせて、揃ったときは"イエーイ!"みたいな感じなんですけど、その過程は"チッ、うるせぇな。あんま言わないで! できるから!"みたいな。
オダ≠オダシ:でも、次の日には"ヤッホー"みたいな感じだったんですけど。
田中天夢:その中に入ってきたのはすごいと思う。
-彩雲さんとしてはビックリしますよね。こんな感じなんだ......っていう。
彩雲あや:びっくりはしたんですけど、私客観的に見るというか、一歩引いて見て"あぁ、この人たちはこういう感じなんだな"、"じゃあこうしよう"っていうタイプなので、そんなに気にしてないというか、たぶん一番考えてないのかもしれない(笑)。
勝たんしかまひ:まだうちらが本性見せてないだけだから。
-怖っ(笑)。
一同:ははははは(笑)。
-でも、心強さはありますよね。バケモノが同じグループにこれだけいるというのは。
勝たんしかまひ:デビューのときは、時間もないし、そのくせ4曲ぐらい一気に来るしその振りを自分たちで作れみたいに言われて、どうしたらいいんだよ! って言いながら4人で作っていて、めっちゃケンカみたいな雰囲気になってたんですよ。でも、"まぁできるでしょ"っていうのがみんな心のどこかにあったから、誰を攻めることもなく、本番は絶対に成功するだろうなと思いながら練習できて、本番はちゃんとできちゃう。なんでなんでしょうね?
-かっこいいですね。
勝たんしかまひ:そうっすよね?
田中天夢:謙遜しろ、謙遜。
オダ≠オダシ:でも、最初の頃は、私も"バケモノと一緒にやってるな"って思ってました。クオリティが高すぎて、ここからスタートなの!? って。3人は未経験だったけど、自分は地下界隈をちょいちょい知ってたんで、このレベルからスタートというのは結構バケモノだと思ったし、ここから上がっていくのって大丈夫かなって不安になるぐらいでした。デビューしたての頃も、私だけしか経験者がいないって言うと、オタクのみなさんに絶対驚かれてたんです。"全員経験者だと思った"って言われてました。
勝たんしかまひ:私がすごい人を見つけてきた! っていう。
オダ≠オダシ:そうそうそう。
田中天夢:そうだね。巻き込まれたけど(笑)、先見の明がある。
勝たんしかまひ:プロデューサーより頑張って人を連れてきたし。
オダ≠オダシ:でも、私たちって"楽曲がいい"ってよく言われるんですよ。だから、それに負けないぐらいのパフォーマンスをしてやろうっていうのが一番にありますね。曲を褒められやすいんで、いや、うちらのことも褒めてくれよって思うぐらい。
-(笑)最後に、終末のステラが目指しているものとか存在、場所ってありますか?
勝たんしかまひ:始まった頃に"武道館(日本武道館)に行きたい"ってオダが言い出したんですけど、正直、絶対に無理だと思ったんです。行けるわけがないと思ったんですけど、最近はめちゃ頑張ったらもしかしたら行けるんじゃない? っていう気持ちになれました。
オダ≠オダシ:そう言っても、みんなバカにしないんですよ。自分でもバカなこと言ってんなって思いますけど、やっぱりそういうことは口にしないといけないと感じて言ったら、天夢は"一緒に行こう"みたいな感じだったんです。
田中天夢:うん。私は本気で行けると思ってます。だから、目標は武道館ですかね。
オダ≠オダシ:このメンバーって、ひとりひとりの目標が高いんですよ。しかも、全員負けず嫌いだから、誰かが自分の目指しているところよりも高いところを目標にしていたら、自分の目標をそこまで上げます。さっきの武道館もですけど、自分が"これをやりたい"と言ったら、"やろうよ"と言ってくれるのって、そういうことじゃないですか。メンバーが"やろう"、"目指そう"って言ってくれるのは、自分たちの強みかなと思います。急に強みの話をしてますけど。
-いや、大事な部分だと思いますよ。
田中天夢:なので、5人揃って武道館に行きたいですね。
彩雲あや:そうですね。
田中天夢:うちらはもうちょっとで2年経つんですけど、周りのグループさんはメンバーが変わったり解散したりしていて。でも、うちらは全員やめないで来ているので、もしかしたらここから(人数が)増えるとか、どうなるかわからないけど、この5人は絶対に残って、5人で武道館に立ちたいと思います。
オダ≠オダシ:武道館の景色がもう見えてるんで。
勝たんしかまひ:すぐそういうこと言うよね?
オダ≠オダシ:「wish」を歌っているときに──
勝たんしかまひ:ちなみにこの話、デビューしたときからずっと言ってます。
オダ≠オダシ:そう。でも本当に、「wish」を歌っているときに武道館を想像すると、いるんですよ、みんながちゃんと。この景色は絶対に見られると思っているので。
勝たんしかまひ:でもまぁ、ひとつひとつのライヴを大事にしていきたいですね。対バン・ライヴが多いんですけど、うちらは一番盛り上げるぞぐらいの勢いでたぶんみんなやっていると思うから、来てくれたお客さんたちを巻き込んで楽しいライヴができたら、うちらのやりたいことがみんなに伝わってるのかなと思うので、みんな楽しんでください!