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INTERVIEW

YUNGBLUD

2022.09.01UPDATE

2022年09月号掲載

YUNGBLUD

Interviewer:菅谷 透

-先ほど"最もピュアなアルバムになった"とおっしゃってましたが、個人的にはこれまでと比べてより親密で、オープン・マインドで、優しさのある作品だと感じました。

そうだね。今作は、みんなが一番繋がりを感じてくれるようなアルバムになっていると思う。一方で今作は今までで一番パーソナルな作品でもあって、歌詞では"I"という主語をたくさん使っている。これはみんなが聴いたときに、自分の"I"に置き換えて、鏡を見ているかのように音楽と自分を重ね合わせてほしいからだよ。さっきも言ったように、すべての人々が自分自身をアートなんだと感じてほしいし、ひとりひとりの個性の素晴らしさや美しさを知ってほしいんだ。自分が他者と違う存在であることに抵抗を感じる人もたくさんいるだろうけど、そうではなく、自分の生きている世界が素晴らしいものだとこのアルバムで伝えたいし、パーソナルな作品だからこそ、聴き手がそれぞれ自分自身に当てはめて受け入れることができると思う。パーソナルであると同時に、ユニバーサルな作品でもあるんだ。

-まさにそういった作品ですね。ここからは、いくつかの楽曲についてうかがえればと思います。Track.1「The Funeral」は、孤独や自己肯定感の低さに向き合うようなメッセージが表現されていて、曲自体もアップテンポで作品の始まりにぴったりだと感じました。

「The Funeral」は、一番初めに"これが今作のサウンドになる"と感じた曲だよ。今までよりも新しく、違ったもので、今のYUNGBLUDが反映されたサウンドと思ったんだ。始まりのビートはまるで電車が走っているみたいで、駅を出てから止まることなくそのまま進み続けるような音になっている。歌詞は死や葬式(funeral)のことが書かれているけど、実はこれは人生についての曲で、自信のなさなんて感じなくていい、誰かがなんて言おうとそんなの気にしなくていいってことを歌っているんだ。みんながそう思えるためのガソリンを与えるような、エンジンを回すような曲だよ。

-ミュージック・ビデオにはOzzy Osbourne夫妻が出ていますね。観ていてびっくりしたのですが、出演の経緯をうかがえますか?

(笑)実は(娘の)Kellyと仲がいいんだよね。だから最初は彼女に出てもらおうと思って電話をかけたんだけど、彼女はそのとき海外にいた。そうしたら"代わりに私のお父さんとお母さんが出てくれるんじゃない?"なんて言ってきて、"なんだって!?"と答えるしかなかったね(笑)。それから、MVのアイディアを考え始めた。OzzyとSharonが僕を車で跳ねて、最後にOzzyが僕のことを"ポーザー"って呼ぶんだ。まるで夢が叶ったような気分だよ(笑)! みんな彼のことをクレイジーだと言うけど、僕から言わせれば彼は"自由"なんだ。だから彼とは繋がりを感じるし、僕も自分のことをOzzyみたいだなって思う。彼は正直でエネルギーを持っているから、扱いにくいと感じる人も多いかもしれないけど、そういうところも僕と共通しているから、同じ惑星から来た分身のように思っているよ――きっとコウモリの惑星かな(笑)。

-(笑)コラボレーションと言えば、Track.3「Memories」ではWILLOWを迎えています。彼女もエモ/ポップ・パンク・リヴァイヴァルの立役者として注目を集める存在ですが、今回コラボしてみていかがでしたか?

彼女とはロンドンで会って、2週間後にはこの曲ができていたんだ。Willow Smithは本当にレジェンドで、リアルなやつだよ――良くも悪くもね(笑)。日によってそれが変わるんだ(笑)。ロック・スターだと思うし、真の声を持っている人だね。アーティストには嘘つきも多いけど、彼女は違う。美しい魂を持った、素晴らしいアーティストだよ。

-Track.6「I Cry 2」は、無機質なビートの上に"僕も一緒に泣くよ"という優しいメッセージが乗せられているのが面白いなと思いました。

これは友達についての曲なんだ。彼がとても大変な時期を過ごしていたから、それに向けたメッセージだよ。彼だけじゃなくてみんなにも言えることだけど、"男"が繊細であることや、悩むこと、エモーショナルになることはカッコ良くないという固定観念があると思う。でもこの曲では、そういうことを感じてもいいし、そういう気分になるのは自分の魂が動いていて、生きていて、何かを感じているからだってことを伝えたいんだ。だから泣いたって構わないし、僕も一緒に泣くよ。トラウマや孤独、悲しみは誰もが抱えているもので、それを感じたり表現したりすることは素晴らしく、美しいことだ。

-Track.8「Sex Not Violence」は爽やかでダンサブルな曲調ながら、近年問題になっている性加害や#MeTooムーヴメントともリンクする歌詞が印象的です。

とてもロックンロールな曲で、気に入っているよ。この曲では、セックスは暴力ではないことを伝えたかったんだ。僕はセックスという行為が好きだけど、それはふたりの人間のコミュニケーションで、お互いを信用し合い、素晴らしいものをシェアし合う瞬間になっているからだと思う。そこから生まれるパワーは世界を救えるだろうし、セックスとはそういうふうに機能するべきだと考えているよ。誰かへの暴力ではなくてね。

-Track.10「Don't Feel Like Feeling Sad Today」はアッパーな曲調で、ファンが参加したMVもクールでした。

すごく疲れてベッドから出たくない日があったんだけど、そのときに寝返りを打って紙に書き留めたのがこのフレーズなんだ。曲はRAMONESみたいな、2分のファストなパンクに仕上がったね。それでビデオも直感に従った勢いのあるものにしようと思って、撮影の1日前にSNSで"みんな、ここに集まってくれ"と告知を出したんだ。そうしたら何千人も集まってくれて、最高だったよ。警察まで来てしまったけどね(笑)。3テイクですぐ撮影して、持ってきてもらった水鉄砲で撃ち合って、ロックンロールして、"じゃあ、おやすみ"って撤収したんだ(笑)。

-(笑)ありがとうございます。そろそろお時間になってしまいましたので、最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。

日本に来ることができて本当に光栄だし、この国での旅をみんなとスタートすることができてとても嬉しいよ。着いた瞬間からスペシャルな国だと感じたし、サイン会やライヴに来てくれたみんなは日本の最初のYUNGBLUDファミリーだ。一生忘れないよ。これからどんどんファミリーが大きくなっていくと思うし、毎年でも戻ってきたいね。愛してるよ!