INTERVIEW
THE HALO EFFECT
2022.08.11UPDATE
2022年08月号掲載
Member:Niclas Engelin(Gt)
Interviewer:菅谷 透 Interview interpreted and translated by 川原 真理子
-ここからはいくつかの楽曲についてうかがいます。第1弾シングルとしてリリースされたTrack.1「Shadowminds」は重量感のある仕上がりで、作品全体への期待も高めるサウンドになっていますね。
さっきも言ったように、俺はメロディの大ファンなんだ。そしてこのメロディが頭に浮かんだんだよ。ちょっと東欧っぽい感じかな。舞踊曲のメロディのような感じで、頭から離れない。そしてその下に、グルーヴィなものを入れたかったんだ。SEPULTURAの『Roots』とか『Chaos A.D.』的な感じの"ダダダダダン!"みたいなのをね。そしてそれを続けたんだ。あともちろん、俺はRitchie Blackmoreが大好きだ。RAINBOW、DEEP PURPLEが大好きだから、その手のギターが入っている。あれは、典型的なRitchie Blackmoreだ。というわけで最初からフックが、メロディが欲しかったし、ずっとヘヴィにしたかった。
-Track.2「Days Of The Lost」はパワフルなメロディで、新たなメロデス・シーンのアンセムと言うべき楽曲に仕上がっています。
ワオ! ありがとう!
-イェーテボリの街を捉えたMVも印象的でした。この曲についてもうかがえますか?
あのビデオは、1月にルーフトップで撮ったんだ。あれはすごくクールだったよ。曲は、典型的なJesperのメロディだと思う。ここではアップビートなものをやりたかったから、これまたスウェーデンのフォーク・ミュージック的なもののスピードをちょっと上げてやったんだ。IRON MAIDENもちょっと入っているかな。あともちろん素敵なギター・ソロを入れたかった。メロディ満載にしたかったんだ。
-Track.5「In Broken Trust」、Track.7「A Truth Worth Lying For」ではMikaelのクリーン・ヴォイスも登場します。今作に彼のクリーン・ヴォーカルが用いられた経緯をうかがえますか?
何度か言っているけど、彼はアーティストであり詩人だ。心の赴くままに、直感に従っているんだ。彼がクリーン・ヴォーカルをやりたいのかどうか、俺たちにははっきりとわからなかった。彼は、"それは待ってみよう"みたいな感じだったけど、特にあの2曲に関して彼はあのヴァイブとフィーリングで行きたいと思ったんだろう。"ここではクリーン・ヴォイスを使わないといけない"と考えたんじゃないかな。そして彼がやってみると、"もちろんそうだな。完璧だ!"って思えたよ。ピッタリだったし、いい感じだった。
-Track.6「Gateways」は叙情的なギター・フレーズがアルバムの中でもアクセントになっている楽曲です。
さっきも言ったように、「Gateways」はこのアルバム用に最初に書いた曲なんだ。ヴァースはとても控えめで、ちょっと不気味で薄気味悪い感じがするけど、そこからちょっとしたメロディ・パートになる。これまたメロディで、このアルバムはメロディだらけなんだ。それから、壮大なサビが入ってくる。ここのサビは、運転しているときに予想外のことが起こるような感じにしたかったんだけど、そういうヴァイブを出せたと思うな。全体的なストラクチャーはポップ・ソングなんだ。イントロがあって、ちょっとしたブリッジがあって、壮大なサビがあって、ブリッジに行くんだから。
-Track.8「Feel What I Believe」は攻撃性と美麗なフレーズが見事に調和した楽曲ですね。
この曲はJesperが思い描いていたもので、彼がメイン・テーマを聴かせてくれて、みんなでそれに取り組んだんだ。そう、あのヘヴィさと攻撃性を保ちたかったんだよ。特に1stヴァースはすごくヘヴィでガツンとくる。あれこそ、イェーテボリ・デス・メタルの基礎だ。さっきから言っているように、メロディとデス・メタルのヴァイブが融合されているんだよ。俺はこの曲が大好きなんだ。
-Track.9「Last Of Our Kind」には、IN FLAMESからの影響を公言しているMatthew Kiichi Heafy(TRIVIUM)がゲスト・ヴォーカルで参加していますね。
特にあの曲は、イェーテボリ・デス・メタルというジャンルを讃えている賛歌なんだ。最初からヴァイオリンやチェロが入っているけど、あれはAT THE GATESが『Terminal Spirit Disease』で使ったものだよ。俺たちも同じようなことをやって、讃えようじゃないかということになったんだ。そうしたらレコーディングの最中にJesperが、"おい! これはMatt Heafyに歌ってもらうべきじゃないか? きっと彼は喜んでやってくれる!"と言い出したんだよ。いいんじゃないかなと思ったんでMattに話をしたら、彼はとても乗り気だった。そして結果は素晴らしいものになった。完璧な融合だったよ。俺はとても気に入っているね。
-アルバムを締めくくるTrack.10「The Most Alone」は、壮大で美麗なサウンドのクローザーに相応しい楽曲になっています。アルバム全体の流れも意識されたのでしょうか?
そう、それは重要だった。流れのあるしかるべき曲順にすることにMikaelがこだわっていたから、最終的にすべての曲順を決めたのは彼だったんだ。すごくうまくいったと思うな。大都会の夜、ネオンが輝くなかで車を猛スピードで走らせているときに聴くメロディを思い浮かべたんだ。ちょっとメランコリックだよね。それが俺が思い描いていたヴァイブだった。この曲にはメロディが満載なんだ。そして最後は、最初と同じメロディで終わる。あれは、最後まで車を走らせていることを表しているんだ(笑)。
-バンドはすでに、ルーフトップ・コンサートやスウェーデンのフェスでライヴ・パフォーマンスを披露していますが、観客の反応はいかがでしたか?
これまでのところ(※取材は7月中旬)、観客の前でのライヴは1回しかやっていないんだ。"Sweden Rock Festival 2022"に出たんだけど、あれは素晴らしかったな。すごい雰囲気だったよ。あのころ、俺たちはまだ4曲しかリリースしていなかった。1時間しかなかったし、アルバムは47~48分だったし、ライヴにはイントロとアウトロが必要だったから、最初のライヴでアルバムを最初から最後まで通しで完全再現したんだ。
-それはとても珍しいことですね。
そうなんだ。あんなことは二度と起こらないよ。"どうやって弾けばいい? とりあえずやるんだ!"って感じだったよ。あれは珍しかった。
-ルーフトップ・コンサートはライヴではなく、単にビデオ撮りのためのものだったのですか?
あれは、ストリーミング・ビデオ用だったんだ。4曲やったんだったかな。あのときはアルバムを完全再現したわけではなかったよ。
-ライヴで演奏してみて印象が変わったり、手応えを感じたりした楽曲はありましたか?
そのことについて訊いてくれて良かったよ。たしかに、曲を演奏してみて印象が変わったんだ。まず曲を作って、それからそれをレコーディングして、それからリハーサルして、それからライヴでやるわけだけど、ステージに立ってやるのは勝手が違う。なんせ、初のギグで目の前に1万2,000もの人がいるんだからね。ちょっと"えぇっ!?"って感じだったよ。でもやらないといけないから、飛び込んでいった。見ていて面白かったよ。お客さんは、聴いたことのない6曲のときも、盛り上がってヘッドバンギングしていたんだからね。新曲なのにだよ! "彼らは音楽を感じて、理解して、心から受け止めているんだろうな"と思ったね。あれは嬉しかった。
-8月14日には"DOWNLOAD JAPAN 2022"にて日本での初パフォーマンスを行うことが決定しています。ライヴへの意気込みをうかがえますか?
俺は日本でプレイするのが大好きなんだ! 俺のお気に入りだからね。エナジー全開を期待していてくれ。幸せと愛に溢れたライヴになるはずだ。
-最後に、日本のファンへのメッセージをお願いします。
ハロー、サポーターのみんな! THE HALO EFFECTを応援してくれてありがとう。俺たちの音楽をライヴで届けるのを楽しみにしているよ。君たちのために音楽をプレイして、素晴らしいショーにしたいと思っている。早く君たちのためにプレイしたいよ。