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INTERVIEW

LETITOUT-lelia-

2022.08.05UPDATE

2022年08月号掲載

LETITOUT-lelia-

Member:MINAHO(Gt/Vo) KANA(Gt/Cho) MOMO(Ba/Cho) NARUMI(Dr/Vo)

Interviewer:杉江 由紀

-では、ここからは「if」の歌詞世界についてもうかがって参りましょう。この歌詞世界は、この曲調から派生していったものだったんですか?

MINAHO:曲調がこの歌詞を呼んだ、というのはあると思います。もともとラヴ・ソングにしようとは思っていたんですけど、気づいたらラヴ・ソングはラヴ・ソングでも片想いの重苦しい内容になっちゃってました(苦笑)。

-"僕は"と出てきますので、男性目線のラヴ・ソングということではあるのでしょうけれど。粘着気質で激重な片想いの様子は、音と完全にシンクロしていますね。もっと言葉を選ばすに言えば、この主人公はかなり"ヤべぇヤツ"ではありませんか?

MINAHO:いやほんと、まさに"ヤべぇヤツ"なんです(笑)。なんか、この詞に限っては思い浮かんだ主人公がこういう男性だったんですよ。

KANA:そこが伝わったっていうのは、私たちからすると嬉しいです(笑)。

-また、このレベルの"ヤべぇヤツ"はそこまでの珍しい希少種ではなくて、学校で言えば校内にひとりではなく、比率だとクラスにひとりはいそうな気がします。それゆえに、やたらとリアリティがあるのだと思いますね。

MOMO:そうそう、そうなんですよ。

NARUMI:たしかにひとりくらいはいそう(笑)。

MINAHO:でもこれ、半分は"ヤべぇヤツ"なんですけど。実は、もう半分は自分と重なってるところもあるんですよ。

KANA&MOMO&NARUMI:(笑)

-大事なのは、思い詰めたときにその気持ちを行動にいきなり移してしまうのか、そうではなく想いを心に秘めながらも理性的に行動をしていけるのか、というところなのではないですかね。誰しも、心の中で片想いを高じさせてしまったことがあるという経験自体はそれなりにあると思いますよ。いきなり気持ちを相手に押しつけたりさえしなければ、心は自由であっていいはずです。

MINAHO:ですよね(笑)。

-ところで。今回「if」についてはMVも制作されたそうですが、映像を作っていくにあたりLETITOUT-lelia-が出した要望はどのようなことだったのでしょうか。

MINAHO:カオス感や自分たちの中にある狂気な部分を出したいです、っていうことはまずお願いしましたね。

KANA:その結果、結構ホラーチックな感じのインパクトが強い映像になったので、ぜひみなさん観てみてください(笑)。

-むろん、今作『TASTE'EM ALL』にはそれ以外にもたくさんの魅力ある曲たちが詰め込まれております。ベタなメタル感が満載の「Under the Blue Sky」も、非常に聴き応えがある仕上がりですね。

KANA:リフの感じを始めとして、この曲はたしかに自分たちの中にあるメタリックな部分が色濃く出たものになりました。だけど、ブレイクダウンとか、サビのツイン・ヴォーカルの入れ方、展開の仕方は新しく挑戦したものでもあるんです。

MINAHO:とってもドラマチックな曲になったよね。歌詞もストーリー性が強くて、これはKANAとふたりで書いていきました。

KANA:あらすじとしては、現代を生きる人々の姿と、その様子を上から見てる神様がここには両方出てくるんですね。ここで伝えたかったのは、自分たちもそうですけど人々が当たり前だと思っている日常はいつ崩れるものかわからないし、戦争だったり、いろんなことが起きる可能性はあるのに"なぜ君たちは、日常を当たり前のものだと思っているのか"と神様が問い掛けているという詞なんですよ。歌のパート分け的にはNARUMIが人間たち、MINAHOが神様になってます。

-それから、ベースが全体を牽引する粋な曲となっている「Shangri-La」。こちらはMOMOさんからしてみると、大きな見せ場となっていたのではないですか?

MOMO:ありがとうございます、そう言ってもらえるとめちゃめちゃ嬉しいです(笑)。

KANA:この曲は、私としてもベース推しで作ったものだったんですよ。

MOMO:ずっとベースがリフを弾いてる感じだしね。ただ、自分の気持ちとしては曲の中に出てくる主人公の立つ舞台を作っていくようなスタンスでプレイをしていったので、そこまで見せ場みたいな意識は強くなかったし、どちらかというと引き立て役に徹していたところが意外と強かったです。

-一方で、こちらの「Shangri-La」は"裸になった バニーガール"といったフレーズを筆頭に歌詞がなかなかぶっ飛んでいるなとも感じたのですけれど。これはまたどうしてこのようなことに?

KANA:私たちも、この歌詞にはちょっとびっくりしました(笑)。

MOMO:メンバーの中でのMINAHOのイメージが、この詞でガラッと変わったところはあるよね。

KANA:でも、この曲にはこの詞がほんとにピッタリなんですよ。

MINAHO:私の中でも、この主人公は完全に飛んじゃってる人ですね。入り込めるか、入り込めないかで言うと、あんまり入り込めないくらいにイっちゃってます(笑)。なぜそうなったかは理由がはっきりしていて、これは最初にストーリーとかは皆無で曲に合う語感の言葉だけを並べて作り始めたからなんです。それらを紡ぎ合わせてストーリーを仕上げていきました。曲調としてこれは女子が特に好きなタイプの重いラウドロックだと感じたので、その感覚を最大限に生かしながら歌詞を書こうと思ったらこうなりました。

-そのほかにも、今作にはハード・ロック的な色合いの強い「Take Five」や、ミドル・テンポで歌を聴かせる1曲に仕上がっている「Answer」なども収録されておりますが、NARUMIさんの熾烈なキック連打を堪能することができる「Bye Bye Bye」も刺激的な1曲となっておりますね。

NARUMI:ここは思い切って、やってやろうか! ということで。ちょっと踏みまくってみました(笑)。

MOMO:この曲はきっと、ライヴでもみんなで楽しく騒げそうな曲だと思います。

-歌詞を書かれているのはMOMOさんですね。ここでテーマにしているのは、いわゆるSNSについてですか?

MOMO:SNS上でデカい顔をしてるヤツらを嗤った感じの内容ですね(笑)。

-スマホがキー・アイテムとして出てくるという点では、どこかで「if」との繋がりも感じることができます。

MINAHO:今回のEPでは普遍的なこともいろいろ歌ってますけど、現代的で時代感の出た詞も形にしてみたかったので、これもそれができた曲になりました。

-かくして、様々な曲を提示したうえで今作『TASTE'EM ALL』を締めくくるのは「Shine' Day」です。曲としては最もライト・テイストですし、詞からは今現在のLETITOUT-lelia-のことを書いたのであろうノンフィクションな要素も強く感じました。

MINAHO:実際、詞はこれが一番リアルですね。今の自分たちの気持ちというか。それを素直に書きました。

MOMO:ただ、曲調的には最後にこの「Shine' Day」を聴いてもらうと、きっとみなさんにはびっくりしてもらえるんじゃないかと思います。

KANA:これだけ極端に毛色が違うからねー(笑)。ギターもこれだけ、クリーン・トーンとかクランチとかを前面に出して使ってます。

-焼き肉屋さんでの、最後の柚子シャーベットのような爽やかさがありますね(笑)。

MINAHO:あー、それ! すごく伝わりやすい説明(笑)。

NARUMI:その感覚、よくわかります(笑)。

MINAHO:ギターを入れていくときも、みずみずしい音にこだわってたんですよ。こんな曲をずっと書きたかったんですけど、ここまでこういう方向に振り切れたのは初めてでした。

MOMO:スッキリ聴き終わって、みんなには"あれ? もう終わったの? よし、もう1回また聴こう!"って思ってもらえたら嬉しいですね。

-なおかつ、最初に戻るとまた重くてカオスな「if」ですから。これは沼ですね(笑)。

MINAHO:ぜひ何回でもループしてハマってください(笑)。

-最後に、今作に"TASTE'EM ALL"というタイトルを冠した理由についてもぜひ教えてください。

MINAHO:これは今の自分たちにとっての"カッコいい"を全部出そうと思って、それをやりきった作品になったので、この最強の7曲をみなさんどうぞご堪能あれ! という気持ちで"TASTE'EM ALL"にしました。

KANA:あと、隠し味的には自分たちの好きなアーティストのひとつがMETALLICAなので、彼らに対するリスペクトもここには込めました。

-なるほど、METALLICAのデビュー・アルバム『Kill 'Em All』のことですね。

MINAHO:隠し味になってるかな? みんなすぐわかりそう(笑)。