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INTERVIEW

8bitBRAIN

2022.03.23UPDATE

2022年03月号掲載

8bitBRAIN

Member:Koyoka 小谷 茉美子 菊地 桃子 アンズ卍100% メロネサリ

Interviewer:吉羽 さおり

思った以上にはちゃめちゃで――みんながみんなそれぞれの方向に全力で突っ走っていて楽しい


-そして「-ShowTime-」は小谷さん作詞の曲で、以前の曲もそうですが、やっぱり勢いがありますね。今回は特にノリが良くて、威勢がいい。

小谷:はい(笑)。同じようにサウンドに和の雰囲気がありながら、リード曲が儚い感じなのに対して、「-ShowTime-」はパワーがあるゴリゴリ系で攻めようと思って。曲を聴いたとき、お祭りっぽいなと思ったので、お祭りやスポーツで熱くなるなかでの応援ソングじゃないですけど、鼓舞する曲ができたらいいなと。"SO-I-YA"とか"神輿"とか、祭りのワードもたくさん盛り込みました。最初は全部祭りで書くぞと考えていたんですけど、2番になるに連れてやっぱり野球も好きだし、野球のことも入れたいなって思っちゃって。2番は夏の高校野球がメインになってます。歌詞変わっちゃったなって思いましたけど(笑)。

菊地:でも夏の甲子園は日本のお祭りだから。この曲もマリーちゃん(小谷)から歌のオーダーがあったよね。"死ぬ気で力強く歌ってほしい"って。

小谷:アルバムの中で一番、パンチのある感じで歌ってほしいなって。

アンズ:そうしろって言うから、死ぬ気でやりました。

小谷:どんなふうになるかいろんな想像をして書いたので、すごく楽しかったですね。あとは野球では今、メジャーで大谷翔平さんが活躍されているので。タイトルの"-ShowTime-"はお祭りが始まるショータイムと野球の試合が始まるショータイムと、大谷選手の"Sho Time"もかけています。

アンズ:そうなの!?

-いろんな仕掛けが(笑)。

サリ:振付もいろいろ遊んだ曲で、この振りは応援団みたいな感じになっていて。楽しい振付になってますね。

アンズ:曲の最後のポーズでも野球やってるんですよ。私がカキーンって打ったり。

Koyoka:曲の始まりも監督がサイン出してる感じでとか、楽しかったね。

-扇子での日本舞踊から応援団まで幅広いですね。

サリ:野球選手のクセを入れたり、高校野球はトーナメント戦だからトーナメントを描くような振りを入れたりと、細かい振りがいっぱいあるんですけど、いろいろ入れたすぎて(笑)。野球の動画とか、都道府県のお祭りの動画とかを観ながら、みんなに相談して作っていきましたね。一番インスピレーションが湧いて、すぐに振付ができました。

-ライヴが楽しみになってくる曲ですね。「YA-BA-I DIVER」はアンズ卍100%さん作詞で、ゲームがモチーフになった歌詞です。

アンズ:テーマが進化だったので、8bitから16bitということで、歌詞に"8 → 16"と入れたり、コナミコマンドを入れたり(笑)。歌詞カードを見たときに、何これ? って思うものにしたかったのもあって。

-パッと歌詞を見たときはポップな感じだったので、まさかこんなエモい曲だとは思わなかったです。

アンズ:サビなんかは熱くなる感じの曲ですよね。

菊地;ライヴでも感情のまま歌える曲だよね。

アンズ:ハチブレのファンを"ダイバー"って呼んでいるんですけど、ダイバーのことを書きたいって感じたんです。私たちが、シングルや新曲を出したり、衣装が変わったりと進化していくなかで、ずっとついてきてくれて、一緒に進化をしてくれるのがダイバーだなって思ったので、これからも、ずっと食らいついてきてほしいっていう気持ちで。書いていたときは結構ふざけたつもりだったんですけど、今改めて見るとまとまっているなって思いますね。

-そしてメロネサリさん作詞の「A cuddly Heart」は、まっすぐに"歌"を届ける曲になりました。

サリ:この曲は心がテーマで。8bitBRAINの曲は全部エフェクターを通して歌っているんですけど、この曲は唯一エフェクターなしで歌っていて。ずっとデス・ヴォイスをやっているマリーちゃんが、歌い出しや落ちサビを"歌って"いるので、ファンの人も嬉しいだろうし。私たちメンバーも新しい8bitBRAINの曲ができたなって思ってすごく嬉しいですね。

アンズ:アルバムの中でも異色な存在だと思います。

-いろんな曲を歌ってきて、こうしてアルバムだからこそまたできることですね。

サリ:マリーちゃんとこよちゃん(Koyoka)とももちゃん(菊地)、3人で8bitBRAINがスタートして、私たち(サリ、アンズ)が加入して5人となって、すべて奇跡が繋がって8bitBRAINができていて。応援してくれているダイバーも、ずっと追いかけてくれているんですよね。全部奇跡が繋がって、感謝しなきゃいけないなってずっと考えていたんです。感謝の言葉を入れた曲を書きたいし、8bitBRAINでこういう曲があってほしいと思ったので。サビの頭で、"君と君と君の"とか"人と人と人の"と書いていて、プロデューサーにもしつこいって言われたんですけど(笑)。わざとしつこいくらいに書いているんです。人に言葉で伝えるのってとても大事だし、伝えるときはやっぱり気持ちを込めて伝えないとなって思ったので。

-これまでエフェクトをかけて歌っていたものから、素の声で歌うっていうのは、実際どうだったんですか?

菊地:ずっとやりたかったことなんです。エフェクターを通して歌うと決まった初期の頃から、Koyokaと私で、"エフェクトを外した曲があってもいいんじゃないですか"って言っていたんです。Koyokaは途中キレてるくらいの勢いで言ってて(笑)。

Koyoka:"だ、か、らー"みたいな感じで、"エフェクターなしで歌わせてくれ!"って。

菊地:プロデューサーはそのときに、"まぁ、それはアルバムが出るときかな~"みたいなことを言っていたんですけど。本当にアルバムまでやらせてくれなかったなって。

Koyoka:ほんとだよね(笑)。

菊地:そこでさらにマリーちゃんの"歌"も入るっていうのは、プロデューサー的には満を持しての感じだったのかなって。

Koyoka:やっとかという感じでした。今回実現して良かったです(笑)。

小谷:私は最初から、デス・ヴォイスしかやらせないみたいな感じで言われたので。今回もまさか歌があるとは正直思っていなかったんです。急に"歌って"って言われて、あ、そういう感じなんだって。

菊地:軽いな(笑)。

小谷:普段デス・ヴォイス、シャウトで楽器的な要素や、強い気持ちを歌うことが多かったので、ちょっと恥ずかしい気持ちもありましたけどね。普段イキってやってるから、優しい感じ歌うのを見せたくないみたいな。歌ってる姿見られたくないなって。

菊地:マリーちゃんが茉美子ちゃんになっちゃう感じでね。

小谷:あわよくば気づかれなければいいなって。

アンズ:それは無理だから。

-これまでの作品やシングル3作、ライヴで8bitBRAINというものを作り上げて、しっかりと提示してきたからこそ、また壊せる勇気が出たり、新しく打ち出すものができたりした感触ですね。

菊地:そういうアルバムになりましたね。思った以上にはちゃめちゃで、みんながみんなそれぞれの方向に全力で突っ走っていて楽しくて。自分も突っ走ったなって思ったけど、みんなも突っ走ってたから、これ大丈夫かなというくらい楽しいアルバムができたなって思います。

アンズ:8bitBRAINっぽいなって思いましたね、各々のやりたいことを好きにやっていて、でもちゃんと同じ想いが詰まっているなというのが。

-さらにコロナ禍がテーマでもあったシングル3作からの曲も入ったことで、今の時代性もわかりますし、そこでの8bitBRAINの今が伝わってきます。今年はこのアルバムを携えて、さらに突っ走る感じですか?

アンズ:アルバム『shout』のテーマが小さな叫びということで、日本だけじゃなくて、世界にも響いたらいいなって思います。和の要素も入っているので、海外の人に日本っぽいねと受け入れてもらえるのかなって感じますし、「-ShowTime-」ではお祭りや神輿とか、日本ならではの文化が入っていて、あとヤバイっていうワードは、海外でも通用すると思うので。どういうふうに届くのかが楽しみですね。

-アートワークがイラストというのも新鮮ですよね。

菊地:海外でもわかりやすいように1回やってみたいねっていう話はしていたんです。新しいこともしたいし、いろんな案が出たんですけど、最終的にイラストになりました。

アンズ:これがかわいくて、メンバーも大盛り上がりでしたね。

菊地:こんな美少女キャラたちがこれを歌っているという、ギャップもあっていいかなって(笑)。

-ちょこちょこと話題に出ていますが、"海外"っていうのは今年のキーワードにもなっている感じですかね。

菊地:もともと一昨年や昨年、フェスに出たいというのがあったんですけど、これだけコロナ禍が長く続いていると、ライヴ・パフォーマンスも楽しいけど、ネット上で広がっていく時代にもなってきたから。そうなったら海外にも届いてほしいなっていう気持ちもあって。以前から、YouTubeのコメントでも海外の方が多かったり、ラウドロックとかを取材している海外の方が来てくれたりして。海外にこういう激しめのアイドル・グループが広がったらいいし、面白いことになりそうな予感がします。