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INTERVIEW

Rorschach.inc

2022.02.14UPDATE

2022年02月号掲載

Rorschach.inc

Member:ロールシャッハ1号(Vo/Scream) ロールシャッハ3号(Gt) ロールシャッハ7号(Ba) ロールシャッハ2号(Dr)

Interviewer:山口 哲生

地底の音楽を広めるべく、地上に姿を現した謎のウサギ型地底人集団、Rorschach.inc。昨年6月に発表した「WATCH MEN」以降も着実に楽曲を配信し続け、12月には初のワンマン・ライヴを開催。その勢いのまま、2022年第1弾シングル「KEMURI」をリリース。今作は、彼ららしい強烈なデジタル・ヘヴィ・サウンドで駆け抜けつつも、ヴォーカルのロールシャッハ1号がラップとスクリームを担当し、ギターのロールシャッハ3号がメイン・ヴォーカルを務めるという変則編成。セオリーに中指を立てながら、ないもの探しに明け暮れる捻くれ者ならぬ"捻くれウサギ"たちに話を訊く。

-新曲「KEMURI」のお話に行く前に、前回の取材(※2021年7月号掲載)から今日までを振り返っていければと思うんですが、地上に出てきてから約半年経ってみた現状はいかがでしょうか。

1号:とにかく気を衒ったことを僕らは常にやっていきたいので、ないもの探しを毎日してますね。セオリーというか、"みんながこれをやっているから僕らもやろう"というのが一番大嫌いなので、とにかく人がやっていないことを全部やっていきたいな、と。だから今回リリースする「KEMURI」という曲(※取材は2022年1月)も、周りの人がやらないものをやろうと思って作ったところはありますね。

3号:たしかに、いわゆる地上の覆面バンドって顔出さないもんね。今回出してますから。

-え(笑)?

1号:そもそも僕らは覆面じゃないからね。

3号:うん。地上人モードでMVを撮ったんですよ。

1号:なんか、みんなかっこつけたがるじゃないですか。脱いだだの、被っただの。くだらないなと思って。どうでもよくないですか?

-まぁ、隠しておいたほうが興味を引きやすいというのはあると思いますけど。

1号:あぁ。っていうのが凡人の考えだと思うんですよ。僕らはあくまでも、地上人モードと地底人モードがあるので。その前提があるのをわかっておいてもらいたいっていう。

-なるほど。新曲のことはまた後ほどお聞きするとして、昨年6月に「WATCH MEN」をリリースされてから、9月に「Rorschach」、12月に「メカウサギ」と継続的に楽曲を発表されてきましたが、このタイミングでこの曲を出そうというのは、いろいろと考えられていたんですか?

1号:基本的には、僕がやりたいなと思ったことを3号が曲にしてくれている感じですね。季節感のある曲とかもいずれはやってみたいなと思いますけど、僕らとしては、まだまだ名刺を作っている段階かなと考えているので。だから、僕らのやれることをとりあえず見せていけたらいいなっていう感じでした。

-実際にRorschach.incらしさを構築していく作業ではあったと思うんですが、そのなかで、「メカウサギ」をカバーされた理由というと?

1号:なんか、イロクイ。っていうわりと売れてるヴィジュアル系バンドがいたんですよ。よく知らないんですけどね。でも、この「メカウサギ」っていう曲がすごくいいなと思って。いいものを眠らせておくのってもったいないじゃないですか。なので、ちょっと金属バットを持って、イロクイ。のメンバーのところに行って、"カバーするから"って。

-交渉したと。

1号:そうです。1号の古の記憶の中で、これはいい曲だなと思っていたし、令和の時代にも聴いてもらったほうがいいと思う楽曲No.1だったので。

-好きだったからカバーされたんですね。ちなみに、冒頭でお話しされていた"ないもの探し"についてですけど、他にも見つけたものはあったんですか?

1号:これも今回の「KEMURI」についてのことになるんですけど、ギタリストとかベーシストがシャウトをして、ヴォーカルがメインを歌うっていうのが普通じゃないですか。それは嫌だ、と。逆にしようかなと思って、今回はギターの3号がメイン・ヴォーカルを歌っております。

3号:しかもセンターで、ギターを弾きながら。

1号:3号は、センターに立ったり、前に出たりするのが大の苦手なんですよ。じゃああえてやろうじゃないかっていう。

3号:MVを撮るときに、"センターで"って聞いて、最悪......って。

-(笑)2号さんはいかがでしょうか。地上に出てきてから半年間を振り返ってみると。

2号:やっと地上の生活に慣れてきたかなって。とにかく地上は便利なものに溢れてますね。そういうなかで、今までなかったことを探して制作していくと、今回の「KEMURI」のMVのどこで映るかはわからないんですけど、バスドラが燃えてるんですよ。

1号:地上人はバスドラ燃やさないですからね。

2号:うん、普通は燃やさない。

1号:でも、そのバスドラも決して燃え尽きないです。材質が特殊ですからね。アンダーグラウンドニウムっていう地底の素材でできているので。

3号:たしかに、映像を観たら"どうなっとるんやろう?"とはなるね。別にCGでもないし。

-あ、そうなんですね。

3号:いや、そんなにお金かけられないから(笑)。

-3号さんはこの半年を振り返ってみていかがですか?

3号:作曲が大変ですね。普通に仕事量が多い。

1号:3号は作曲もアレンジもほぼ全部ひとりでやっているようなものなので。

3号:あと、友達のバンドも手伝っているんですよ。友達がアメリカでツアーをすることになったからついて行ったんですけど、その間は作業ができなくなるから行く前に詰めたし、戻ってきてからまた一気にやっていたので、去年の秋ぐらいからの記憶が一切ないです(笑)。自分がやることをやってきたっていう感じでした。

-7号さんはどうでしょうか。前回の取材では、ベース未経験ゆえに、あまりにも未知数すぎて、もしかしたら次の取材のときはいないかも、というお話もありましたけど。

3号:とりあえずベースを買わされたんですよ、俺から(笑)。しかも結構いいやつを。

7号:最初のベースを買ってから、2~3ヶ月後ぐらいに(笑)。でもまぁ、地底に出たのも初めてだし......。

1号:地底に出たんじゃなくて地底から来たの! 違うから!

7号:(笑)ようやく表舞台に出れたので、そこに慣れるのにあっという間でしたね。人気(ひとけ)に晒されるのも......。

1号:人目ね? 人気(ひとけ)には晒されないから。

7号:人目に晒されたときに(笑)、自分をどう見せていくのかを試行錯誤していて。そんななかで、バンドとしてはどんどん重たい音にしていこうということになって、他があまりやっていないぐらいチューニングを下げたいっていうところから、新しいベースを買ったんですよ。

3号:マルチスケールのやつを。

7号:ギターでも弾いたことないようなフレットの形だし、そもそも全然触ったことのないベースを4弦から5弦に変えるっていう。でも、イジったことのないものに慣れていくっていうのは、それはそれで楽しかったですね。それもワンマンで使ったので、いろいろ挑戦できて楽しかったです。

-お話にもありましたけども、12月4日にShibuya Milkywayで2部制ワンマン・ライヴ"ずっとWATCHMEN"を開催されました。地上で初めてワンマンをやってみていかがでした?

7号:めちゃくちゃ緊張するかなと思ったんですけど、ライヴ中はもうとにかく楽しかったですね。MC含めて、1号が話題をうまく広げてくれたのもあって。

1号:緊張感足りないんじゃない?

7号:いや、前日はめちゃくちゃ緊張してたんですよ。でもステージに立ったら、緊張はしていたけど、楽しいほうが上回っていたので。

1号:俺のおかげですよ。俺がすごい!

7号:それですかね。でも、初ワンマンでいろいろ課題が見つかったので、次のライヴで調整していきたいと思っています。