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INTERVIEW

Rorschach.inc

2022.02.14UPDATE

2022年02月号掲載

Rorschach.inc

Member:ロールシャッハ1号(Vo/Scream) ロールシャッハ3号(Gt) ロールシャッハ7号(Ba) ロールシャッハ2号(Dr)

Interviewer:山口 哲生

狂っていくからこそ楽しい


-1号さんとしては、地上人モードでMVを撮ることは、だいぶ前から決めていたんですか?

1号:そうですね。地底人モードのときって、歌っているのに口が動かないんですよ。

3号:いつもテレパシーで会話してるから。

1号:そうそう。それで口の機能が退化して、あんまり動かないんです。ずっと開いたままになっているので。だけど、今回は3号が歌っているのに、口が動いていないと地上人にはわかんなくね? って。

-曲の特徴と見せどころをよりわかりやすくするために、地上人モードで撮ったと。

1号:そうです。

-曲によって切り替える感じなんですね。「Rorschach」のMVは被って......地底人モードでしたし。

1号:はい。今の使っていただいて大丈夫です。

-わかりました(笑)。歌詞もイメージしていたものが最初からあったんですか?

1号:"煙に巻く"という言葉があるじゃないですか。あれって、悪い意味でもいい意味でも使われると思っていて。めんどくさいことをうやむやにしてしまう意味にも取れるし、いい意味で前に進むっていうふうにも取れるし。で、この曲は3号が歌うことが決まっているなかで制作したので、3号が歌って似合う歌詞を書こうと思ったんですよ。そうなったときに、3号はいい意味でも悪い意味でも煙に巻ける男なので(笑)。

-なるほど。

1号:僕は英詞を歌っているんですけど、そこに関しては、僕のメンヘラ感が出ていて。日常にあまり出てこない言葉の羅列になっているんですけど、感覚で捉えないと、僕が書いた正しい意味がわからないというか。僕の中では意味があるんですけど、読み手によっては違う意味に取られちゃう書き方をしているんですよ。ハッピーにも捉えられるし、アンラッキーにも捉えられるっていう。そのへんは、時間がある暇な人は翻訳して解釈してほしいなって。

3号:おすすめの(翻訳)サイトは言っとかなくていいですか?

1号:DeepLです。

3号:ネイティヴのアメリカ英語ならDeepLが一番いいみたいですよ。

1号:でも、DeepLだと、ちょっと微妙に僕が書いたものとずれると思います。そのままには翻訳されないと思う。頭の歌詞なんかは特にそうですね。"am I smiling am I crying"とか、そんな言葉を英語圏に行って日常で使ったら、"コイツ中2病だ! 寒っ!"ってなるけど、意味としては伝わるかなっていう感じです。"I may be happy if I let my spirit rise high"とかも、人によっては解釈がちょっと変わってくると思う。そんな歌詞にしたいっていうのを、英語が話せる海外の友達と話しながら決めました。人によって捉え方が違うのも面白いんじゃない? って。

-それこそバンド名のもとになっているロールシャッハ・テスト的というか。

1号:そうですね。そういう部分でもあるし、僕が歌詞を書くときは常にそうしてます。日本語のときでもそこは同じです。

-そういう部分もありながら、終盤の"笑いながら迷いながら狂ってゆくのは正しい"というところに、グっときたんですけど。

1号:バンドってそういうものじゃないですか? 音楽って所詮娯楽なんですよね。でも、娯楽って熱中してしまう、邁進してしまう、ファナティックになってしまうからこそ、自分から狂っていくからこそ楽しいじゃないですか。例えば、ソシャゲに600万課金するとか。僕2年前ぐらいまでやってたんですけど。あとは、ミニ四駆に何万円も使って、賞金も貰えないのに1位、2位、3位を獲ったりとか。

3号:北海道まで遠征に行ったりとか。

7号:その遠征費用も自分たちで出したりとか。

1号:そうそう。"ポケモン GO"で、ヴィジュアル系なのに肌真っ黒に日焼けしてまでコンプしようとしたりとか。ヴィジュアル系なのにですよ?

-日焼けは大敵なのに。

1号:そうですよ。でも、狂っていくからこそ楽しいんですよ。それって"煙に巻く"という言葉とすごく繋がってくるんじゃないかなと。いいことも悪いことも煙に巻くという意味で。だからもう、楽しいんだから煙に巻いちゃえばいいじゃんっていうのが、言いたいことではあるんですけどね。それを小難しく言っているっていう。とにかく小難しく言うのが好きなので。

-いや、いいと思いますよ。

1号:やっぱり語感のかっこ良さってあるんですよね。サビの"煙に巻いて逃げ出そう"も、"嫌になった 逃げ出そう"でもいいんだけど、3号がそれを言ったらダサいし。

3号:その歌詞だったら"ダサっ!"って言う。

1号:でしょ? それを3号が"煙に巻いて逃げ出そう"って歌うからめちゃくちゃかっこいい。煙に巻いちゃうんだから。煙に巻くのは上から(目線)なんで。

-あぁ、なるほど。どうするかを自分で決めているというか。

1号:そうそう。主導権が自分にあるから、煙に巻ける。ただ嫌で逃げているわけじゃないから。日本語の面白さってそういうところにありますからね。

-そして、2月と3月に主催イベントを開催されます。どちらもツーマン・ライヴで、2月はACME、3月はGRIMOIREを招いて行なわれますが、このイベントをやろうと思った理由というと?

1号:地上で"こいつらかっこいいな、いいんじゃねぇの?"っていう2バンドですね。

-前回のインタビューで、3号さんはACMEが好きって言ってましたよね。

3号:そうなんですよ! やから、ツーマンやりたいよねっていう話をしてて。楽しみですね。(舞台)袖で観てみたい。

-2号さんは、GRIMOIREとのツーマンに関してはどう臨みたいですか?

2号:もうバッチバチにGRIMOIRE潰してやろうかなと思ってます。

1号&3号&7号:はははははは(爆笑)!

2号:ぬるいライヴやってんじゃねぇぞ? って。めちゃくちゃかっこいいバンドだとは思うけど、もっと頑張ってほしいんで。

1号:だからこそね?

2号:そう。喝を入れようかなと思ってるんで。

7号:僕は、ACMEもGRIMOIREもメンバーと顔見知りだったり、仲がいい人も多かったりするので、ライヴも楽しそうですけど、楽屋も楽しそうだなって。

1号:緊張感持てよ! 2号は"潰す"って言ってんだぞ(笑)!

7号:ははははは(笑)。僕、ACMEの音楽がすごく好きなので、それを近くで観られるのは楽しみですけど、お客さんから比較される形にはなるので、自分たちのライヴをしっかり見せたいなと思います。

3号:ACMEはうまいからなぁ......。

1号:演奏に関してはACMEに絶対勝てないから。だから荒さですね。僕らにはいい荒さがあるんで。

-地上に出てきたばかりの勢いを持って。

3号:魂系で。

1号:ソウルで勝負します。

7号:あとはステージングとかでも自分の何かを出せればいいなと思ってます。GRIMOIREは、みんなのほほんとしているというか、癒し系の人たちが多いんで。

1号:ライヴはそんなことないよ。てかさっきから楽屋のことしか想像してないだろ(笑)? 遊びじゃねぇんだぞ!

7号:ははははは(笑)。ACMEとRorschach.incは、どちらかというと重低音で重たい音楽をやっているけど、GRIMOIREはオシャレな楽曲が多いっていうか。

3号:(GRIMOIREは)どっちかっていうとヨーロッパっぽいね。

7号:そうそう。だから曲調的には相反するバンドが一緒にやるっていうのも面白いなって。だから全体的にどういうツーマン・ライヴになるのか楽しみですね。

-そのイベントも踏まえて、2022年はこういう活動をしていこうと考えていることは、1号さんとしてはあるんですか?

1号:もっとライヴをやりたいですね。

3号:(小声で)すみません。

1号:なんで謝った(笑)?

3号:俺、あんまりライヴやりたがらないから。

1号:まぁ、やりたがらないというか、やれないというか(笑)。1号としては、ライヴをやらないと1号の良さは伝わらないと思うので、ライヴをやりたいなっていうのと、楽曲に関しては、ウチのバンドは絶対にハズレがないので。それをどんどん出していければいいなと思います。常にないものを探してやっていくし、聴いていて飽きないバンドにこれからもなっていきたいですね。まだスタートにも立っていないぐらいの時間しか経っていないんですけど。

-でも、"ないもの探し"って、難しいことではありますよね。

1号:難しいですね。けど、作曲している3号が僕にないものをたくさん持っているし、2号も7号も、僕とは違う感覚を持っているので。だから、ないもの探しっていうのも主観的ではあるんですけど(笑)。僕がないものだと思ったら、それはないものなので。それを出していけたらいいのかなっていう感じです。

Rorschach.inc
RELEASE INFORMATION

ニュー・シングル
「KEMURI」
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※デジタル・リリース

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