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INTERVIEW

Rorschach.inc

2021.07.12UPDATE

2021年07月号掲載

Rorschach.inc

Member:ロールシャッハ1号(Vo/Scream) ロールシャッハ3号(Gt) ロールシャッハ7号(Ba) ロールシャッハ2号(Dr)

Interviewer:山口 哲生

突如地上に現れた謎のウサギ型地底人集団、Rorschach.inc(ロールシャッハドットインク)。4体のウサギたちの目的は、ずばり地底の音楽を地上に広めること。その第一声として先日発表された「WATCH MEN」は、重低音を轟かせる強烈なポスト・ハードコア・サウンドだ。歌詞としては、SNSの発達によって生み出された相互監視社会へ警鐘を鳴らしつつ、様々な示唆を与えるものになっている。そんな彼らに初インタビューを敢行した。地底人というところからしていったいどうなることやらと思っていたものの、話してみると非常にポップなお人柄ならぬ"おウサギ柄"。笑顔の絶えない賑やかな現場になったのだが、それでいて、自分たちの存在を知らしめんとする強い野心が垣間見える時間になった。


僕らは地底ではもうヤバいんですよ。ライヴの動員、10億人なんで


-みなさんは地底人とのことですけど、なんていうか、ウサギみたいな見た目ですね。

1号:地底人はみんなこういう顔なんですよ。地上に出ると"ウサギ頭"とか、"被り物"とか言われるけど、僕らからすると不思議でしょうがなくて。そもそも"ウサギ"って言われてなんのことかわからなかったので、調べてみたんです。で、どうやら僕らみたいな顔を地上だとウサギって呼ぶらしいって。

-あぁ、なるほど。地底にウサギはいないというとなんかややこしいけど、とにかくウサギを知らなかったと。

1号:そうです。ただ、地上にこの顔で出てくるとみなさんが怖がってしまうので、そういうときは人間の姿になるんですよ。

3号:地上人モード。

1号:そう。地上人に擬態することが可能なので。やっぱり僕らが素顔でいると、みなさん異様な目で見てきますから。この前も渋谷で撮影してたんですけど、"かわいいー!"とか、"こわーい!"って言われて。こっちは素顔でいるだけなのに、失礼な話ですよ。

-それは失礼いたしました。今回は初登場になるので、みなさんがバンドをやってみようと思った経緯からお聞きできればと思うんですが。

1号:今、地底で3号が作る音楽が流行ってるんですよ。それを地上のみなさんにもお届けしたいなということで、地上に出てきました。

-地底では、地上でいうところのポスト・ハードコアや、エレクトロニコア的なものが流行っていると。

3号:地底ではもうそのへんは5、6周してるんですけどね。で、7周目が最近来てるぐらいの感じです。結構歴史が長いので。

1号:僕と3号がもともと仲いいんですけど、僕的には3号の作る楽曲が好きで。それを自分で歌うためにはバンドをしなきゃいけないじゃないですか。だから、3号の曲をやりたいがためにRorschach.incを結成した感じですね。

-じゃあ3号さんの音楽性ありきで始まったバンドであると。

3号:ばりプレッシャーや......。

一同:(笑)

-且つ、地底ではヒットメイカーでもある。

1号:3号を地上のアーティストに例えると誰なんだろうね。最近流行ってる人というと。

2号:......Billie Eilish?

3号:Billie Eilishって曲作ってるん?

-お兄さんと一緒にやってたりしますよね。

1号:じゃあ、地底のBillie Eilishの兄ですね。

一同:(笑)

-2号さんと7号さんはどういうところから加入されたんですか?

1号:7号に関しては、"俺やりたい!"って無理やりついてきました。そこはロールシャッハ4、5、6号がいないところに関わってくるんですけど、この人(7号)が殺害しちゃったんですよ。で、2号は無理矢理入れました。

2号:いきなり電話がかかってきて、"バンドやろう!"って言われたんで、"やります!"って。内容は特に聞かされずに。

-プロフィールによると、メンバーの中で2号さんが一番後輩とのことですね。

1号:本当は2号が入る前に違う地底人がいたんですけどね。でも、彼もいなくなってしまったので。

2号:いなくなっちゃった地底人は、やっぱり7号が......。

1号:殺害した。7号は基本真面目ですけど、怒らせたら怖いタイプです。

-なかなかおっかないですね......。Rorschach.incというバンド名はどういうところから付けられたんですか?

1号:ロールシャッハ・テストってご存知ですか?

-はい。インクの染みを見せて、それからどんなものを想像するか答えてもらうという。

1号:そうです。それで精神分析をするっていう。僕らって地上では異様に映ると思うんですよね。でも、音楽を通すことで、僕らがどう見えるのかなっていうところからきてます。

-この音楽を通して、あなたたちは私たちがどう見えますか? と。

1号:そうです。それを歌詞や、サウンドで表現している感じ。で、".inc"というのは集団だからってところですね。

-でも、地上に出てくるのではなく、地底でバンドをやっていこうとは思わなかったんですか?

1号:いや、僕らは地底ではもうヤバいんですよ。ライヴの動員、10億人なんで。

2号:あとは7号がちょっと殺害しすぎちゃったっていうのもありますね。

7号:うん。地底にいづらくなっちゃったんで。

-指名手配されてるんですね......。じゃあ、地底では人気があるけど、地上ではまだ知られていないから、進出してみようと。

1号:そうです。地上の人たちは僕らのことをまだ知らないので。

3号:地上は歌モノの女性ヴォーカリストとかが流行っているらしいじゃないですか。

1号:そうだね。「うっせぇわ」(Ado)っていうね。

3号:僕らからしたら、うっせぇなって思えるような音楽を広めようと思って地底からやってきたらしいですよ。

-"らしいですよ"......。

2号:逃げた!

3号:これは3号の意見ではありません。1号の意見なので。

1号:なので、Rorschach.incは、うっせぇのかっけぇわっていうのを広めたくて地上にやってきました。

-地底ではラウドな音楽が流行っているとのことでしたけど、みなさんはどんな音楽が好きなんですか?

1号:メタルコアとかそういう系は、地上の音楽ではいいんじゃない? って思いますね。

-基本的にはそれこそラウドなものが好きなんですね。

1号:そうですね。LINKIN PARKとか、LIMP BIZKITとか、ISSUESとか......いくらでも出てきますけど。あと、ピコピコした感じのバンドも好きですね。

7号:僕もパンクや、ラウドが好きですね。今ちょうど目の前にポスターが貼ってありますけど、SLIPKNOTとか大好きですし。パンクだと......あぁ、でもちょっとマニアックすぎるかも。

1号:いやいやいや、インタビューなんだから。何を遠慮してるの。

7号:あ、でも、一番好きなのはGLAYです。

一同:(笑)

-あの、パンクの話は......?

1号:ヤバっ(笑)!

3号:7号は天然なんですよ。これがいつも通りなんで。

2号:だんだん怖くなってきたんだけど(笑)。

7号:でも、GLAYが大好きですね。

3号:たしかにいいよね。白にも黒にも染まらないところとか。

7号:そうそう、考え方がパンク。精神的な部分。

1号:なるほど(笑)。

2号:僕も地上でいうラウド系が好きですね。僕もSLIPKNOTとかは聴いてましたけど、入りはメロデスや、デスコアです。ALL THAT REMAINSとかも好きですし、ツーバス16分(音符)系の音楽が好きです。あと、地上のちょっとおしゃれな音楽も好きですね。東京事変とか。

-3号さんは?

3号:3号はACMEっていうバンドが好きですね!

1号:それずっと言ってるね。

3号:ああいう音楽をやろうかなと思って、ギターの音そっくりにしたりとか。

2号:一緒に観に行きません?

3号:おぉ、行こう行こう。

-先日デビュー・シングル「WATCH MEN」を配信リリースされましたが、いつも曲作りはどういう流れで進めていくんですか?

3号:1号に"だいたいこういう感じの曲を~"みたいなことを言われるんですよ。で、じゃあ作ってみるねって作って、そこに1号が歌詞をつけて形にするという感じですね。

1号:"こういう感じの曲を"って言ってる時点で、ある程度のテーマ性がもうすでにあって。それにあった曲をちゃんと持ってきてくれるので、すっと進んでいく感じですね。

-「WATCH MEN」に関してはどんなテーマがあったんですか? ロールシャッハでウォッチメンとなると、某アメコミを彷彿とさせるところもありますけど。

1号:お、知ってます? サウンドに関してはさっき話していたようなラウドな感じなんですけど、ただそれだけじゃなくて。この曲で僕が伝えたかったことは、今ってSNSが主流になっていて、みんなそこに嘘でも本当でもなんでも書いてしまうじゃないですか。でも、本当に大切なものは画面の外にあるっていうのを伝えたくて。タイトルにもいろんな意味があるんですよ。僕らもWATCH MENだし、聴いている人もWATCH MENだし。

-様々な比喩を盛り込んだ風刺的な歌詞ですけども、そういったメッセージ性が強いものではありたいと。

1号:そうですね。1号としては、地上が好きなんですけど、この曲は地上の好きなところと嫌いなところを書いた感じです。

-地上に対して憧れがあるというよりは、愛憎入り混じっているというか。

1号:はい。でも、1号は基本的に世界を見下して生きているので、そういうところは好きだよ、こういうところは嫌いって感じです。