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INTERVIEW

秘密結社ニルヴァージュ∀

2020.11.26UPDATE

秘密結社ニルヴァージュ∀

Member:アヤァ=オブ=ザワールド セイゴ=マーベラス=カネキ ハル=T=ブラゴ ミカヅキ=ツキノ 三代目暴走地獄龍轟 マーク=ノースヴィレッジ ルイ=マリア=ローゼス

Interviewer:山口 哲生


文化がないなら作ればいいじゃないと思ってる


-セイゴさんとしては、「ダ・ダ・ダメ・絶対出禁」や「ムカつくオタク7つの掟」のような、普通のメンズ・アイドルであれば歌わないことを歌ってみていかがです?

セイゴ:「ムカつくオタク7つの掟」はまだライヴでやってないんですけど、「ダ・ダ・ダメ・絶対出禁」は、アヤァさんも話してたけど、歌詞を出したときに、引用RTとかで"おいおいおい......"っていう反応があって。いざライヴでやったときに、普段は自分を推してくれている人たちは自分のことを見てくれているんですけど、「ダ・ダ・ダメ・絶対出禁」をやっているときは、みんなと全然目が合わないんですよ(笑)。

一同:わかる(笑)!

セイゴ:オタクからすると何か心当たりがあって、もうどういう感情で聴いたらいいのかわからんっていう(笑)。

アヤァ:これをみんなが楽しめるようになるまでは、まだちょっと時間がかかるかもしれないですね(笑)。ただ、曲を聴いて、思い当たるところがあって、"あぁ、心が痛い......"ってなったときに、痛いから嫌だと思う人は、変わらない人間。痛いと思ってちょっと直そうと頑張るのが、変われる人間。そうやってみんなが変わっていってくれたら「ダ・ダ・ダメ・絶対出禁」を、みんなで楽しくやれる日が来る気がする。今は無理だけどね。

セイゴ:うん。もうそういう文化が根づいていて、その文化自体を攻撃してるから、だいたいの人はチクチクくると思うけど。

アヤァ:そうそう。だから、僕は今のメンズ・アイドル・シーンではなく、新しいシーンを作りたいんですよ。文化がないなら作ればいいじゃないと思ってるんで。

セイゴ:でも、たまにいるんですよ。1割に満たないぐらいやけど、ニッコニコしてる人が。ライヴのときにそこをダイレクトに感じとれて面白いなと思いますけどね。

アヤァ:あと、僕はこの曲を聴いて"心が痛い"と思っている人を切り捨てたいわけじゃないんですよ。みんなに変わってほしいから言っているわけであって。"変わろうよ! ついてこいよ! 頼むぞ!"っていう。そういう理由でこの曲を歌ってます。

-あと、先ほどセイゴさんが"ヤバかった"とコメントされていた「フェス絶対盛り上げるマン」は、かなりのカオスっぷりで。それこそフェスを盛り上げられる曲を作ろうと。

アヤァ:そうです。最初はそういう曲を書く予定だったんですけど、一緒にトラックを作ったケンカイヨシさんとディスカッションしているうちに、悪ノリしていったというか(笑)。

-だいぶ悪ノリしてますよね(笑)。

アヤァ:ケンカイさんが"やるならやっちゃおうよ!"みたいな感じで、珍しく僕がちょっと日和ってたんですよ。やりすぎじゃないかなって。でも、"怒られたら俺が怒られるから"ってケンカイさんが言ったから、じゃあケンカイさんのせいにしようって(笑)。

-(笑)。それで、とにかく大量の曲をオマージュして、延々と曲展開し続けていくものになったと。

アヤァ:平成に流行った曲を全部詰め込んだような感じですね。なんか、僕らはいろんなフェスに出たいけど、フェスと言ってもいろいろあるよね? っていう話になったんですよ。ロック・フェスもあるし、アニメ・フェスも、アイドル・フェスもあって、その全部を盛り上げられるようなものにしたいって。でも、そこにはやっぱり愛がないといけないから、自分たちの好きなバンドとかアイドルの曲を参考にしつつ、僕とかケンカイさんが好きなものを詰め込んだら、あの感じになりました。

-もはやちょっとしたクイズですよね。"元ネタどれだけ入ってるでしょう?"的な。

アヤァ:どこからのオマージュなのか全部わかったらすごいですよ。

-何曲入れたか把握してます?

アヤァ:してないです(笑)。バンドとかだけじゃなくて、映画のBGMとかも入れたりしてるんですよ。

-入ってますね、ギターのフレーズとかで。

アヤァ:そうです。1個だけ言っちゃうと、Perfumeのオマージュしてるところあるじゃないですか。歌詞に"トルネードディスコ"って書いてるのに、つきじろう(ツキノ)がレコーディングで"チョコレイト・ディスコ"って普通に歌ってて。すぐに"いや、やめて?"って(笑)。

ツキノ:ノリノリで歌ってたら本家が出てきちゃって(笑)。なんか、この曲は"全部乗せ"みたいな感じですね。僕、パロディとかネタ系ってめちゃめちゃ好きなので、歌っていて面白かったし、誰でも楽しめるんじゃないかなって。オタク界隈じゃない人たちにも刺さると思うから、いろんなところでやっていきたいです。

-ただ、実際にライヴでやるとなると、相当スタミナ削られそうですね。

ツキノ:そうなんですよ! めちゃめちゃ長いんで。

マーク:最初に聴いたときは、"これが1曲なん?"みたいな感じでしたね。Aメロ、Bメロ、サビじゃなくて、ずっと曲が変わっていくし、これどこにいくの? って。

セイゴ:たぶんKメロぐらいまであるよな?

一同:(笑)

アヤァ:ケンカイさんも僕も、ドンピシャでニコニコ世代なんですよ。だから、昔ニコニコで流行っていた"組曲"みたいな感じですね。そういうものにしようっていう話もしてたんで。そしたらこういうはちゃめちゃな感じになりました。

ルイ:僕はパロディがどうとかの前に、めちゃくちゃ展開していくのに曲として成立していることが衝撃でした。16小節ごとに切り変わっていくんだけど、キーも変わるし、テンポも変わるし。変調しても全部繋がってるし、これはなかなかできないぞっていう。このトラック作ってる人、マジで変態だなって(笑)。

アヤァ:ただ、これだけはしっかり言っておきたいけど、愛がありますから。バカにしているわけじゃないので、怒らないでほしいです。好きだし、みんなと一緒に盛り上がりたいからやっているので。バカにしている要素はマジでひとつもないので。

-そういったカオスな曲もあれば、「grow up dance」のようなオシャレな曲もあって。

アヤァ:シティ・ポップみたいな曲もいいなと思って。ドライブしながら聴きたくなるような感じですね。

セイゴ:夏の海際を走ってる感じあるよな?

ハル:ずっと言ってましたね、それ。

アヤァ:この曲を聴きながら夜のレインボーブリッジとか走りたいですもん。免許持ってないですけど。

ハル:ないんかい(笑)。

アヤァ:この曲はヤマモトショウさんが作曲してくれていて。ふぇのたすの曲がめっちゃ好きなんで、作ってほしいなと思ってお願いしたら、"ぜひ"ということで。

-あと、本作は少し変わった造りになっていて。ニルヴァージュは『超ウイルスバスターズ ヴィラン盤』としてリリースしつつ、新世紀えぴっくすたぁネ申のほうが『超ウイルスバスターズ ヒーロー盤』という形で発売されることになっていますね。

アヤァ:もともと一緒にやるつもりはなかったんですけど、HIЯO(HIЯO・チッチャ・エンペラー/新世紀えぴっくすたぁネ申)と話しているうちにやることが決まって。じゃあ、それぞれ自分たちの曲を入れて、新曲は同じ曲なんだけど、アレンジを変えようと。ニルヴァージュはバンド寄りの音で、ちょっとおもろくなっていたりして、えぴっくすたぁ(新世紀えぴっくすたぁネ申)のほうは王道っていう感じですね。

-それでヒーロー盤とヴィラン盤という名前にしていると。

アヤァ:僕、ポケモンが好きなので、最初は"赤"、"緑"みたいな感じにしたかったんですよ。あと、昔ポルノグラフィティさんが『PORNO GRAFFITTI BEST RED'S』、『PORNO GRAFFITTI BEST BLUE'S』みたいな感じで出していて、そういうのもありだなと思って。ただ、それでそのまま出すのもちょっと凡すぎるなと思って、辿り着いたのがヒーローとヴィランだった感じですね。王道と言うとヒーローじゃないですか。あと、あっちにはHIЯOがいるからヒーロー。で、僕はニルヴァージュを作るときに、ダーク・ヒーローっぽいグループにしたいと思っていて。みんなに好かれる存在というよりは、好きでいる人たちと一緒に強くなりたいというか、僕らを好きでいてくれる人たちのヒーローでありたいっていうのが信念にあるんですよね。だから、ヴィラン盤とは書いているけど、僕からしたら"ヒーロー盤"と"ダーク・ヒーロー盤"で、ダーク・ヒーローだと語呂が悪いからヴィラン盤にしました。

-なるほど。

アヤァ:あと、ジャケットにも結構力を入れていて。モデルさんにお願いして撮ったんですけど、ヒーロー盤の表4がヴィラン盤の表1になっていて、ヴィラン盤の表4がヒーロー盤の表1になってるんですよ。ヴィラン盤の表1で赤ちゃんがバットを持っているのは、NIRVANAの『Nevermind』のオマージュで、後ろにあるパソコンの画面をプールにしてます。

-そちらも注目ということで。楽曲に話を戻すと、カオスなものやポップなものもありつつ、やはり一番印象に残るのはロック・サウンドになっていて。「MOTHER」の間奏なんかはかなりラウドですね。

アヤァ:この曲はSxun君が書いてくれたんですけど、いつも"アイドルじゃなくてバンドの曲を書いてください"って頼んでるんですよ。だからSxun君っぽさというか、ラウドな部分はすごく出してくれたなって。そういうほうが聴きやすいじゃないですか、ロック・シーンの人たちって。

-ひとつのフックになりますからね。あとは「少年の唄」のような、言ってみたらストレートというか、過度な装飾のないシンプルな曲も入っていて。

アヤァ:題名はTHE BLUE HEARTSのオマージュなんですけど、この歌は自分的に存在がデカくて。僕、どちらかと言うとこういう曲が好きなんですよ、ほんとは(笑)。今ってシンセが入っているとか、ハイトーン・ヴォイスのオシャレロックが多いけど、本当はこういう曲もちょこちょこやっていきたいんですよね。

-歌詞もいいなと思いました。かなりまっすぐで。

アヤァ:まぁ、自分が思っていることを書いただけではあるんですけどね。自分自身のこととか、ニルヴァージュのこととか。「少年の唄」は、ファンも"いい曲だよね"って言ってくれているので、そこはちゃんと伝わってるみたいです。