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INTERVIEW

REVIVAL OF THE ERA

2020.11.02UPDATE

2020年10月号掲載

REVIVAL OF THE ERA

Member:Noname(Vo) Kazumi(Gt/Vo)

Interviewer:荒金 良介

何かを終わらせる死ではなく、何かに進化するための死をイメージした


-今作は過去と現在を1枚にパッケージしたような感覚ですか?

Noname:僕の中ではメタルコアとヴィジュアル系を意識した曲で作詞は特段変わらないです。曲だけを聴くと、ヴィジュアルっぽいなと思う要素はあるけど、この人(Kazumi)の軸にあるものは変わらないから。僕はヴィジュアル系の日本語の使い方も好きですね。作曲に関しては作り込んだ曲のほうがやりやすいんですよ。

Kazumi:シーンを移行して、そこにいるリスナーに向けた音楽性を取り入れることは悪いことだと思わないから。より刺さりやすい曲は考えました。

-今作を通して聴いてもまったく違和感はありませんでした。特に新しいトライを試みた曲を挙げると?

Kazumi:随所に入れているし、一曲一曲コンセプトは違うので、7曲、7色ある作品だと思っているんですよ。表題曲はデスコアっぽいヘヴィさがあるけど、サビは哀愁があるメロディですからね。かと言えば、「Outbloom」はタテノリな曲だし......。

-ライヴで映えそうなストレートな曲調ですね。

Kazumi:あぁ、まさにライヴを意識した曲ですね。「Prada」は昔からやっている曲だし、「Desert」は世界観が一番強く出ているかなと。この曲だけもうひとりのギタリストであるRyuが作って、僕が編曲しました。3拍子の曲を作ってきて、そもそもそれが新しかったんですよ。アラビアっぽい民族的なアプローチをしたら、3拍子が映えるかなと思って。ちょうど"アラジン"の映画も去年やっていたし、以前に出した「Jason」(2019年リリースの2ndシングル『ATOM』収録)という曲も映画"13日の金曜日"からですね(笑)。

-そのまんまじゃないですか。

Kazumi:はははは(笑)。映画をそのまま昇華したものは作品に1曲は入れたいし、それは今後も続けたいですね。俺だったら、この映画をこんなふうに表現するぜって。で、「Division point」は最後にできた曲で今作は分岐点(=Division point)になるから、どっちの要素も取り入れたかったんです。前半はメタルコア、後半はヴィジュアル系でよくあるノリですからね。自分的にはヴィジュアル系を意識したほうが曲は作りやすくて。なんでもありだなってひとつ壁がなくなりました。

-メタルコアだと、どうしてもライヴハウスの盛り上がりにイメージが固まりがちですよね。

Kazumi:自分もメタルコアを聴いていたときに、ブレイクダウンが一番盛り上がりましたからね。でも、俺らが聴かせたいのはブレイクダウンだけじゃないし。

Noname:ライヴを通して、すべてなんですよね。

-「Nephthys feat.Cazqui」では、元NOCTURNAL BLOODLUST(Cazqui's Brutal Orchestra/猫曼珠)のCazquiさんを迎えてますよね?

Kazumi:高校2年生ぐらいのときにノクブラ(NOCTURNAL BLOODLUST)を知って、衝撃を受けたんですよ。MVを観て、その足でCDを買いに行きました。見た目は華やかだけど、曲はめちゃくちゃ激しくて、ずっと好きだったんです。で、猫曼珠と対バンする機会があり、打ち上げでCazquiさんと話して、Cazqui's Brutal Orchestraもシンフォニック要素があり、自分たちの音楽と通じるところもあるから、何か一緒にムーヴメントを起こせたらいいと思い、参加してもらおうと。

Noname:歌詞を通して全体で表現したかったのは、何かについての死なんですよ。今作でメタルコアから少し距離を置くから......「Nephthys feat.Cazqui」をリードにすると言われたときに、何かを終わらせる死ではなく、何かに進化するための死をイメージしようと思ったんです。ネフティスは死を司る女神で、死の側にいる優しい神なんですよ。僕らが進化することで離れた人に、手向けの花みたいな形で作りました。

Kazumi:深っ(笑)!

Noname:きっとお前が思っているより、一曲一曲深く考えて作っているから。

-今、初めて知ったんですか?

Kazumi:語りたがらないから、あまり聞かないんですよ。聞いても、自分で感じてと言われるんで。

-あと、「Desert」は音色や展開を含めてユニークな曲調ですよね。

Kazumi:アラビアとか、あっち系の楽器を使っているんですよ。コンセプトはインドやエジプトをイメージしました。王宮に王様と姫がいて、何か催し物をしているみたいな。Michael JacksonのMV「Remember The Time」の映像が一番伝わりやすいと思います。

-「ayame」はほぼ日本語で歌った楽曲です。語りパートもあり、後半に激情エモ要素も入っていて、個性的なナンバーだなと。

Noname:バンドをやっている動機にも繋がるけど、誰かを救いたいと考えてて。英語だけだと伝わりにくい部分もあるから、この曲は日本語でやらなきゃと思ったんです。後半の激情エモのパートはありのままの言葉で表現して、ストレートに投げてみようという。

-"その明日こそ意味があると/誰かに叫んで欲しかった"の歌詞は、他者に救いを求めた内容になってます。

Noname:基本的に僕は暗いので、明るい歌詞を書けないんですよ。自分でいくら叫んでも、周りに感じ取ってくれる人がいなければ返事はないわけで。誰もいないなら、お前の代わりに叫んでやるよっていう。""ただ一つだけ"/と願っている。"と繰り返して歌っている歌詞があるんですけど、その誰かに巡り会えるようにという気持ちを込めてます。

Kazumi:この曲を作ったときが一番迷っていたんですよ。ラウド、エモ、ヴィジュアル、J-POP好き、どこかにリスナーが引っ掛かってくれたらいいなと思ったから、ストレートに勝負しました。

-わかりました。11、12月には今作のリリース・ツアーを控えてますよね?

Kazumi:はい。僕らはライヴ・バンドなので、ライヴで作り込んだ世界を観てもらわないと話にならないというか。音源だけで理解してほしくないし、全部を観て、好きか嫌いを決めてほしいなと。初めて僕らを観る人にはちゃんと伝わればいいし、前から好きな人は"変わったけど、ここは変わってないね"とか......感じてほしくて。結成したときに4年目の冬にワンマンをやることを決めていたんですよ。ファイナルは初のワンマンなので、4年間の集大成を見せられたらなと思っています。