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INTERVIEW

SLOTHREAT

2020.09.11UPDATE

2020年09月号掲載

SLOTHREAT

メンバー:KAZ(Vo) 克哉(Gt) 孝哉(Gt) 瀬希(Ba) SHINYA(Dr)

インタビュアー:山口 哲生

国内のヘヴィ・ミュージック・シーンで活躍するバンドの作品のエンジニアリングを数多く手掛けている、克哉を中心に結成されたSLOTHREAT。彼らの音楽性をひと言で表すのはかなり難しい。それは、今回リリースされる1stフル・アルバム『THEMIS』を聴いてもらえば、すぐにわかるはずだ(なお、『THEMIS』は、克哉とは師弟関係でもあるex-ギルガメッシュのЯyoがレーベル・ヘッドを務める"Wolves anchor DC"からリリースされ、SLOTHREATはレーベル所属第1弾アーティストになる)。基盤にあるのはメタルコアやポスト・ハードコアといったものにはなるのだが、それだけにはとどまらない様々なジャンルのエッセンスを感じさせる、ディープなサウンドをプログレッシヴに展開させていく。且つ、ヴォーカリスト KAZのハイトーンを生かした美旋律など、多くの人の心をかっさらっていくキャッチーさもあり、1stにしてかなりハイクオリティな仕上がりになっている。初登場となる今回は、5年という歳月の中をかけて結成に至った経緯や一筋縄ではいかない音楽性について、そして、彼らが見据えているこの先のヴィジョンまでじっくりと話を訊いた。

-以前、克哉さんに、ソロ・プロジェクトのMisanthropistとして激ロックにご登場いただいたとき(※2017年5月掲載)に、前バンドの解散以降、本当はバンドをやりたかったけど、なかなかメンバーが見つからなくて、思うようにいかなかったというお話をされていましたよね。それはご自身の中でハッキリとしたヴィジョンがあったからなのかなと思うのですが、SLOTHREATを結成するにあたって、どんなバンドにしたいと思っていましたか?

克哉:Misanthropistのときは、陰鬱さもテーマに有ったので、ごく簡単に言うとダークさが強いエグいものをかなりやっていたんですけど、バンドを結成する際に自分がざっくりと念頭に置いていたものは、これまでの自分の根幹もありつつさらに歌が立っていてキャッチーであることを大事にしたいというものでした。メンバーに関しても、結構明確な指標を持って探していったところはありましたね。信頼関係が築けるのかどうかを大切にしていたので、僕の作る音楽を好きになってくれそうな人、すでに信頼関係を築いている人に声を掛けていきました。人間的なところもすごく見ていたので、時間はかかりましたけど、今はすごくいい布陣でできている実感があります。

-信頼関係を築けないとバンドにはなれないという気持ちが、やはり大きくあったと。

克哉:ものすごくありましたね。やっぱりバンドは人対人で行うものなので、そこはものすごく尊重していましたし、人間性って直そうと思ってもなかなか直せない部分であって、技術的なところにも関与してくると思うんです。そもそも自分の作っている音楽がそうなんですが、その人のパーソナリティは、クリエイティヴ面にものすごく反映されると思っているので。音楽に対するモチベーションの置き方もそうですし、とにかく人間としての根幹が大切だと思っていたので、そこはとても大事にしていました。

-人間性を大切にしつつ、まず声を掛けたメンバーの方というと?

克哉:僕とギターの孝哉が双子なんですけど、まず孝哉に声を掛けました。当時、孝哉は別のバンドをやっていたけど、脱退するかしないか悩んでいたぐらいの頃だったので、もしやめるのであれば一緒にやらないかと。そのあとに瀬希に声を掛けて、楽器隊がほぼ決まってから、紆余曲折あったあとにKAZが入ることになって、この間SHINYAが新加入したという流れですね。

-ご兄弟なのもあって、克哉さんと孝哉さんは昔からずっと一緒に音楽を聴いていたんですか?

克哉:そうですね。僕と孝哉が同時に音楽にハマったのが小学生の頃で、きっかけはL'Arc~en~CielとUVERworldだったんですけど、そこからも同じような音楽ばかり好きになって。お互いにディグし合って、その成果を報告し合うという生活をずっとしてましたね(笑)。傾向に多少の差はあるんですけど、基本的に好きな音楽はほぼ一緒です。

-それもあって、孝哉さんは誘われたときにすぐやろうと思いました?

孝哉:そうですね。自分が前のバンドに入ったのが高校3年生のときだったんですけど、その当時だったら、兄弟と一緒にバンドをやるのって変な話だなと思っていたと思うんです。ただ、前のバンドで活動していろいろ考えた結果、兄弟と共に音楽をやることが一番合理的だったというか。克哉とは好きな音楽も一緒ですし、自分も理想としている音楽性の大部分をすでにとてつもないレベルで実現させている。自分がプレイヤーとして、メンバーとしてやりたい音楽と、今後のことも考えてよりマッチするんじゃないかと感じて、声を掛けられたときに一緒にやろうと思いました。

-先ほど、お互いにディグし合って、その成果を報告し合うという生活をされていたというお話がありましたけど、どんな感じでよりヘヴィな音楽にハマっていったんですか?

孝哉:俺も克哉も最初はL'Arc~en~CielとUVERworldから入っていて、LUNA SEAとかを聴くようになり、そのあとDIR EN GREYにハマったんですよね。そこからSLIPKNOTとか、KORNとか、いわゆるニューメタルにハマって、そういう流れからKILLSWITCH ENGAGEとか、 AS I LAY DYINGとか、その他いろいろと聴きつつメタルコアのほうに行きました。そこは克哉もだいたい同じですね。今はサブスクのアカウントとかも共通で使ってるのでどちらかが何か音源を追加していたらもうひとりもチェックする、みたいな感じで続いています。

克哉:だいたい孝哉が言ってくれた流れではあります。自分としてはやっぱりメタルコアが一番大きいのかなと思いますね。これまでカテゴリに"メタル"だとか"コア"だったり、そういう名の付くものは本当にたくさん聴いてきたので限定して話すのが少し難しいですが、特に僕の根幹になったのはKILLSWITCH ENGAGEだと思います。Adam Dutkiewicz(Gt)のトータル・プロデュース能力や、クリエイティヴィティに惚れたところもありますし、自分がコンポーザーとして生きていく指針が固まったというか。

-あぁ、なるほど。音楽を0から100まで作るという。

克哉:そうですね。Adamもそうですし、国内だと元ギルガメッシュのЯyo(Dr)さんの存在も大きいんですが、まさにおっしゃっていただいた通り、音楽を作るときに作曲だけでなく、エンジニアリングなどすべてを含めて音楽をクリエイトする1本の軸として捉えているのは、そういうところから始まっていると思います。

-今回の音源から"Wolves anchor DC"でリリースされるわけですけども、レーベル・ヘッドがЯyoさんなんですよね。ギルガメッシュもご兄弟でバンドをやられていたから、不思議な縁だなと思いました(笑)。

克哉:そうですね(笑)。兄弟ぐるみで仲良くさせていただいているんですけど、面白い縁だなと思います。

-その次に瀬希さんに声を掛けたと。瀬希さんとしては、バンドをやるのはこれが初めてだそうですね。

瀬希:そうです。バンドはまったくやったことがなかったし、そもそも僕はギターをやっていたんですよ。で、誘われるときに"ベースでどう?"って。もちろん克哉の前のバンドのことも知っていたし、曲も好きだったので、ちょっと時間を貰って考えて一緒にやろうと思いました。

-時間を貰って考えた理由というのは、やはり"俺、ベーシストなのか......"というところですか?

瀬希:そうです。ベースなんて触ったこともなかったですからね(笑)。結構悩みました。

克哉:できればギター3人でいければ良かったんですけど、ベースがいなかったので、ダメもとでお願いしたところもあるんです。ただ、(瀬希が)ギターを弾いているところを何度も見ていて、左手がよく動く人だったので、右手のピッキングをベースの仕様に移行すれば、かなりいいベーシストになるんじゃないかなと思ったんですよ。作曲をするにしても、ギターもベースも両方弾けたほうがおいしいし、生かせるので。だから、僕の勝手な印象ではあったんですけど、ベーシストとしても輝けそうな資質を見たので、声を掛けてみました。あとは単純にめっちゃ仲良かったんで、とにかく一緒にやりたかったです。

-もともとギタリストなのもあって、瀬希さんのルーツはギター方面になりますよね。

瀬希:そうですね。憧れているベーシストとかはあまりいないかもしれないです。強いて言えばKORNが好きなので、Fieldy(Ba)のプレイはよく見ますね。音楽を始めたきっかけになったバンドはNIGHTMAREで、咲人さんを見てギターを始めました。テクニカル系の人に影響を受けてます。克哉に出会ってからはいろんな音楽を教えてもらって聴くようになりましたけど、それまでは日本のヴィジュアル系とかを結構聴いていました。

-次に声が掛かったのが、KAZさん。克哉さんのソロ・プロジェクトであるMisanthropistにも参加されていたんですよね。

KAZ:そうです。バンドのマネージャーをしてくれている竜之介(ex-CodeRebith/Dr)が高校時代の同級生なんですけど、当時同じバンドをやっていたりして。そのこともあって、克哉から竜之介づてで"ソロ・プロジェクトの曲を歌ってくれないか?"って連絡が来て、そのときから克哉の曲には本当に惹きつけられるものがあったし、この曲を歌ってみたいなと思って、そのときは参加させてもらいました。

-そのことがずっと心に残っていて、もし声が掛かったら絶対に一緒にやるのになという。

KAZ:気持ちとしては本当にそういう感じでしたね。ただ、ちょっと家庭の事情があって、誘われていたけど、一度断ってしまったんです。でも1年後に転機が訪れたというか、そういう時期が来て。"やっぱりお前とバンドやりたい"って連絡して、一緒にやることになりました。

克哉:僕はKAZと一番やりたかったんですけど、諸々の事情があって、一度声を掛けてダメだったので、メンバーを公募していたんですよ。もう藁にもすがる思いでヴォーカリストを探していたんですけど、全然見つからなかったし、やっぱりKAZとやりたいなってずっと思っていたんです。そしたら不思議なタイミングで、KAZから"そういえば募集ってどうなったの?"って連絡が来たので、全然見つかっていないことを伝えたら、"いいやつが見つかっていたら踏みとどまろうかと思ったんだけど、俺もいろいろあってバンドできるようになったからやろうよ"って。もう、すべて解き放たれた瞬間でしたね(笑)。

-めちゃめちゃテンション上がりますね、その瞬間。

克哉:光が射した感じしましたよ。

孝哉:その瞬間すごく覚えてますね。俺も瀬希も、彼がやるなら必ずいいものになるだろうと本当に心から思っていたので、やっぱりテンション上がりました。

-ちなみに、KAZさんのルーツや、好きな音楽というと?

KAZ:もともと、小学生から高校生まで聖歌隊で歌を歌っていたので、ロックとはかけ離れた音楽をやっていたんですよ。で、高校に入ってから竜之介に誘われてバンドを始めて、最初にコピーしたのがロードオブメジャーでしたね。あと、Janne Da Arcを結構コピーしてたんですけど、L'Arc~en~Cielもやってました。そのあとに洋楽を聴き始めたんですけど、やっぱり自分はもともと高い声が特徴的だったので、SLEEPING WITH SIRENSとか SAOSINとか、そこらへんのポスト・ハードコアに入っていきましたね。

-聖歌隊で歌われていたぐらいなので、昔からハイトーンだったんですね。

KAZ:変声期が来たのが高校1年生の頃でしたね。合唱は高校生までやっていたんですけど、変声期がきっかけで、ソプラノからテノールに下がってしまったんですよ。僕としては、合唱はソプラノじゃなきゃ意味がないと思ったので、そっちをやめてバンドを始めたんです。

-それもあって、ハイトーンの曲は自分の声にも合うし、そういったヴォーカリストが好きになったと。

KAZ:そうですね。それをコンプレックスとは思っていなくて、自分のアイデンティティだと思っていました。ただ、今はわりと低いんですけど、中学時代は地声も高かったからたまにバカにされたこともありましたね(笑)。

-当時バカにしていた人たちは、今、相当悔しがってるでしょうね(笑)。

KAZ:(笑)見返してやりたいですね。

-そして、かねてよりサポートをされていたSHINYAさんが、今年の5月に正式加入されたと。

SHINYA:結成して2本目のライヴからずっとサポートさせてもらってました。

克哉:SHINYAに関しては、僕からじゃなくて、本人からアプローチしてくれたんですよ。もともと僕はSHINYAの存在は知っていましたが面識はなくて、KAZが知り合いだったので。ここはSHINYAから語ってもらいましょう(笑)。

SHINYA:(笑)SLOTHREATの「蒼華」(2019年リリースの1stミニ・アルバム『Allium』収録曲)のMVがSNSのタイムラインに流れてきたんですよ。結成当時はまだSLOTHREATのことを知らなかったんですけど、フォローしている知り合いがリツイートしているのを偶然発見して、それをたまたま聴いてみたら楽曲も歌もすごく良くて、自分のドツボにハマりまして。自分としては、前のバンドが終わってから音楽をやるつもりはなかったんですけど、本当に心を動かされるぐらい感動したんですよね。で、メンバーのところに面識のあったKAZの名前があったんで、このバンドでどうしても叩きたいと思って、自分からアプローチしました。

KAZ:最初にDMが来たときは、SHINYAはデスコアとかのイメージが強かったんで、僕らの音楽のイメージとは少し違うんじゃないかと思ったりもしました。でも、克哉の楽曲はドラムもすごく難しいし、テクニカルなことをしているので、もしかしたらこの人となら理想のバンド像を作り上げられるかもしれないと思って。それですぐにメンバーに話をして、お互いの人間性やこのバンドでの感触を確かめてもらうためにいったんはサポートという形で参加してもらうことになりました。

克哉:SHINYAが入る前は、Misanthropistのライヴでサポートをお願いしていたGraupelのJulienにお願いしていたんですけど、エクストリーム系のブラストめちゃめちゃヤバいタイプのドラマーとは、不思議な縁がありますね(笑)。

-またここでも縁が(笑)。SHINYAさんのルーツやフェイヴァリットというと?

SHINYA:僕は中学生の途中までヒップホップしか聴いてなくて、ゴリゴリのB-BOYだったんですよ(笑)。今みたいな音楽を聴き出したきっかけは、JAY-ZとLINKIN PARKが一緒に出した作品(『Collision Course』)があって、それを聴いたときに、歪んだギターの音がすごく衝撃的で、かっこいいなと思って。そこからLINKIN PARKはもちろん聴いて、SLIPKNOTとか、デス・メタルのSUFFOCATIONとか、重い音楽に移行していった感じですね。

-クロス・オーバーって、やっぱりすごく意味があることなんですね。

SHINYA:いやぁ、本当におっしゃる通りですね(笑)。あれがきっかけになったんで。メタルコアに関しては、TRIVIUMとか、 ALL THAT REMAINSとか、KILLSWITCH ENGAGEあたりを最初に聴いて、今もすごく好きですね。