INTERVIEW
Free Aqua Butterfly
2020.02.10UPDATE
2020年01月号掲載
Member:あきら(Vo) 早希(Vo/Ba) sola(Gt) Kegoi(Dr)
Interviewer:山口 哲生
-バンドを始めるときに(あきらが)"自分の好きな音楽をやる"と考えていたのもあって、楽曲はあきらさんがメインで作られていますよね。
あきら:そうですね。曲作りをするときにみんなと話し合いをしたこともないです。できたものを覚えてきてくれぐらいの感じというか。
-その中で、今回のリード曲「Re:Life」は早希さんが作曲を手掛けられていて。
早希:過去に2曲だけ作ったことはあったんですけど、普段はあんまり作らないんですよ。作りたいなっていう曲があったら作ろうかなぐらいの感じなので。この曲はかっこ良くて重い感じの曲を作りたいなと思って作っていったら、この感じになりました。
-今作はハードなものにするという前提があってこういう曲を作ろうと思ったんですか?
あきら:いや、もともとあった曲の中で僕がこれをメインにしたいってお願いしたんですよ。重い曲を作るのは僕よりも早希さんのほうがうまいと思ってるんで。他にも重い曲は入ってますけど、やっぱり僕は明るい曲を作るほうが得意やから、今回はこの曲を推そうって。
Kegoi:彼女(早希)の曲はシリアスさを感じられますよね。
-たしかに。早希さんはこういったハードなもの、ヘヴィなものがもともと好きなんですか?
早希:そうですね。私は明るい系よりは、激しい感じが好きです。
-ちなみに、ルーツ・ミュージック的なものでいうと?
早希:マキシマム ザ ホルモンです。
あきら:この人が最初にやったのはマキシマム ザ ホルモンのコピー・バンドなんで。
-solaさんとKegoiさんのルーツ・ミュージックというと?
sola:僕のルーツはあまりこのバンドに反映されていないんですけど(笑)、学生時代はロキノン系と言われているものをよく聴いてました。歌モノのギター・ヴォーカルのバンドが多かったです。もしかしたら、そのへんは手癖とかで出ているかもしれないですね。
Kegoi:僕はもともとメタルでツイン・ペダルもガシガシ踏む感じだったんですが、いろいろ掘っていくなかでここ10年以上ずっと好きなのは、昔のプログレッシヴ・ロックです。
-メタルと聞いて納得するところがありました。ドラムがかなり派手で激しいと思っていたので。
Kegoi:僕らの曲は一貫してわりとポップな感じだと思うんですけど、そこにキワキワのものというか、それを壊すか壊さないかぐらいのラインまで派手に叩いてますね。そういうところは自分で考えたり、相談したりしてるんですけど、もともと一緒にやらせてもらうことになったときに、あきら君から"いっぱい叩いてね"って言われていたんですよ(笑)。だから、そういう派手な印象を任せられている感じですかね。
-あきらさんはどういう音楽がお好きなんですか?
あきら:僕はみんなと全然違って"ポップ"っていう言葉が単純に好きです。好きな音楽を挙げていくと止まらなくなっちゃいますね。メタルはあまり得意ではないんですけど。
-ポップであれば日本だけでなく、海外のものも?
あきら:海外だったら例えば、SUM 41とか、BLINK-182とかが好きです。あとはLIMP BIZKITとかも。そのあたりは世代でもあるんで。
Kegoi:でも、そのへんはちょっとメタルの感じもあるやん。
sola:サウンドも激しいし。
あきら:サウンドはわりとどうでもいいというか。メロディのほうが気になっちゃうんですよね。
-たしかに、名前を挙げられたバンドはどれもメロディアスでキャッチーな部分がありますし。
あきら:そうですね。昔からキャッチーなものが好きなので。
-『Boo&Coo』の収録曲で言うと「NEVER」はあきらさんの好きなポップな部分と、ヘヴィな部分の両方がうまく入っている曲だと思うんですけど。
あきら:そうですね。ああいうのは僕の中でも大好きな曲です。それこそマキシマム ザ ホルモンも僕は大好きなんで。
-曲を作ると自然とこういう形になることが多いんですか? それとも、最初からはっきりとしたイメージがあって、そこに向かって作っていきます?
あきら:最初からこういう感じにしようと思ってましたね。僕はひらめきで作っていくというよりは、こういう曲を作りたいと考えて作っていく感じなので。
-あと、「NEVER」は先ほどKegoiさんがお話しされていた"派手な感じの印象"であり、"いっぱい叩いてね"というところがよく表れている曲でもありますよね。曲全体の印象としてはキラキラしていてポップな感じがあるけど、ドラムが後ろで凄まじいことをしているという。
Kegoi:最初はもうちょっとライトな感じにプレイしたんですけど、レコーディングするにあたってもう1回アレンジを見直したときに、一気に球数が増えました。あと、僕はコーラスやラップも結構やっていまして。
あきら:結構歌ってるよな?
Kegoi:それを叩きながらやるっていうのはね(笑)。誰かにやってもらって苦労を分かち合いたいところでもあるんですけど。
あきら:そこは彼にしかできないものでもあるんですよね。前にBULL ZEICHEN 88のコピーをしたんですけど、1曲丸々叩きながら歌ったんですよ。それがもうすごい神業で。あれだけハードなドラムを叩きながら歌っているっていうのを、観てくれている人たちはみんなわかってると思うんですけど、たくさんの人に知ってほしいし、そこは推していきたいって密かに思ってますね。"あいつ、あんだけ叩けてあんだけ歌えるんや!?"っていう。
-あと、「STAGE」はTHEラップ・ロックな感じですけども。
あきら:この曲に関しては曲の善し悪しというよりも、この曲を知らない方々が、初めてライヴで観たときでもノりやすいものにしようと思って作り始めました。だから、これからのライヴでは、「STAGE」が1曲目になっていくのかなって僕の中では思ってますね。
-それでこういったグルーヴ感であったり、曲の雰囲気であったり。
あきら:そうです。だから、ライヴ・メインの曲っていう感じですね。初めにジャンプして、サビで手を上げて、みんなも歌いやすいっていう。もうただそれだけのために作った曲、みんなと一緒に遊ぶために作った曲です。そういう意味でもタイトルを"STAGE"にしてるんで。
-歌詞はあきらさんがすべて手掛けられていて、どの曲も最終的にはポジティヴな印象が残るものになっていますね。歌詞は曲と同時に考えることが多いですか?
あきら:いや、曲を作るときにテーマぐらいは決めているんですけど、歌詞はあとづけのほうが多いです。今回は僕のほうでは真面目な方向に行きすぎたかなって。どちらかというと、ふざけてる歌詞のほうが好きなので。
-真面目な方向になったのはハード路線な曲に引っ張られたところが大きいんでしょうか。
あきら:そうですね。苦手な結果がこうなってしまったというか(笑)。そう言うのが正解かなと思います。
-早希さんが作った「Re:Life」に歌詞をつけるのは、いつもとはまた違う作業になったと思うんですが、事前にこういうものにしようというやりとりはありましたか?
あきら:特になかったです。"転スラ(転生したらスライムだった件)"っていうアニメが最近やってたんですけど、その主題歌を作る気持ちで歌詞は書きました。僕の中であの歌詞は完全に"転スラ"に沿った歌詞です。
-早希さんとしては、あきらさんが書いてきた歌詞を見たときの印象というと?
早希:私、基本的に歌詞をあまり見ない人間なんですよ(笑)。深く考えないタイプというか。
あきら:たぶん、そっちよりもメロディが合格か不合格かのほうがデカいというか。
早希:そうそう。メロディは彼(あきら)が考えてるんですよ。この曲も、"ヴォーカル・メロディがかっこいいから大丈夫!"っていう。