MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

D

2018.11.14UPDATE

2018年11月号掲載

D

Member:ASAGI(Vo) Ruiza(Gt) HIDE-ZOU(Gt) Tsunehito(Ba) HIROKI(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

すべての楽曲には意味があり、ひとつひとつの歌詞、音にも意志が込められている。今年で結成15年、メジャー・デビューからも10周年を経ることになったDというバンドは、どんな作品においてもコンセプトやストーリー性を重んじながら活動してきた希有な存在だ。音楽に対してはもちろんのこと、ライヴや映像作品においてその物語を完全にヴィジュアライズして提示することにも定評があるDだが、今回のシングル『Deadly sin』はDにとってのライフワークである"ヴァンパイアストーリー"の最新エピソードを音とMVにて具現化したものとなる。時にヘヴィで、時に美しいサウンドを自在に操りながら、魅惑的な物語を紡ぎ続けるDの深き世界へようこそ。

-Dは結成以来15年、どんな作品においてもコンセプトやストーリー性を重んじるバンドとして活動してきました。まずは、今回のシングル『Deadly sin』がどのような背景を持って生まれてきたものなのかを教えてください。

ASAGI:前作『Revive ~荒廃都市~』(2018年6月リリースのシングル)からの続編になるのですが、記憶を失くしたまま目覚めてしまったヴァンパイアの王はかつての愛に目覚めた王ではなく、アンデッドを操る凶悪なモンスターとなって復活してしまったんです。その狂王の暴走を止めるために、ハーフ・ヴァンパイアである王の息子と、かつて王に仕えていたヴァンパイアの四騎士が自分たちの愛した王と戦わなければならないというような内容になっています。なので、戦いをイメージした楽曲制作を心掛けました。特にこだわったのは勢いのあるメロディと、ギター・リフですね。

-そうした背景を音だけでなく映像でも具現化している「Deadly sin」のMVはいっそう強いインパクトを放っていますし、とても秀逸な仕上がりです。

Tsunehito:かなり新しい要素が満載ですよね。イメージ・シーンや、重要なシーンもたくさん入ってます。

ASAGI:MVはスタイリッシュなアクション・ゲームのようなイメージもあったので、うまく音楽と融合できたんじゃないかなと思いますね。

-なるほど。そして、Dは楽器隊のみなさんも各楽曲や歌詞の意味までそれぞれに解釈しながら丹念に音を作っていくことでも知られております。まず、表題曲についてはみなさんがどのようなサウンド・アプローチをされていったのか、各パートの見地から教えてください。

HIROKI:ASAGI君からデモを貰って、すごく疾走感のある曲だなと感じたんですよ。だからドラマーとしてはそこをしっかり表現していかないと、ということを考えましたね。それと、ギター・ソロ前のセクションでは、キックをメインにビートを意識して、シンセと生ドラムとの融合をしていくように心掛けました。

-本来ダンス・ビートであるダブステップをロック・バンドの音の中に取り込んで融合させていくのは、難しい点も出てきそうですよね。

ASAGI:はい。最初は正直難しかったですね。でも、前作でダブステップとの融合にチャレンジして、そこで掴んだものを今作にも生かすことができたと思います。今回ヴァンパイアストーリーで打ち出したかった未来感と音像がリンクしたんです。

HIROKI:ASAGI君からのアドバイスもあって、ダブステップを意識しつつ、自分なりのアプローチをプロデューサーの岡野(ハジメ)さんと相談しながら取り組みました。プレイの面で具体的にやったのは、先ほども言ったような疾走感の部分とか、曲のイメージに合った音作りの方でした。この曲は結構テンポが早いんですよね。

-BPMで言うとどのくらいになりますか?

HIROKI:236です(笑)。

-かなりの数値ですね。ただ、不思議なことに聴感上はそこまで慌ただしい音には聴こえません。

HIROKI:忙しないものとしては聴こえさせたくなかったので、聴感上はどっしりした音に感じるように叩いていきました。特に、ツーバスで突っ走る部分に関してはスネアとキックを同時に鳴らさないということをやってます。全部を踏まないことによって微妙なタメが生まれるので、それによって重厚さが出せたんじゃないかなと。

-先ほどのお話だと、音作りの面でも曲のイメージに合わせることを意識されたとのことでしたが、その点においてはどのようなところにこだわられたのでしょうか。

HIROKI:デジタリックな要素が入ってくることを考えて、普段と比べるとスネアのピッチを若干高くしてあります。そして、叩くときにリム(※ドラムのふち)にも当てることでメタリックな金属っぽい音になるようにしてますし、逆にタム類はロー感をいつもより強く出してますね。よりメリハリが出るようにしたんです。