INTERVIEW
TWENTY DOLLAR$
2018.04.25UPDATE
Member:Kenshi(Vo) Kota(Gt/Vo)
Interviewer:杉江 由紀
かつてAppleのCEOであったスティーヴ・ジョブズは、"自分の居場所を自分で作るんだ"という名言を残している。まだ始動してから8ヶ月ほどしか経っていないにもかかわらず、TWENTY DOLLAR$というバンドは他と一線を画することを意識するなかで、早くも自分たちだけが生み出せる個性というものを獲得しつつあるようだ。もちろん、その姿勢はこのたび彼らにとって初の全国流通音源としてリリースされる『Coming Back EP』の内容からも、存分に伝わってくることは間違いない。古い手法やありきたりな概念を踏み越えながら彼らが目指すのは、次世代のロック・スターという新しいポジションなのかもしれない。
-TWENTY DOLLAR$はまだ始動から約8ヶ月なのだそうですが、まずはこのバンドがどのような経緯で生まれたのか、ということを教えてください。
Kota:もともとは、Kenshiとお互い高校生のころから一緒にやっていた前身バンドがあったんです。途中でそこからメンバーがひとり、ふたりとだんだん抜けていって、結局は自分とKenshiだけになってしまったので、そこから心機一転して曲も作り直して......というところから去年の9月に始めたのがこのバンドだったんですよ。TWENTY DOLLAR$としてのライヴを正式に始めたのは、さらにそのあとで去年11月のことでした。
-なお、去年11月にはTOWER RECORDS難波店とライヴ会場での限定販売音源として初のアイテム『SEED EP』が発表されていますけれど、その作品をレコーディングする段階から意識されていた、このバンドの音楽的な基本コンセプトとはどんなものになりますか。
Kota:正直なことを言うと、前身バンド時代やKenshiとふたりだけになった当時はまだ、明確に"これがしたい"っていうふうな意識を特にしたことはなかったんです。でも、このふたりになって曲を新しくいろいろな曲を作ったり、友達からベースのjakkiを紹介されて3人になったときに、まずはシフト制で3人くらいのサポートのドラムを入れて半ば無理矢理全国15ヶ所を回るツアー(2017年11月から2018年3月にかけて開催した"Winter tour 2017~2018")に出てみたりしたのも良かったのか、感覚としてはバンドとしての具体的な動きをとっていくなかで、だんだんと自分たちのやりたいことが見えてきたところがあったと思います。
-ちなみに、おふたりの音楽的なルーツというのはどんなところにあるのでしょう。
Kota:ここにいるふたりはまったく違いますね。僕は普通にバンドの音楽が好きで、特に映画版"20世紀少年"のテーマ・ソングになっていたT-REXの「20th Century Boy」にはすごい衝撃を受けました。
-はるか昔に流行った、70年代グラム・ロックの洗礼を受けたとは面白いですね。
Kota:あのイントロの"ジャーン!"っていう音を聴いて、一気に"ギターってカッコええなぁ!"と感じちゃったんです(笑)。そこからは、RED HOT CHILI PEPPERSとかLINKIN PARKとかSUM 41とか、いろんな洋楽を聴くようになりました。
-対して、Kenshiさんは?
Kenshi:僕はバンドの前にダンスをしていたので、ロックに関してはあとから聴き出した感じでしたね。
-ダンスというのは、何系のダンスをされていたのですか。
Kenshi:いわゆるEXILE系です。だから、昔はAAAとかも好きで聴いてました。当時は、まさか自分がバンドをすることになるとは思ってもみなかったんですよ(笑)。
-だとすると、いつどこからバンドの道に!?
Kenshi:そこはもう、最近のみんなと一緒やと思います。それまでバンドのことなんてなんも知らんかったのに、初めてワンオク(ONE OK ROCK)を聴いて"俺もやりたい!"ってなったんです。人前に立つことはそもそも好きだし、"やるならやっぱヴォーカルっしょ!"ということでそこから歌を始めました。
-ダンス経験があるということは、リズム感は当然あるとしても、よくそれでいきなり歌えましたね。
Kenshi:自信はあったんですよ。カラオケにみんなで行くと、いつも"歌上手いねー"って褒められてたし(笑)。
Kota:いやでも、最初はさすがに見てられへんかったけどな(笑)。本人はそのころからかなり自信満々にやってましたけど、アレは周りにいるコッチの方が恥ずかしくなってくるくらいやったで(笑)。
-もっとも、自らを信じると書いて自信というくらいですから。強い自信を持って続けてきたことにより、Kenshiさんの持っていたヴォーカリストとしての可能性がTWENTY DOLLAR$という場で開花したとも言えそうです。
Kenshi:根拠は何もない自信でしたけどね(笑)。
-あはは(笑)。ところで、先ほどまでのお話には出てきていなかったドラムのSotaさんは、いつこのバンドに入られたことになるのでしょうか。
Kota:Sotaは今年に入ってからライヴのサポートをしてくれていて、今回のリリースから正式メンバーとして加入することになったんですよ。