INTERVIEW
TWENTY DOLLAR$
2018.04.25UPDATE
Member:Kenshi(Vo) Kota(Gt/Vo)
Interviewer:杉江 由紀
-今回のリリースとは、TWENTY DOLLAR$にとって初全国流通作品となる『Coming Back EP』のことですね。
Kota:はい。僕らが神戸でとあるイベントに出たときにSotaから声を掛けてきてくれて、"ライヴ、良かったです。僕も今、まさにこういうバンドをしたいなと思っているんですよ!"って言われたんですね。それで、僕らの方も冗談交じりに"あ、今ドラムだったら募集してますよ"って答えて、とりあえずその場は連絡先の交換だけして別れたんですけど、すぐに"ドラマーとして加入させていただきたいんですが......"って実際に連絡が来て、今に至ります(笑)。
-ではここで、最新音源『Coming Back EP』について詳しくうかがう前に、"TWENTY DOLLAR$"というバンド名がどのようにして付いたものなのか、という由来についてもぜひ解説をお願いいたします。
Kota:きっかけは、他愛もないことだったんですよ。新しいバンド名を僕の部屋でKenshiと考えていたときに、たまたまそのへんに1ドル札があったんですよね。そうしたら、Kenshiが"直近にやった俺らのライヴのチケット代っていくらやったっけ?"と言い出して、"2,000円ちゃうん"っていうところから、"2,000円をアメリカドルで換算したら20ドルくらいやな"となって、"それやったら、バンド名は「TWENTY DOLLAR$」でどうや?"、"それや!"という流れで決まりました(笑)。
-複数形のSが"$"となっているところがポイントですね。グッズを作るときにも、デザインがしやすそうな表記です(笑)。
Kota:ただ、この表記にして困ったこともあるんですよ。決めたときは何も考えてなかったですけど、ネットで検索をかけたり、ドメイン取得をしたりするとなると、その"$"がネックになっちゃうんですよね。とはいえ、もう名乗ってしまったからにはあとから変えるわけにもいかなかったので、そのままTWENTY DOLLAR$で通していくことにしたんですよ。
-そういうことでしたか。なんとも、WEBありきな時代ならではと言えるエピソードですね(笑)。そして、いよいよここからは最新音源『Coming Back EP』についてうかがって参りたいと思います。今作は、TWENTY DOLLAR$側からすると"どのような狙い"を持って制作されたものとなりますか。
Kota:もちろん、TWENTY DOLLAR$はバンドだし僕ら自身もバンドマンなんですけど、今回の『Coming Back EP』を作っていくうえでは基本的にバンドマン寄り的な考え方は避けていくように心掛けました。
-その理由とはいったい?
Kota:バンドを始めたばっかりのころは、僕も"ギターのリフがすごい!"とか"ギターは速く弾けるのがカッコいい!"とか、そういうことを追い求めていたところがあったんですよ。でも、TWENTY DOLLAR$を始めてからはそこの考え方がちょっと変わったんです。今はそういうことよりも"歌をちゃんと聴かせたい"と思うし、音楽としての土台の部分になるリズム感をしっかりとさせたい、という意識になっているんです。だから、今回の『Coming Back EP』で言えばリード・トラックの「Coming Back」も、ラウド系とかでよくある感じのイントロのリフとかはあえて抜いてしまって、いきなり歌から聴かせられるような作り方をしていきました。
-たしかに、今作は全編を通して単なるロック・バンドという枠の中には収まり切ろうとしない、自由奔放で大胆な音作りが印象的ですね。
Kota:まぁ、"俺らはロックの中だけに収まりたくないねん!"みたいな反骨精神はないですけど、逆に言うと細かいことにはあんまりとらわれていないんでしょうね。自分らの好きなことや、自分が移動中とかにiPhoneでどんな音楽を聴きたいか、ということを大事にしながら作っているという面が強いです。
-と同時に、今作を筆頭にTWENTY DOLLAR$は打ち込みを駆使しながらのサウンドメイクも得意としているようですが、すべてのプログラミングはKotaさんが手掛けられているのだとか。バンドの出す生音と、デジタルな音色を融合させていく際のサジ加減についてどのようにお考えなのかも知りたいです。
Kota:特にこうでなければいけない、というようなものはないですね。考えていることがあるとすれば、シンセサイザーとか打ち込みのフレーズがメインにならないようにということくらいだと思います。ライヴで曲をやるときのことを踏まえても、そこが主軸になってしまうとバンドとしてはちょっと違ってきてしまうんじゃないかな? と感じるし、さっきあまりバンド寄りになりすぎたくはないとは言ったものの、決してEDMをやりたいわけではないので(笑)。そこを目指したいなら、DJを入れればいいだけの話ですしね。バンドの音の主骨格となるのはあくまでドラム、ベース、ギターであってほしいと思ってます。