INTERVIEW
21g
2018.04.17UPDATE
2018年04月号掲載
Member:Geno(Vo) NATCHIN(Ba) MIYAKO(Gt) yoshi(Dr)
Interviewer:荒金 良介
元SIAM SHADEやLOVEBITESのメンバー擁する4人組 21g(読み:トゥエンティワングラムス)が、約3年ぶりとなるニュー・アルバム『GENORATION 2』をリリース! 前作以降、ライヴ活動を中心に活動し、配信音源もコンスタントに発表するなど、自分たちの歩幅で確実に前進し続けている彼ら。今回は新ドラマーとしてyoshiが加入し、現4人体制で初の音源に仕上がった。ロックにこだわりながら、自由度の高い作風を掲げる音楽性についてひもときつつ、改めてこのバンドの構造に迫るインタビューを試みた。
-今作を聴いて、音楽性が幅広いなという印象を受けました。結成時にやりたかったサウンドというとどんなものなんですか?
Geno:ロックをやりたいと思ってて。俺たち自身は幅広くやってるつもりはないんですけど、よくそういうふうに言われますね(笑)。根本はロックからハズれないように活動してきたつもりです。
NATCHIN:話し合って、"こういう方向で行こう"というふうには特に決めたりしてないしね。もともとGenoと僕で一緒にやろうと考えたときに、Genoの中で女性ギタリストを入れたいというアイディアがあって、あまりそういうバンドはいないから、それがひとつの売りになるんじゃないかと。それでMIYAKOを見つけました。最初はGenoがすべて曲を書いてて、それでいいなと思ったものを突き詰めていく感じでやっていました。だから、ジャンルや方向性は話し合ったこともなく、いいものはいい! という考え方ですね。
MIYAKO:当時は大阪にいたんですけど、女性ギタリストを探してるという話を人づてに聞いて。東京にライヴで行く予定があり、そこで(GenoとNATCHINに)初めて会ったんですよ。で、話を聞いたときに面白そうだなって。
-yoshiさんは今作で初参加ですよね。バンドにはどんな印象を持ちました?
yoshi:曲を聴いたときは、勢いよりも雰囲気で聴かせるバンドだなと思いました。
Geno:これだけは言っておきたいんですけど、聴き手にジャンルを決めてもらうまでは自分たちでは言うのはやめようと思ってたんですよ。これが演歌なら演歌でもいいし......聴き手に任せようと。でもMIYAKOとyoshiに"ジャンルを決めないと、人に説明しにくいんじゃないですか?"と言われて。それで、ロックにはルールがないから、ロックと言ってるだけなんですよ。もともとジャンルにこだわって何かを制作しているわけじゃないです。
-なるほど。
NATCHIN:聴き手によっては、ギターが歪んでいるだけでヘヴィ・メタルだ! という人もいますからね。
-では、Genoさんの音楽ルーツというと?
Geno:X JAPANとSIAM SHADE......メンバーが本人(NATCHIN)なんですけどね(笑)。洋楽はQUEEN、KISS、BON JOVI、SKID ROWとかですね。共通して言えるのは、激しい音に対してメロディがきれいなバンドが好きっていうことで。全部シャウトしているバンドというより、メロディアスで歌詞に中身があるバンドに影響を受けたので、逆にそういうものしか作れないですね。
-メンバーにNATCHINさんがいるのはドンピシャじゃないですか。
NATCHIN:20数年前、SIAM SHADEで九州に行ったときに出会ってますからね。
Geno:普通にファンですから。それにMIYAKO、yoshiのテイストが入って、それが21gの音楽になってます。ジャンルで言うと、みんな世代も聴いてる音楽も違いますからね。
MIYAKO:私はクラシック音楽からへヴィ・メタル、そしてALL THAT REMAINSやUNEARTHなどの影響でメタルコアのジャンルをよく聴くようになり、今では幅広いメタル・ミュージックを聴いています。今ヘビロテしてるのはGIDEON、ARCHITECTSあたりですね。
yoshi:俺はパンク、メロコアです。バンドを始めたきっかけがHAWAIIAN6で、それから派生してdustbox、Northern19とかがルーツですね。メタルコアを聴き始めたのはここ2~3年ですから。中学生男子はだいたい一度ヴィジュアル系とメタルにハマるんですけど、俺はあまりハマらなかったんですよね(笑)。
-NATCHINさんの音楽的ルーツは?
NATCHIN:DURAN DURAN、JOURNEYですね。で、バンドをやろうと思ったときにBOØWYがバーン! ときたので聴いてました。ジャパメタも好きで、LOUDNESS、44MAGNUM、ANTHEM、EARTHSHAKERのコピーもしてましたね。洋楽はMÖTLEY CRÜE、SKID ROWを主に聴いてました。で、気づいたらSIAM SHADEをやってましたね。それから、当時のメンバーからRUSHやDREAM THEATERのCDを渡されたりして。いろんなバンドを聴いてきましたが、今でも心がグッと動くのはMÖTLEY CRÜEですかね。僕はギタリストに憧れていたから、曲を作るときもギターから考える方ですね。
-そして、今作は約3年ぶりのアルバムですよね。この間に配信音源や、NATCHINさんはSIAM SHADE再結成もありましたけど、どんな期間でした?
NATCHIN:活動の中心がライヴだったので、周りと比べると作品数は少ないと思うんですけど。だんだんメンバーそれぞれの個性が出てきて......と思ったら、去年の7月からドラムがyoshiになったので、今はゼロというか、新たなスタートという気持ちが強いですね。
GenoEE:yoshiとは出会った瞬間に同じ臭いがしたんですよ。こいつだ! と直感で思いましたね。
NATECHIN:たまたま焼肉屋で会って、このルックスだから声を掛けたんですよ。絶対バンドをやってると思ったから。
MIYEAKO:初めて入った焼肉屋で出会いましたからね。運命ですね(笑)。
NATCHIN:ちょうど今回の作品を制作してて、打ち切らざるを得ない状況の中でyoshiが入ったんですよ。それからライヴを何度かやって、yoshiのテイストもわかりつつ、作り始めたらすぐに完成した印象はありますね。あと、前のアルバム(2015年リリースの1stアルバム『GENORATION』)から3年経ったから焦っていたんですけど、すごく濃厚な作品ができたなと思います。それはyoshiが入ったことが大きいですね。
-濃厚というのは?
Geno:俺は慎重でお行儀のいいドラムを打ち込むんですけど、結構やんちゃなドラムで返ってくるんですよね。そこが素敵だなと思ってます。
yoshi:ははははは(笑)。
NATCHIN:ドラムだけじゃなく、yoshiは曲も書いてきたので、yoshiが書かなかったら、俺もやらなかったかもしれない。今回は全員の書いた曲が入ってますからね。お互いデモの段階でどうなるかわからなかったけど、完成したら良くなったなと。面白かったですね。