INTERVIEW
CROSS VEIN
2018.03.12UPDATE
2018年03月号掲載
Member:JULIA(Vo) Yoshi(Gt) MASUMI(Gt)
Interviewer:荒金 良介
-そして、2017年に現6人体制に固まりましたが、そこでまた変化はありました?
Yoshi:キーボードとドラムが入ったので、音も重厚になるし、表現の幅は広がりましたね。いままでは自分で作曲してアレンジしていたけど、シンセのアレンジはコードだけ鳴らしたものを渡して、"あとはよろしく!"ってできるようになったから。バンドのクオリティは上がりましたね。
-では、前作からの約3年間はどんな期間でしたか?
Yoshi:HIZAKI(Versailles/Jupiter/Gt)さんに会ったことが大きいですね。前作のあとにバンドとしてこの先どうしようか......と悩んでいて、Jupiterと対バンしたときにそこでHIZAKIさんと出会って、僕らに興味持ってもらえて、"何か一緒に何かやりませんか?"と言われて、"ぜひお願いします!"と流れになったので。それからヴィジュアル系や日本のシンフォニック系のイベントにもたくさん出るようになったし、バンドとしてかなり成長できましたね。
JULIA:私たちはより多くの人に楽しんでほしいのに、独自の世界を作りすぎて、出るイベントも限定してましたからね。突破口を見いだせた3年間でした。
-出演するイベントはわりと選んでいたんですか?
Yoshi:厳選してましたね。自分たちの見せたい色が強すぎて、閉ざしていた部分もあったんですよ。だから、バンドとして大人になったと。いろんな人と関わって、視野を広げないとダメだなって思いました。
JULIA:以前は歌詞も、いわゆる、中二病のようなものが多くて(笑)。MASUMIの加入を皮切りにアニメ・ソングのような要素も加わり、ポジティヴな曲も増えていきました。
Yoshi:作曲も活動も明るい方向に向いていきましたね。ゆっくり扉を開けた感じです。
-本当にアルバム名どおりなんですね(笑)。MASUMIさんはどうですか?
MASUMI:この3年間で曲は作っていたけど、ほとんどそれをボツにして作り直したんですよ。新しい今の自分から生まれるもの、今のバンドに適した曲を作ろうと。"現代っぽい曲があってもいいよ"とHIZAKIさんにも言われましたからね。
-今作はHIZAKIさんプロデュースですけど、制作はどういうふうに?
Yoshi:常にHIZAKIさんが横にいてくれて、歌い方や歌詞の語呂とかのアドバイスを貰いました。サウンド面でもきれいな音で録ることにこだわりがある方なので、そこは最も影響を受けましたね。楽曲のクオリティを上げるという部分でも貢献してもらいました。曲に関しても長いからここは削った方がいいとか言っていただいて、客観的に曲を見てもらったことも大きいですね。
JULIA:(現体制になって)最初に『The Revival』(2017年リリース)というシングルを出したときにかなりディレクションしていただいたので、そこで歌に対する姿勢も変わりましたし、何も言わせないわよ! という気持ちでいるよう努めました(笑)。今回は曲によって雰囲気に合うような歌い方を心掛けました。私はYoshiと出会う前にジャパニーズ・メタルはほとんど聴いていなかったので、王道的な歌い方に染まっていなかったのも逆に良かったのかもしれません。
-JULIAさんの歌声はいわゆるメタル・ヴォーカリストとはまた違いますよね。
JULIA:もともとは世界の歌姫が大好きで、Mariah Carey、Celine Dion、日本で言うと、globeを聴いて育ったし、歌唱力を前面に出す歌姫が好きだったので。
-映画"タイタニック"主題歌(※Celine Dionの「My Heart Will Go On」)とか似合いそうですね。
JULIA:あぁ~、もう大好きです!
Yoshi:(この曲を)カバーしようか? という話も出ましたからね(笑)。
-今作の最初のアルバム像はどんなものでした?
Yoshi:ガチッと決めるよりも、今の自分たちに合った曲を心掛けたので、それを形にしようと。この3年間の活動が表れていると思いますね。
MASUMI:僕の中ではメタルは1曲も作ってなくて。それっぽい要素はありますけど、アイドルやアニソンでもメタルの要素が入ったものも多いし、普段メタルを聴かない人でも入れる曲を作ることを心掛けました。
-今回、新たに挑戦したことはありますか?
Yoshi:今回はメタルだけに縛られず、とにかくいい曲を作ろうと。ギターのバッキングもいままでは歌の裏でテクニカルなことをやってましたけど、今回は16符で刻むだけみたいな。よりシンプルでかっこいいものを意識しました。
MASUMI:全曲チャレンジでしたね(笑)。「fate」というバラードでは2分ぐらいバンドがいませんからね。ライヴの演出を考えたときに、ヴォーカルと鍵盤だけがステージにいるみたいな状況もかっこいいなと思って作りました。あと、「Immortal Beauty」はラウド寄りで......。
-この曲はデス声を入れてますよね?
MASUMI:それは僕の声です(笑)。自分で仮歌を録ったら、これでいいんじゃない!? と言われて。
JULIA:私も「Immortal Beauty」はチャレンジでした。ミドル・テンポの曲はあまりなかったし、主旋律の裏でMASUMIがウィスパー・ヴォイスを重ねる手法を取り入れてくれて、これまでにない独特な雰囲気や儚さを出せたなと。
-今作の「fate」、「Immortal Beauty」のミドル・テンポな曲調もいいフックになってます。あと、個人的に「Wonderous Nightmare」は鍵盤の音色を含めてユニークな曲調ですね。
Yoshi:いままでにないシャッフル調だし、ハロウィンっぽい曲というのは推してきた部分ですからね。映画で言うと、ティム・バートンみたいな世界観はCROSS VEINに合っているので、入れてみました。
-歌詞に関しては、人生や命を肯定する内容になってます。
JULIA:加入当初にバンドのコンセプトについて、生と死、天使と悪魔、陰と陽など、相反するものの共存を表現したいと話し合いました。
Yoshi:以前は陰が多かったけど、いまは陽が増えたかなと。陰があるから陽が際立ちますからね。僕は映画が大好きで、イントロがあって、途中で悲しい出来事が起き、そのあとに感動的なフィナーレを迎える。それをバンドでも表現したいんです。今作のリリース・ツアー(4月から5月にかけて開催する"CROSS VEIN アルバム発売記念ツアー『Gate of Fantasia』")は東名阪でやるんですけど、そこでもいままでとは違うCROSS VEINの世界を見せたいですね。