アラウンドザ天竺：ロンドンタナカ（Vo/Gt）
小日向結衣
インタビュアー：吉羽 さおり　Photo by 上溝恭香

－音楽経験があるんじゃないかっていうくらい、うまくハマってますよね。

ロンドンタナカ：そうなんですよ。本当に初めてなの？ って言ったら、初めてですっていうから。すごいねっていう話をしていて。

小日向：人前で歌うのも初めてだったんです。すごい緊張しちゃうので、レコーディングのときは、ちょっとお酒飲んできて。

ロンドンタナカ：ドーピングしてきましたよね、ストロングゼロを。

小日向：2本飲んで行きました。そのおかげで、1回で終わったんだと思います。

ロンドンタナカ：レコーディングの途中で、突然明るくなり始めましたけどね（笑）。"じゃがりこ食べるー？"とか始まっちゃって。ちょっと、静かにしてもらってていいかなっていう感じで。

小日向：効きすぎちゃいました。

ロンドンタナカ：そんな感じで。難しい曲かなと思ったんですけど、勘がいいんですよね。だから、今回のシングル、すごくいいと思ってます。500万枚売れるかなと。

小日向：売りましょう！

－目指せ、ミリオン超えですね。しかし、タイトルからして2016年に映画の主題歌としても大ヒットした某曲を彷彿とさせる"男男男子"ということで......。

ロンドンタナカ：わかっちゃいます？ まぁ、面白いかなっていうか、替え歌みたいな感じですね。僕、中学校のときよく替え歌を作っていたんですよ。友達にヒット・ソングの替え歌を聴かせて、みんなで笑ったりしていたんですけど、そんなノリです。なので、発禁（発売禁止）とか何も考えてないんですよね。むしろ、発禁になってもいい感じでやってます。"届け！ RADWIMPS"っていうか。（野田）洋次郎（RADWIMPS／Vo/Gt/Pf）に届けたい（笑）。ジャケットを公開したときも、"野田洋次郎"とタグをつけてツイッターでつぶやいてますからね。洋次郎が褒めても怒っても、こっちの存在に気づいてくれればファンとして嬉しいっていう。さらに曲の後半にくると、GLAYも入ってるんですけど、気づきました？ 「グロリアス」の感じも入ってるんですよ。そのほかにも"通報!! 通報!!"というところは、小日向ちゃんが家で友達と飲んでいて、バカ騒ぎしていたときの話がもとになっていて。

小日向：実話がちょっと入っています。

ロンドンタナカ：正月明けくらいに、歌詞になるようなことを引き出そうと思って、飲みに誘ったんですよ。そこで喋っていたことを──

小日向：私は、純粋な気持ちで飲みに行ったのに。もう話したくない！

ロンドンタナカ：なんでよ。

小日向：絶対ネタにされるもん（笑）。"歌詞できたよ～"っていきなり送られてきたのが、これですから。この間話していたことが使われてるじゃんっていう。

－飲みの席での話だけに、さらに怖いですね。

小日向：そうなんですよ、これを話した記憶がないくらいですから。

ロンドンタナカ：俺も最終的にあまり覚えてないんですけど。でも言ったことを、メモってたんですよね。

小日向：途中、スマホ出して何かやってるなと思ってたら、メモだったのか......これからは気をつけよう。ほんとノンフィクションです。最初、歌詞だけ見たときは、絶対歌いたくないって思ったんです。

ロンドンタナカ：はははは！

小日向：初めて歌う曲が、これでいいのか悩んだんですけど。

－歌詞は、男子中学生とグラビア・アイドルが掛け合っているような構図ですからね。

ロンドンタナカ：そうそう。この曲を聴いた友達が、"ヤンキーとマドンナが歌ってる感じ"って言ってました（笑）。

－だからこそ、ノリが良くないとできないですし。ただ、デビュー・ミニ・アルバムを出して、その次に出す作品としては、アラウンドザ天竺にとってすごく大事なシングルですよね。なのに、いい具合に行き当たりばったり感を楽しんでますね。

ロンドンタナカ：驚きがあっていいんじゃないかな。ミニ・アルバムを出して、いいと言ってもらえる声が多かったので、次はそれを超えなきゃいけないなと思ったら、現れたのがこの子ですよ。しかも、アルバムに「グラビアチェック」という曲があったくらい、もともとグラビアが好きだったものが、そのツアー・ファイナルでは本当のグラビア・アイドルが観に来ているという（笑）。そうやって考えるとすごいよね。