－たしかにBLACK SWEETの楽曲は全体的にトレブルの効いたベース・ラインが多いですね。淳さんのベース・ラインはBLACK SWEETの"BLACK"の部分を担っていると思いました。

吉田：そのキャッチ、いいですね！ 今回レコーディングのときに、ギターがエッジの立った音をしていたので、ベースの音色も同じ方向で攻めるかマイルドな音にするべきか迷っていたのですが、イナリさんと試行錯誤していた結果、暴れ馬みたいな音になりました。 "BLACK"と"SWEET"といった二面性を持つバンドの"BLACK"の部分を引き出せたかなと自分でも感じています。

大地：影響を受けたドラマーは、聖飢魔Ⅱのライデン湯澤殿下とPhantom ExcaliverのThomasですね。特に、Thomasは大学の先輩で同じサークルに入っていたこともあって、彼のローディをやらせてもらったりもしていて。真横で見ているので、一番影響を受けますね。初めて彼とサークルの部室で会ったときに"何か叩いてみてよ"と言われてHIBRIAの「Tiger Punch」を叩いてみたら、めちゃくちゃ褒められまして。そこから一緒にいるうちに、ドラムに対して求めてるものが同じなんだなと感じました。それこそX JAPANのようなメタル的なカッチリさもそうだし、RED HOT CHILI PEPPERSのようなファンキーなドラムも好きだし、性格も似てるので、様々な面で多大な影響を受けました。本作のドラミングは彼からのテイスト影響が色濃く出ていますね。彼が気がつくかはわからないですが（笑）。将来的には、"お互いにビッグになって、LOUD PARK出ようぜ！"と言っている仲でもあります。

鷲塚：僕のヒーローは、やはりSTRYPERのMichael Sweetですね。STRYPERもBLACK SWEETと同じく4人編成でギター・ヴォーカルなので。彼のヴォーカル及びギタリストとしてのプレイが、僕にとっては本当に最高です。歌もギターも作曲も、特にリフ・メイキングは多大な影響を受けています。ギタリストとしては僕自身ソロを弾くギタリストよりもリフをガンガン弾くスタイルが好きなので、Michaelにもそれは当てはまりますね。ヴォーカルとしてのMichael Sweetは、バラードは甘い声で歌う反面、速い曲では中音域の力強さを発揮したりと、声の使い分けが幅広いんですよね。こんなことができる人はあまりいないですから、ヴォーカリストとしても尊敬しています。

－今後の予定を教えて下さい。

鷲塚：PVに関しては、11月中に公開予定となっています。曲は「Reach For The Sky」となります。ツアーに関しては、11月11日渋谷GARRET udagawaで行うレコ発ライブを皮切りに、仙台や京都、静岡などの遠征を重ねて、ツアー・ファイナルとして来年2月10日大塚 Hearts+にてワンマン・ライヴを開催します。

－バンドとしての目標を教えて下さい。

聡史：僕たち自身で、ヘヴィ・メタルをもっと盛り上げていきたいです。他の音楽ジャンルは若い人が元気だったりするじゃないですか？ 僕たちも再びヘヴィ・メタル・シーンを盛り上げられるように、今自分たちができることに注力したいです。

大地：海外的な目標だと、僕たちのようなピュア・メタルやSTRYPERが所属しているFrontier Recordsに所属するのが夢です。調べたところ、今アジアのバンドで所属しているバンドがいないようなので、僕たちがアジアでの第1号所属バンドになれればいいな、と思います。

吉田：僕たちの歌詞に英詞が多いのも、そういったところを狙ってのことです。ぜひとも世界に羽ばたきたいです。

大地：そして、もちろん国内シーンでの活動の幅も広げたいです。それこそ、今作の「Hold On」は日本語詞のバラードなので、普段メタルを聴かない人にも聴いてもらえたらと思います。このほかにも「Reach For The Sky」などの疾走曲もありますし、幅広い曲たちを用意してきたので、ぜひいろんな人に聴いてもらいたいです。

－激ロック読者へのコメントをお願いします。

鷲塚：激ロックを普段見ている若い層にも、ぜひ僕たちの音楽を聴いてもらいたいです。言ってしまうならば、僕たちのような音楽のファン層のメインは壮年～中年代のリアル世代の方が多いです。そんななか、自分たちなりに過去のテイストをブラッシュ・アップさせて新しいサウンドを発信しているので、若い世代がこんなことをやっているんだ！ と少しでも興味を持ってもらえればと思います。そして、ぜひ同じ世代同士でこのピュア・メタル・シーンを作っていけたらと思います。

吉田：僕たちをきっかけに、ルーツとなった音楽も知ってもらえたらと思います。

大地：みんな、STRYPERを聴こうぜ！ ってことだよね？

聡史：メタルの高齢化、少子化を防ぎたいね。かつての栄光を得ていたメタルの良さを広めて、メタルでみんな平和になればいいよ。LOVE & PEACE的な感じでね。