INTERVIEW
AllS
2017.11.14UPDATE
2017年11月号掲載
Member:MAKI(Vo) 沁(Gt)
Interviewer:杉江 由紀
-そうなったとき、陽佑さん(Ba)とNIKKYさん(Dr)はAllSの中でどのような役割を果たしていらっしゃることになりますか。
MAKI:陽佑は、唯一このバンドの中でハード・ロックやメタルを通ってきていない人なんですよ。J-POP全般をよく聴いてきているぶん、僕らとはいい意味でまったく違う方向からアプローチをしてくれるプレイヤーなんです。NIKKYは僕ら以上にさらにメタル小僧というか、最新のヘヴィ・ロックなんかもよく聴いているタイプなので、これまたいろんな引き出しから面白いものをいつも持ってきてくれます。
沁:"今はこんなんが熱い!"みたいなのを、僕らによく教えてくれるんです(笑)。
MAKI:僕と沁はつい古いロックに偏りがちなので、そこはすごく助かってます。僕らは、"何回オジー(Ozzy Osbourne)聴いてんねん"ぐらいの感じですからね(笑)。
-コンポーザーのおふたりが、それだけ洋楽志向が強いせいもあるのでしょうか。今度の『Do or Die』でも歌詞の大半は英語となっていますが、ある意味この点もAllSの特徴のひとつと言ってよさそうですね。
MAKI:そうですね。AllSでの詞は、今ほぼほぼ英語です。それこそ、前身バンドのころは日本語で詞を書くことに対する美学を強く持っていましたし、日本語ならではの美しさや、日本語でしか表現できないような詞にこだわっていたところがあったんですけど、AllSでは現段階だとこの音に日本語の詞を乗せようとすると、ちょっとブレが出てきしまいそうだったんですね。
-なるほど。サウンドのノリや質感が、英語詞と日本語詞では変わってきて当然かと。
MAKI:そういう意味では、ゆくゆくどうなるかはまだわかりませんが、少なくとも今度リリースする『Do or Die』に関しては、自分が最も今の音に合うと思う英語詞でまずはやりたかったんです。と同時に、日本人の多くの聴き手の方々からすると、英語で歌われることによって音楽そのものに対する印象だけに意識がいきやすいと思うので、そこのハードルをまずクリアしたいなという気持ちもありました。
-そもそも、MAKIさんは昔から英語はお得意でいらっしゃいました?
MAKI:洋楽が好きでとにかく洋楽漬けだったので、自然と英語に慣れて好きになっちゃいました(笑)。でも、自分で英語詞を書くときはあんまり難しい言葉は使わないようにしていて、ライヴのときにみんなと一緒に歌えるような歌詞を書くようにいつも意識しています。
-ライヴといえば、ライヴ・バンドとしてのAllSの持つ強みは何になりますか。
MAKI:ちょっと小ぎれいな格好をしているわりには、やたらと激しいライヴをするバンドだと思いますね(笑)。
-来たる11月23日には初音源『Do or Die』のレコ発ライヴとして渋谷GARRET udagawaでの"Under the limelight"が予定されていますが、そこでのステージングがどうなっていくのかも今から楽しみです。
MAKI:今回の『Do or Die』という作品自体が本能とか野性をテーマにしているものなので、ライヴも感情のままにやってしまいたいと思ってます。
-本能と野性。そのキーワードが浮上してきたきっかけはなんだったのですか?
MAKI:それが、僕の自宅に猫が2匹おりまして。ロシアンブルーとアビシニアンのミックスと、ペルシャなんですけどね。まぁ、猫というのは普段は本当にぼけーっとしているのに、例えば部屋に虫が出たりすると途端に本能が剥きだしになって、ずっと追い掛け続けるし、なんなら殺してからも飽きるまでずっと弄び続けていたりするんですよ。
-それが彼らの本能ですものね。
MAKI:そんな様を見ていたときに、"これだ!"と思ったんです。今のAllSがロック・バンドとして表現するのはこの感覚だって。個人的にも、ヴォーカリストとして昔とても憧れていたのがex-SKID ROWのSebastian Bach(Vo)で、あの平気でオーディエンスに飛び掛かっていっちゃうようなワイルドさって、最高にカッコいいと思うんですね。少したがが外れてるくらいのヤバい感じを、僕はこのバンドのヴォーカリストとして継承していきたいなと思っているところがありますね。
沁:あとは、ぶっちゃけ演奏力に関して言えば、うちらはここまでに前身バンド時代も含めてそこそこ積み上げてきているので、最近の新しいバンドにはやれないようなライヴ・パフォーマンスをやれるという自信もそれなりにはあります。他の人が簡単には真似できないようなことをやっているので、機会があればぜひ観てみてほしいです。
MAKI:おー、すごいね。言い切るなぁ(笑)。