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INTERVIEW

AllS

2017.11.14UPDATE

2017年11月号掲載

AllS

Member:MAKI(Vo) 沁(Gt)

Interviewer:杉江 由紀

純粋に、ロック・ファンである自分自身が"かっけーな!"と感じる音を作りたいだけ


-ちなみに、以前は"ある意味でターゲットを絞った作品づくりをしていたところがあった"とのことでしたが、逆に言うと、今は何に対して意識を向けた作品づくりをしていることになるのでしょうね。

MAKI:そこはもう純粋に、ロック・ファンである自分自身が"かっけーな!"と感じる音を作りたいだけなんです。基本、そこしか見てません(笑)。

-すなわち、音楽に対する初期衝動そのものがAllSにとっての原動力になっているということですか。

MAKI:まさにそうです。"ロック好きなら、このシャウトも好きだろ?"とか、"激しいの好きなら、これも最高だぜ"っていうふうに、自分たちが美味しいと思っているものを、自分たちなりの味つけでみんなにも食べて楽しんでほしい、っていう感覚ですね。

-ではここで、そんなおふたりにとっての"美味しいと思う音楽"が具体的にどのようなものであるのか、ということもぜひうかがってみたいです。それぞれの中で、バックボーンやルーツとなっている音楽とはいったいなんでしょうか?

MAKI:ひと言で言うなら、ヘヴィ・メタルとかハード・ロックですね。GUNS N' ROSESだったり、METALLICAだったり。

-いずれも現存するレジェンド級バンドたちではありますが、さすがに彼らがブレイクした時期からリアルタイムで聴いていらっしゃるわけではありませんよね?

MAKI:そこはもう、完全に次元を超えてしまっています(笑)。たしかにリアルタイムでは聴いていなかったですけど、僕は10代のときから、とにかくクラシック・ロックが好きだったんですよ。80年代のヘヴィ・メタルとかハード・ロックにもめちゃくちゃハマりましたし、そのあとさらに70年代のロックとかも遡って夢中で聴いてました。

-なお、へヴィ・メタル、ハード・ロックとひとくちに言っても、時代性や地域性によって、その音楽性は様々です。MAKIさんが特にお好きだったのはどの系統でしたか。

MAKI:僕はIRON MAIDENとか、BLACK SABBATHとか、ブリティッシュ系のハード・ロックが好きでした。でも、最初に衝撃を受けたのはアメリカのMETALLICA、MEGADETHとか王道中の王道なバンドたちでしたね。そこから、"Dave Scott Mustaine(※初期のMETALLICAに在籍していたこともあるMEGADETHのギタリストにして中心人物)って何を聴いてバンドを始めたんだろう?"っていう感じで昔の音楽にも興味を持つようになって、どんどん昔のロックを掘り下げていくことになったんです。

沁:僕も、LAメタルや古いロックは好きですね。実は、地元の高知にいたころ、よく通っていたのがメタル喫茶だったんです(笑)。

-メタル・バーではなく、メタル喫茶ですか。未成年も入れるというのは素敵ですね(笑)。

MAKI:メタル喫茶は"ぽおる"っていう名前のお店で、それはPaul Stanley(KISS/Gt/Vo)から付けたものだったらしいです(笑)。

沁:すげーロックなおばちゃんがやっている店で、そこで昔のバンドのビデオを貸してもらったりとかしてました。VHSのテープを(笑)。

MAKI:もはや、VHSっていう響きがすごい(笑)。

沁:あとはMAKIと一緒で、そのメタル喫茶をきっかけに自分でもいろんな音楽を探して聴くようになりました。

-ただし、この発表されるAllSとしての初音源『Do or Die』を聴くと、そこまでオールドスクールなロックの匂いは漂っていない印象なのですよね。それどころか、モダンで現代的なアプローチも随所から感じられます。

MAKI:そこは、脱臭が効いているのかも(笑)。

沁:好きなものをそのままやってしまうだけでは、自分たちの音楽は作れませんからね。単なる焼き直しはつまらないし、自分たち自身でも新鮮さを感じたいので、AllSでは今の自分たちが"新しくて先端だな"と思っている要素と"古きよきもの"の両方を、あえて合体させていきたんです。だから、意外と細かいところには昔っぽいフレーズを入れさせてもらっているんですよ。

MAKI:ちょっとしたところに、"これ、Nuno(Nuno Duarte Gil Mendes Bettencourt/EXTREME/Gt)じゃね?"みたいなのが入っていたりするもんね(笑)。

-なんだか、隠れミッキーのようですね(笑)。ところでAllS の場合、メイン・コンポーザーはどなたになりますか。

沁:僕とMAKIのふたりです。

MAKI:僕が基盤を作ることもあれば、沁が基盤を作ることもあるんですけど、骨組みというか原形ができて以降は、お互いに意見のキャッチボールをしていくことが多いです。理想としては、Steven Tyler(AEROSMITH/Vo)とJoe Perry(AEROSMITH/Gt)とか、Jon Bon Jovi(BON JOVI/Vo)とRichie Sambora(ex-BON JOVI/Gt)みたいな関係性を目指してます(笑)。

-いわゆるゴールデン・コンビ、というやつですね。

MAKI:昔から、ヴォーカリストとギタリストのコンビによって生み出されてきた名曲というのは実際たくさんありますからね。AllSの場合は、さっき話したみたいに最終的にはバンド全員で音を作っていくんですけど、その基盤となるものはやっぱりこのふたりが責任を持って担っていきたいなと思っているんです。