INTERVIEW
CONCERTO MOON
2017.10.20UPDATE
2017年10月号掲載
Member:久世 敦史(Vo) 島 紀史(Gt)
Interviewer:荒金 良介
-当時の久世さんのバンドはどんな音楽性だったんですか?
久世:IMPELLITTERIの出来損ないみたいなバンドで(笑)、ひたすらリフをズクズクで押しまくる感じで。
島:バンドはイマイチだったけど、こんなにいい声を出す奴がいるんだなと。後々、東京で彼(久世)と会ったんですよ。そしたらバンドごと東京に出てきたと言ったので、もし俺が声を掛けたときは誘いを断るなよって。
-(笑)久世さんはCONCERTO MOONの音楽にはどんな印象を?
久世:当時『RAIN FOREST』(1999年リリースの3rdアルバム)という作品を買って聴いたときに、これほんとに日本人なのかなって。それでライヴに行ったら、音がでかいから、耳をやられちゃって。最初から最後までハイになって、スーパーかっこいいバンドだなと。
-久世さんが好きなヴォーカリストは?
久世:みんなになんで? と言われるんですけど、Don Dokken(DOKKEN/Vo)なんです。技術で言えば、いろんな歌い方をしているし。
島:久世がDon Dokkenを好きなのはわかるんですよね。でもDon Dokkenはもしかしたら、お前みたいな声の太さが欲しかったのかなと(笑)。
久世:時期によって、好きなヴォーカリストが違うんですよ。Paul Rodgers(BAD COMPANY/Vo)、何年か前はDavid Coverdale(WHITESNAKE/Vo)が好きだったし。
島:僕みたいにずっとRitchie Blackmoreという人もいますけど、彼の中ではサイクルがあるんでしょうね。
久世:Don Dokkenは線が細いけど、抜けがいいから、そこがいいなと。
島:久世はパワーで押し切るヴォーカル・スタイルだったけど、今作で表現力は多彩になってますからね。彼の歌い方がどんどん良くなっているのは......真面目な男なので、いろいろ試しているんだろうなと。まだ、こうだ! と固まってない部分もあるのかもしれないけど、彼にはその変化も期待してましたからね。もう一度言いますが、なぜ今Don Dokkenなのか? とは言いましたけど。
-(笑)Paul Rodgers、David Coverdale、Don Dokkenはソウル・フィーリングを持つ歌声という意味では通じるものがありますよね。
島:Don Dokkenはソウルやブルースが好きなはずなんですよ。歌のメロディのつけ方はすごくブルージーだし、当時George Lynch(DOKKEN/Gt)が作ったブルー・ノートを含んだリフとよく合致してたから。なんで俺がDOKKENの解説しなきゃいけないんだよ(笑)。
-ははは(笑)。話を変えますが、1996年に結成して2004年に活動休止するまでが8年間、そして、2007年に再開して今年でまたちょうど10年になりますよね。休止前とあとで大きく違う点はありますか?
島:休止する前は僕もバンドに対する考えがウブだったのか、頑固すぎたのか、自分がこうやる! と決めたことに頑なだったのかなと。休止後にDOUBLE DEALER(※島とSABER TIGERの下山武徳(Vo)を中心として結成し、1999年~2007年に活動したバンド)での活動を挟んで、再開したあとは、その都度、自分が一緒にやってるメンバーの良さが出るものをやりたいなと。芯にあるものはいままで話したようにブレないけど、そういう気持ちの変化はありました。特に今のメンバーになって、河塚(篤史)のドラムに関しては俺が作ったデモに対して、そのままの部分も、変えてもらう部分もありますからね。僕の中ではドラム録りまでが曲作りで、そこで尺を短くしたり、リズム・アレンジも決まるんですよ。中易(繁治)のベースに関しても、デモは自分でベースを弾いているけど、それ以外は彼が思うフレーズを入れてほしいと伝えてますからね。今はメンバーに対して、自分の気持ちはオープンになってます。一番大きく変わったのはそこですね。
-久世さんのヴォーカルに関しては?
島:彼は一生懸命考えて、韻を踏んだ歌詞を書いてくるし......踏みすぎて、メロディにハメるのが大変なこともあるけど(笑)。それを含めて、彼の言葉のチョイスも面白いですからね。だから、今回は半分ぐらい久世が書いているんですよ。久世が日本語と英語で韻を踏んでいるから、俺がそれにとらわれずに歌詞を書いたら、また対比ができるだろうし。