－もうメンバー内から上がっただけでも、いろいろなバンドが出てきますね。

Satoji：みんな、メロディックな部分は好きなんですよね。でも攻撃的な音楽も好きで、メタルって音やテクニックの面でも、そういう攻撃性を表現しやすいといいますか。そこをうまいこと混ぜた結果、今の音楽に行き着いたのかなと思います。

－たしかにそうですね。今回の2nd EP『～PΞИΤΔGОИ～』を聴いても、武器が多いバンドだなと思いました。1曲の中でも、いろんなトピックが入っている。

Satoji：ありがとうございます。今、ダンス・ミュージックもそうですけど、EDMとかトラップ・ミュージックとかって、"くるぞ、くるぞ、くるぞ、ドーン！"っていうのがあるじゃないですか。ああいうものも、僕らの取り入れたい要素のひとつだったので。ブレイクダウンとかビートダウンを取り入れたような音楽に、メロディックさを足すっていうのが、僕らの武器のひとつだったりしますね。

－そういったものを取り入れていくことに、試行錯誤はあったんですか。

Satoji：そうですね。正直言うと、2017年の現在出尽くしている音楽なので。曲を作るにあたって、これは何かに似ているなとか、なんかのバンドに似ているなとかはあるんです。でもぶっちゃけ言ってしまったら、チューニングが被ったバンドでブレイクダウンしてたら一緒やん、ってなるんですけど。そこでの違いをつけるためにも、いろいろと試行錯誤しました。オーケストラ・サウンドや電子音を入れたりとかもいろいろ考えましたが、僕らが一番武器にできるのって何かって言ったら、やっぱりメロディで。

－そのメロディもパターンが豊富にありますね。シャウトからメロディアスなものに流れたり、ラップからメロディへ変わる曲もあったり、聴かせ方もいろいろで。

Satoji：ヴォーカルのKazumaの振り幅は大変だと思いますね（笑）。本人も楽しんでいることを願います。Kazumaの声に合うかどうかについても、僕の脳内ではKazumaが歌っていることを想像しながら作っているんですけど、僕の曲の作り方としてメロディが先行してしまうので。そこらへんは、Kazumaとひとつずつ話し合って形にしていっている感じですね。

－ギターに関しては、デモの段階で作り込んでいるんですか。

Satoji：そうですね。Masashiが弾けないのをいっぱい作ったろうと思って。"やめてくださいよ～"って感じの。

Masashi：変態みたいなリフばっかりですからね。

Satoji：そういうメンバー間の楽しみもありつつ。僕らは音楽をやるにあたって、今まで好きなバンドをコピーしたりとかしてきて。コピーしてみて初めて気づくことも、いっぱいあるんですよ。そのバンドのルーツであったりとか。そういうことでの芸術と言いますか、僕らの曲をコピーしたときに、そういうところに気づけてもらえたらなと思うんです。

－ドラムへの要求っていうのは、どうなんでしょう。

Mitsu：ものすごく高いですね。Satojiさんはギタリストとは思えないほど、毎回ドラムに対して難題をぶつけてくるので。ちゃんと理にかなったことなんですけど、めちゃくちゃむずいやんこれ、っていう。毎回それに追いつくのに必死で。今、自分のドラムのスタイルをどれだけ出すかを悩んでいるところです。これは、常に悩むことなんでしょうけど。

－今作は2作目のEPとなります。テーマにしたことなどありますか。

Satoji：特に、これやと決まっているわけでもないんですけど、僕たちがやりたい音楽性が定まったかなと思いますね。さっきも言っていた、メロディとかにも着目して制作に着手できたんです。結成してからまだそこまで長くないですけど、自分たちの音楽がみんなの身体にも馴染んで、ちゃんと身体で表現できるようになってきたので。そういった意味でのテーマというと、"今の俺たちを見てくれ"っていう感じですね。

－得意技を磨いたという感じですね。

Satoji：他のバンドでも、CDを出すにあたっては新しい要素とか、心境の変化を取り入れたり、音楽性が変わったりするバンドもいると思うんですけど。僕らも、よく話し合うことなんですけど、こうじゃなきゃあかん、ダメだってことにとらわれすぎるのも良くないというのがあって。だからこそ、日頃から自分たちが感じていることを話し合って、それを楽曲でひとつひとつ形にしていけたらなと思いながらやっているんです。それが最大のテーマである"今の僕たち"という考えで。

－例えば、どういう話題が出るんですか。

Satoji：個々が思っている、"僕、こんなんしたいです"っていうのを聞くんですよね。それをいったん僕が曲で形にしてから、みんなでスタジオでプリプロをして。例えばKazumaが歌っていて、"ここに、こんなの入れたら面白くないですか"とか。そういうアイディアを、5人で組み立てていく感じですね。

Kissy：僕も、自分の好きなベース・ラインをさらっと入れたりもしていますね。自分の楽しみとして（笑）。

Satoji：そういうのを垣間見るのが楽しかったりするんですよ。"あ、今Kissyちょっと入れた！"とか。ちゃんと申告してくれますけどね。