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INTERVIEW

CRY VENOM

2017.04.19UPDATE

2017年04月号掲載

CRY VENOM

Member:Jacky Vincent(Gt)

Interviewer:山本 真由

-作曲やレコーディングのプロセスについて教えてください。

みんなバラバラのところに住んでいたからとても難しかったよ。今はみんな近場に集まっているけど、そのころはバラバラだったんだ。Skypeでやりとりしていたね。やりとりしながらメロディをハミングしたり、歌詞のアイディアを交換したりして。そういうのを繰り返しながらレコーディングしたんだ。すぐにまとまった音にできるようなミュージシャンたちの集まりだったのはラッキーだったね。例えば、俺が持っているアイディアをNikoに話したとする。"ここにビートを入れてくれないか。何かいいアイディアある?"みたいな感じに。で、あいつが入れてくれる音は"Wow!"と思うものなんだ。すごく自然な形で化学反応が起こっていったよ。

-お互いのニーズを熟知していて、"こんな感じ"と言ったら理想の音が返ってくる感じなのでしょうか。

そういうときもあったし、まったく思いつかなかったような音が返ってくるときもあったよ。そっちの方がなおさらクールだよね。グループで作った作品という感じが強いよ。だから一体感があるのかもしれない。

-実際のレコーディングは1ヶ所に集まって行ったのでしょうか。

レコーディングはロサンゼルスで、Charles Massaboをプロデューサーに迎えてやったんだ。LA在住のフランス人プロデューサーだよ。FALLING IN REVERSEのアルバム(2015年リリースの『Just Like You』)も手掛けた人なんだ。彼とはそれで出会った。別々に楽器をトラッキングした。Alekseyはまだロシアにいたから、ヴォーカル部分はあいつが自宅のベッドルームで録音して、ファイルをプロデューサーに送ったんだ。だから大変だったよ。バンドを始めたとき、俺たちには何もなかった。お互いの存在と、やりたいことしかなかったんだ。そこからクラウドファンディングで資金を集めて、世界のいろんなところで各パートを録音して、とにかく実現させた。ゼロから作り上げたんだ。

-単なる様々な音楽の融合だけでなく、そういう努力の融合でもあるんですね。国を超えた労力の。

バンドとして経てきた過程は、この時点ですでにものすごくハードというか暴力的ですらあるね(笑)。でもどれもやった甲斐があったよ。今だってこうしてインタビューをやれることにとても感謝しているし、とてもハッピーなんだ。

-曲ごとにそれぞれ特徴的なギター・ソロへのこだわりを感じますが、苦労はしましたか?

いや。俺が一番生きている実感があるところなんだ。考えて弾くことはしていない。そのムードにのめり込んで弾いているって感じだね。ギターを弾いているときに瞑想しているような状態になれることを目指しているんだ。あまりにのめり込んで、朝8時にギターを弾く部屋に入って夜中の2時に出るみたいな感じだった。何時間もソロを弾いて、即興でやってみて......ソロを弾くのが大好きなんだ。FALLING IN REVERSEの場合はメロディがあらかじめ決まっていたけど、今は即興で演奏することが多いね。その方が自由になれる。

-たしかに、ソロのときは自由の波に乗っているような感覚がありますよね。

そうだね。以前は頭の中で鳴っている音をパーフェクトに再現したいという気持ちが強かったけど、そうすると本当にクールなものは出てこないってことがわかったんだ。機械的に弾くよりもっとフリーにやった方がいいってね。その方が表現が豊かになると思うんだ。で、自分を解き放ってみたら、ソロが以前よりずっと良くなった。

-「Stronger Than Steel」(Track.6)では、日本を代表するメタル・バンド GALNERYUSのSyuがゲスト参加していますね。日本の音楽をよく聴くと言っていましたが、彼が参加した経緯について教えてください。

俺は15歳くらいのころからGALNERYUSを聴いているんだ。Samというドラムをやっている奴がいてね、今でも大親友なんだけど、あいつもGALNERYUSが好きだったんだ。ちなみに今はラッパーになったんだけどね(笑)。あいつの家に遊びに行ったとき、バックでかかっていたのがGALNERYUSだった。ヴォーカルのアクセントが変わっていたから、イタリアのバンドだと思っていた。日本人だとわかったときはびっくりしたよ(笑)。でも速攻で気に入った。さっき自由に演奏する話が出てきたけど、GALNERYUSもどこかしら、何にも制約されていない感じがあったんだよね。すごく表現が豊かでソウルフルで、スペシャルなマジックがあるような気がしたんだ。そんなわけで、Syuは当然俺のヒーローのひとりだった。俺の友人にケンジって奴がいて、YOUNG GUITAR誌やキングレコードなんかと繋いでくれたんだけど、彼にSyuの知り合いを誰か知らないかって聞いて繋げてもらったんだ。俺の他の音楽活動と同じ、とにかく聞いてみたってことだね(笑)。

-今回のコラボレーションでは実際にSyuさんと会いましたか。

彼とは2015年に会ったんだ。このバンドの結成前だね。彼は英語があまり話せないし、俺も日本語が話せないから挨拶程度だったけど。そのときはYOUNG GUITAR誌の人がいたから紹介してもらったんだ。そのとき、たしか自分がShrapnel Recordsに在籍しているって話をしたんじゃなかったかな。SyuもShrapnel RecordsやPaul Gilbertなんかが好きだから、クールだと思ってくれたみたい。それで今回やる気になってくれたんだ。

-でも初対面のときはまさかコラボすることになるなんて思っていなかったでしょう?

そりゃ望んではいたけど、到底実現しないだろうって思っていることのひとつだったね。

-1stアルバムで早速夢がひとつ叶ったということですね。素晴らしい。

そうなんだよ!