INTERVIEW
そこに鳴る
2017.02.07UPDATE
2017年02月号掲載
Member:鈴木 重厚(Gt/Vo) 藤原 美咲(Ba/Vo) 真矢(Support Dr)
Interviewer:吉羽 さおり
-ベーシストとしては、そういった意味での変化はありましたか。
藤原:今までダダダダダっていう速いフレーズがそんなになかったので、"速さに挑戦"みたいな練習はしました。メトロノームに合わせて、どこまでいけるかみたいな。めっちゃ弦切りましたけどね。
鈴木:しょっちゅう4弦切ってたな。
藤原:速いとつい力が入ってしまって。普通はたぶん切れることのない4弦を、週1くらいで切ってましたね。1日で2回切ったこともありました。
真矢:俺、それまで4弦切ってる人は見たことなかったです(笑)。
-チューニングに関しても、今回は下げているんですか?
藤原:もともと全部半音下げなので、そのままなんです。
鈴木:さらに下げてもうたら、ちょっと極悪になりすぎるかなって。あとはライヴでやるときに困るかなというのもあって、半音下げでもまぁいけるかなと。ただ「family」(Track.4)に関してはドロップAですね。
藤原:弦がダルンダルンです。
鈴木:でも普通のジャズマスターでやるっていう。ジャズマスターでドロップAにする人はたぶん、他にいないと思います。
-この、かなり振り切っている「family」はどの段階でできた曲ですか。
鈴木:まず、「family」と「sayonara blue」(Track.7)以外の5曲はできていて、最初はその5曲で出そうっていう話になったんですけど、メタルをやるって言ってるわりに、メタルの曲が「METALIN」しかないやんと思って(笑)。じゃあ、もっとゴリゴリのやつを作ろうってことで、とりあえずドロップAにして作ったのが「family」です。
-すんなりと形に?
鈴木:たぶん、30分くらいで作った気がします。これは愛の歌なんです、一応。イントロからサビに入るまでずっとデス・ヴォイスでシャウトしてるんですけど、あれは全部、KOGA RECORDSのレーベルメイトのバンド名を言ってるんです。頭のシャウトは、"キィィトォォォク!"(KEYTALK)って(笑)。
-遊びがたっぷりですね。それはこの曲だからこそできるような。
鈴木:そうですね、この曲でそういう歌詞やったら面白いかなと思って。とりあえず2分くらいで考えました。「family」に関しては、制作時間が恐ろしく短いですね。
藤原:曲と歌詞で32分っていう(笑)。
-「sayonara blue」はどうですか。この曲は「family」とは対極ですよね。
鈴木:最後に作った曲とは思えない(笑)。
-完全なるメタル・アルバムにしようというのはなかったんですね。
鈴木:「METALIN」を作ったときは、ノクブラとかNameless Oneを聴いていたんですけど、作り終わるころにはDo As Infinityとか──
-違うブームがやってきた。
鈴木:そういうのがきてたから、そっち寄りになりました(笑)。
-素直に曲に出るんですね。
鈴木:素直に出てしまいますね。素直すぎるくらいに(笑)。
-きっと一緒に曲を作っていくメンバーは大変だろうなと思いますが(笑)。さっきまでデス・ヴォイスだったのに、今度は歌モノかっていう。
藤原:でも私は全然、違和感がなくて。他のインタビューでもそう言われるんですけど、言われてみて"あぁ、おかしいのか"って気づいたくらいなんです。なんか、いつもこうやしなって。
-「Break out!!!」(Track.1)はメタルということでは薄味かもしれませんが、パンチのある曲ですね。これはどんなふうに作っていったんですか。
鈴木:これは「METALIN」を作るよりも前にあった曲なんです。コンセプト的にはcoldrainとか、ちょっとラウド寄りのバンドを意識してます。THE UNIQUE STARがすごく好きなんですけど、そのバンドが活動休止してしまって、ヴォーカル・ギターのエバタ(ヒロカズ)さんへのリスペクトも結構入っていて。フレージングとかコード進行が、わかる人にはわかると思うんです。それプラス、ラウドというか。
-そういう個人的なリスペクトも結構練り込まれているんですね。
鈴木:たぶん、感銘を受けるものがないと曲を作れないんです。
-刺激を受けることが曲になると。
鈴木:すごく悪い言い方をすれば、うまいことパクるっていう感じだと思うんです。だからこの振り幅になっちゃうのかなって。自分の内側から出てくるものでいくと、ほぼ凛として時雨になっちゃうんですよ(笑)。
-大好きなところが出すぎてしまうと(笑)。
鈴木:そうそう(笑)。