ヴィジュアルがメイド服だとナメた感じで入る方も多いと思うんですけど、"ナメてんじゃねぇぞ"みたいな（笑）

－誰かが敷いたレールということもそうだと思うんですが、女性がバンドをやるうえでは、いろんな見られ方がありますよね。そういうところに対する思いは歌詞にも反映されているんですか？

小鳩：そうですね。たぶんこの歌詞は、彩ちゃんの"なめんなよ感"が（笑）。

彩姫：はははは（笑）。ヴィジュアルがメイド服で、というとナメた感じで入る方も多いと思うんです。アルバム・タイトルの"Just Bring It＝かかってこいや"もそうですけど、そういう感じが強かったからなんだと思います。ナメてんじゃねぇぞみたいな（笑）。

小鳩：それを歌の中で強く歌うっていう。メイド服の見た目とこのサウンドは大事にしてきてもいるので、そういう意味でも歌詞は強くありたいなというのがあります。

－逆に言えばこのヴィジュアルだからこそ、音のパンチもより強くなるし、強く言えるところもありますしね。

彩姫：お給仕とかで1音目を鳴らすと、"え？"って顔されるんですよね。ちょっと引くっていうか。

小鳩：思ってた感じと違う、みたいな（笑）。

彩姫：ざまあ！ みたいなね（笑）。

－「decided by myself」（Track.12）はヘヴィなドライヴ感があって、でもサビで一気に抜けていくような曲です。

KANAMI：アニメとかのエンディングにしたいと勝手に思ってます（笑）。そういう、キャッチーでアニメっぽい感じを意識してメロディは作ってますね。タイアップが欲しい......（笑）。

小鳩：疾走感も意識したもんね。この曲が最後にできた曲なんです。

彩姫：欲が出たね、最後に。

KANAMI：切羽詰まってましたね（笑）。ツアーの終盤だったんですけど、もう1曲あった方がいいんじゃないかとなって。みんながご飯食べに行ってるときに、ひとりだけホテルにこもって作業してました（笑）。

－イントロの超メタリックな感じはそんな状況からですかね（笑）？

KANAMI：（笑）いろんなパターンを出してこれになったんです。これが、みんなが一番しっくりきたイントロだったみたいで。

小鳩：最後にもう1曲作ろう、となった曲だったので。最後はBAND-MAIDっぽい重さを入れよう、BAND-MAIDらしさに寄って考えていこうと。

彩姫：これはKANAMIちゃんのエモさが出たね。

－そしてアルバムを締めくくる「secret My lips」（Track.13）。様々な思いを抱えつつも、次に向かって行くようないい曲ですね。アルバムの最後にというイメージはありましたか？

小鳩：この曲はリード曲の候補にもなっていたんです。この曲か「Don't you tell ME」がリードだよねとなっていて。なので自分たちの気持ちも強かったというか。曲順を決めたときも、この曲は最後だなっていうのがありました。

彩姫：ミックスのときから、これは最後っぽいねというのがありました。

小鳩：レコーディングは一番時間がかかったね、一番難産だった。

－彩姫さんのもっともっとが出たんですね。

彩姫：メロができて歌詞をつけるとなったときに、"この言葉を入れたいからメロを変えよう"みたいなことをやってもらったりしました。小鳩に、"闇深めの歌詞なので、閉じ込められてる感で書いてください"みたいなことを伝えて。

小鳩：もらったその注文が難しくて。"箱に閉じ込められていて、出たいけど出られないんだよ"って。それはどんな歌詞！？ と思いましね。一度書いたものを見せたら、"これじゃない"って言われてもう1回書いて、わからないところは空欄にして、"そこはどういう感じがいいか考えてもらえる？"って渡したんですけど、帰ってこなくて。"先生、あの、まだ返信が......"って言ったら、3文字くらいの空欄に、20文字くらい入ったやつが帰ってきて、これは......という感じになりました（笑）。

彩姫：イメージはすごくあったんですけど、言葉にするのが難しかったんですよね。ただ雰囲気を伝えるっていう。

小鳩：レコーディングのときも、最後のフレーズが、私たちの曲で言ったら「alone」（2016年5月リリースの3rdミニ・アルバム『Brand New MAID』収録曲）にあるようなツイン・ヴォーカル感にしたいと言われて。

KANAMI：変わってましたね、いつの間にか（笑）。

小鳩：最初のところを歌ってみたら、ちょっと彩姫の曲じゃないかなとなって。じゃあ、小鳩が高音の主メロを歌って、低音の主メロを新たに作ろうとなったんです。

－それでより、クライマックスのドラマ性が生まれたんですね。

小鳩：そうですね。最後にBAND-MAIDっぽいキラキラした感じが出ました。

彩姫："私の声だとあまり希望を与えられないから。小鳩よろしく"っていうね（笑）。

－充実した1stフル・アルバムがリリースとなりますが、2017年はBAND-MAIDとしてどんな活動をしていきたいですか？

小鳩：2016年は初の全国ツアーや初の海外ツアー、メジャー・デビューもしたりと実が詰まりに詰まった1年だったので、2017年はそこからの成長を見せていきたいなっていうのがあります。あとは、国内のフェスとかにも出て、認知度をもっと上げていきたいですね。

彩姫：今はどうしても海外の方が認知度が高い状態なので。まずは日本を。

小鳩：BAND-MAIDの目標に世界征服というのがあるんですけど、まず日本を征服できないとっていう。

彩姫：フェスにも出て、お茶の間にも知っていただけたらなと思います。