－そして「Puzzle」（Track.2）はかなりドラム・パターンが凝っていて、ビートで引っ張っていく面白い曲ですね。

AKANE：この曲ももともと、ヴォーカルの彩姫から"リズムで展開したい"ってオーダーがあったので。私が何パターンか出していって、どんどん展開していく、飽きのこない面白い曲にしたいなと思っていました。

－彩姫さんはいろんなアイディアを投げるんですね。

彩姫：そうですね。最終的に意見を聞かれる立場にしてもらっているというか（笑）。

小鳩：完成品を見せる、先生みたいなね。

KANAMI：BAND-MAID内のサウンド・プロデューサーみたいな感じだよね。

彩姫：今回は自分たちのやってこなかった曲、自分たちらしくないものというのをテーマにして作っていったので。過去のアルバムやシングルも聴いて、まだやってないことも提案していったんです。リズム隊が動いているものは個人的に好きなので、そこは攻めていきたかったんですよね。"もっとできるでしょ"っていう。

KANAMI：結構強くいくよね（笑）。

小鳩：強いよね。

彩姫：そう（笑）。"まだ、まだダメだ！"って。5人とも個性が強くて、お給仕中も5人が5人とも目立つようなバンドなので。"曲でも、もっとそれが出ていいんじゃないんですか？"って言いました（笑）。

AKANE：それで、いろんなパターンを出しました。先生、厳しいので（笑）。ワンパターンでは絶対にダメなんです。展開の中でも何パターンか出さないと、突かれます（笑）。

－新しいことをやっていこうと言いながらも、バンドとしては良いノリがあったからこそ、すぐにいろんな発想が生まれるなどクリエイティヴな時期だったんですね。

彩姫：ツアー中が制作期間だったこともあって、生の反応を活かすことができたんです。お給仕が終わって次の日にレコーディングや曲制作を集中してやると、昨日のお給仕でこういうことがあったからというのを活かすことができて。結構、レベルアップしていたんじゃないかなと思ってます。考え方や発想の転換自体が今までにないくらいに激しかったと思う。

小鳩：メンバーといる時間も長かったので、この曲に対してのイメージとかが伝わりやすかったり。そういうのは大きいのかなと思います。

－濃い時間だったんですね。

彩姫：濃すぎ（笑）。

小鳩：すごい濃かったんです。

－それが出ています（笑）。「モラトリアム」（Track.3）もまさにヘヴィで"濃い"曲です。

AKANE：濃いですねぇ。

KANAMI：これは最初にリフから作った曲なんです。基本的にメロディ先行で作ることが多いんですけど、これはバック・サウンドから作っていった曲で。大まかにできた時点で、ライヴ曲にしたいっていうことで、シンガロングのパートを増やしました。

MISA：これはリズム隊が地獄のような曲で（笑）。

AKANE：体力と集中力の勝負。ドラムも、今までもツーバスっぽいリズムは取り入れてたんですけど、まさかここまで走ってるとは（笑）。本当に持久力が必要ですね。

小鳩：これはまだお給仕では披露してないんですけど。

AKANE：お給仕で何曲目にくるのかによっても、大変な曲ですね（笑）。

－こうした、まさにライヴで映える曲が増えたのは、2016年の体験が大きかったんですか？

KANAMI：ツアーなのかな、やっぱり。

彩姫：今までの曲だと結構"5人でバチッとやってるから、そこで見とけ"感があって（笑）。でもひとつになれる曲も必要だよね、って。たぶん、今後もこういう曲を増やしていけたらお給仕が楽しくなるんじゃないかなという。

－そして「Take me higher!!」（Track.7）。これはバキバキにベースのスラップが効いた曲です。

MISA：ありがとうございます（笑）。

KANAMI：見せ場を作りたいっていうか、王道のロックっぽいのを入れたくて。BAND-MAIDが最初にこういったサウンドの方向性になったのが、「Thrill」（2014年リリースの1stシングル『愛と情熱のマタドール』収録曲）という曲で。今回も、王道系を入れたいと思って作ったんです。さらにその中で、ベースの見せ場、ギターの見せ場があったらかっこいいよねってなって。ここでスラップ入れてほしいみたいな感じで（笑）。

－歌詞に描かれている突き進んでいく感じは、今の心境とシンクロするんですか？

小鳩：そういうのもちょっとありますね。この曲は彩姫との共作なんですけど、このメロディはBAND-MAIDらしさでもあるので、突き進むようなまっすぐな強さを出していけたらいいねってなって。基本的に彩姫と一緒に書くときは、最初に曲の雰囲気やこういう曲にしてほしいというのを彩姫から頼まれて、小鳩が言葉にして、"どうですか？"ってまた先生に見せていくみたいな感じで（笑）。

彩姫：自分たちのそのときのことがわかるよね（笑）。"作っていたとき、イヤだったんだな"っていう。

小鳩：壊すとか蹴り倒すみたいな感じって、今までのBAND-MAIDの歌詞にも多いんですけど、それがあからさまに出ているというか（笑）。

彩姫：何がそんなにイヤだったんだろうね（笑）？ 結構、"変えてやる"みたいなのはあったと思うんです。"誰かが敷くレールなんてもう壊して"とか言ってるし。何かしがらみみたいなものがイヤだったんでしょうね。

－その反骨心が思い切り出ちゃったんですね。

彩姫：そこが強いふたりなので。

小鳩：強い感じ、とは言われていたので。どんどん強くなっていっちゃったみたいな感じです。