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INTERVIEW

AFI

2017.01.16UPDATE

2017年01月号掲載

AFI

Member:山本 真由

Interviewer:Davey Havok(Vo)

-リリース元のレーベルが、同じUNIVERSAL MUSIC傘下でも、RepublicからConcordに変わっているようですが、制作環境には何か変化はありましたか?

(リリース元の変更は)ビジネス寄りな話であって、レコーディングの資金を出してくれるという非常に重要なこと以外は、曲作りや制作自体にはあまり関係のないことだよ。たしかにそういった(資金の)面でインパクトはあるけど、Republicとの契約が切れたところに俺たちの音楽を熱烈に支持してくれるConcordが現れて、新しい関係を築く絶好の機会だと思った。結果、今のところ極めて順調さ。人々の関心を集める役割の人が俺たちの音楽に興味がなかったらお先真っ暗な話さ。

-私個人的には、詩的で心に沁みるようなメロディが印象的な「Above The Bridge」(Track.6)が気に入っています。ご自身で特に思い入れの強い楽曲や、制作に苦心した楽曲を教えてください。

「Above The Bridge」は思い入れが強い曲のひとつで、気に入ってくれて非常に嬉しいね。Jadeがあのコード進行を弾き始めて、あっという間にメロディが完成した。アイツと向かい合って座って歌詞を書き上げて曲と合わせた瞬間、これは特別な楽曲になるぞって確信したよ。それをJadeが家に持ち帰って、キーボードを加えてサウンドスケープを整えてさらに豊かで美しいものにしてくれて、単純に興奮を覚えたサウンドから感動で胸がはち切れるような名曲に仕上がった。レコードの形にできることを願っていたから収録できて本当に嬉しいよ。制作やプロセスの面で「Above The Bridge」と似ているのが「Aurelia」(Track.3)だ。発端はシンプルなセッションだけど閃く何かがあって、Jadeがデモを持ち帰って豊かでインパクトのある曲にした。「Above The Bridge」は制作過程の初めに、「Aurelia」はその最後に生まれたんだ。そしてもうひとつセッションの後半になって作った「The Wind That Carries Me Away」(Track.14)も、俺たちの音楽嗜好を的確に捉えつつバンドの新しい一面を表現することができた曲として思い入れのある曲だね。

-今作のプロデュースは、メンバーのJadeが担当されているとのことですが、Jadeがプロデュースを手掛けたことで、制作はより自由になったのでしょうか?

曲作りに関してはいつだって俺たちの好きなように最大限自由にやっているけど、プロデューサーも担当したことで、Jadeは自由さはもちろん、やりやすさを感じたんじゃないかと思う。アルバム制作において、Jadeと俺の役割は異なっている。俺はメロディを書き、歌詞を作ってそれを歌う......言わば曲は俺の化身。一方でJadeは曲をもっと深掘りして、オーケストレーションでメロディと対比するカウンター・メロディというようにディテールまで作り込んでいく。プロデューサーを担当したことで作り込みにとことん打ち込めたと思う。とにかくメチャクチャ才能があって、ここまで来れたのもJadeのおかげさ。感謝してもしきれないよ。

-また、共同プロデューサーのMatt Hyde(※SLAYER、CHILDREN OF BODOMなどを手掛ける)は、メタルやハードコアにも精通したプロデューサーですが、彼の存在は今作にどのような影響を与えましたか?

Mattは相手から最大の力を引き出し、バンドから最高の音を引き出す、その部分を担当したんだ。正直なところ、俺はMattと直接仕事はしていなくて、俺のヴォーカルをプロデュースしたのはJadeなんだ。曲のデモ作りから実際のレコーディングまで常に一緒にシームレスに仕事をしていたから、俺の中では1年間途切れることなくこのアルバムの制作にかかっていたように感じている。他の連中はMattと一緒に制作をすることが多くて、その意味で彼の功績は非常に大きかったと思う。

-まだリリース後のライヴやツアーは発表されていませんが、リリース前のライヴでも新曲は披露していますか?

あぁ、「White Offerings」(Track.12)と「Snow Cats」(Track.8)をプレイしたよ。新曲への反応にも満足している。カリフォルニアのラジオ局KROQと91Xのクリスマス特番でもライヴで演奏したんだ。スタジアム級のハコで何千人もの観客を前に、俺たちとはまったくジャンルの違うバンドと一緒にね。バラバラの客層相手に「Snow Cats」をやって、あれほど強い反応がもらえるとは思っていなかったな。

-最後に、今作を携えての来日公演を心待ちにしている日本のファンへ、メッセージをお願いします。

俺は日本が大好きなんだ。文化的にも多方面で日本には刺激を受けている。相手への敬意やディテールへのこだわり、礼節や美を重んじる日本、その文化的な価値観に心酔しているよ。日本人が作り出す文化や芸術は本当にすごいと思う。対象が何であろうとアートの息吹を吹き込み、真心を注ぐ。日本人は自分たちが作ろうとしているものが何であろうと、ビジネスだろうとアートだろうと、目指すものができるまで決して妥協しない。そして、その目指すものはいつも美的センスに溢れている。礼儀正しい人々が住む美しい国、日本に滞在するのも大好きさ。それに一番好きなブランド、COMME des GARÇONSもあるしね。