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INTERVIEW

THE Hitch Lowke

2016.12.09UPDATE

2016年12月号掲載

THE Hitch Lowke

Member:星☆拓也(Vo) 樋谷 剛志(Gt) 濱崎 雄司(Gt) 城山 貴也(Ba) 瀧石 光(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

-リズム隊としては、ビートが変化していくようなパッチワーク的な曲はどうですか。

瀧石:THE Hitch Lowkeは展開の多い曲がわりとたくさんあるので。さっきも言うてましたけど、メンバーはもう慣れちゃってるんです。だから、特に苦戦することはないんですよね。速い2ビートもアルバムの中によく出てくるし、前作の『ロッシュの限界』(2016年3月リリースの2ndミニ・アルバム)もそうでしたしね。まぁ、レコーディングは体力勝負なところがあったので、しんどいなとは思いながら(笑)。

城山:デモを最初に聴いたときは、"ドラム大変そうやな、光頑張れ~"と思いましたけど(笑)。ベースに関しては、「暫定モンスター」なんかはレコーディングまで時間がなかったこともあって、こんがらがったりしましたね。サビでテンポが変わったり、リズムや展開が結構変化したりするので、その変わり目は注意しながら弾きました。"あ、そっか、こっちはこう弾くんやったな"というのはありましたね。

-単なるパンク・サウンドではなく、頭のイメージから思わぬ方向へとサウンドが展開していくところに驚きますね。そしてアルバム中盤に入っているラップ調のTrack.6「ムラサキ」もまた新機軸ですね。

瀧石:ダーク・ホースですね(笑)。

星:完璧に。これも前からあった曲で。今までのTHE Hitch Lowkeを知ってる方はラップのイメージがないと思うんですけど、ラップで作った曲は、俺のデモの中には何曲かあるんですよ。それをTHE Hitch Lowkeで表現してなかっただけで。デビューを機に、こういう引き出しもあんねやっていうのを見せとこうということですね。

-ラテン調で、思い切りグルーヴ感のあるサウンドにも振り切ってます。

星:基本的なヒップホップの形式みたいなものは、一応考えていたんです。トラックがループしてるというところから始まったから、最終的にいろいろなギターのカッティングが入ったりしていますけど。基本的なループの部分は決まっていて、それは大事にしながらアレンジしていきました。

樋谷:実は当初の予定では、打ち込みメインの曲になるはずだったんです。ボーナス・トラック的な立ち位置でも面白いな、というくらいのイメージで進んでいってたんですけど。実際にレコーディングしたら、"これはライヴでガンガンやれるアレンジやね"っていうものになって。

-そのくらい振り切った遊び心があったからこそ、このちょっとシュールな、"いったい何のことを歌っているんだろう?"って思うような歌詞になったんですか。

星:そうです。しかも僕はそれを"面白い"ではなくて、"かっこいい"と思って歌ってるので。

樋谷:拓(星)がたまにライヴのMCでやるんですけど、バンドが伴奏でめっちゃ楽しい曲を弾いているところに、悲しいMCをするとか。その逆とかね。聴いてる人って意外と、音の方に流されるんですよ。これも歌詞だけ見たら、"何言ってんの?"ってなるけど、さらっと音と一緒に聴いたら、かっこいい曲やなっていう。そういうのはあると思います。

-それが、音楽ならではのマジックですね。

星:そうそう。一度、メジャー・コードでズン、チャッ、ズン、チャッてやりながら、おじいちゃんが亡くなった話をしたことがあって。でも、お客さんはなぜかクスクス笑うわけですよ。

-それは、ちょっとそうなりますよ(笑)。

星:"失礼な!"っていうね(笑)。でも、そういう力が音楽にあるんだっていうのがわかるようなことをMCでやろうかなと思ってやったら、思ってた以上にあったという。

-それを、曲としても形にしたのが「ムラサキ」だと。こういったラップ曲あり、ラウド・チューンやロックンロールあり、多彩な展開の曲もあり、どバラードと言えるTrack.7「初恋」もありと、かなり濃いボリューム感です。そんな11曲ですが、"BIG BOUNCE"というタイトルはどんなイメージでつけたのですか。

星:宇宙の始まりは、ビッグバン理論が一般的ではあるけれど。最近では、宇宙は無からできたんじゃなくて、爆縮と爆発を繰り返してんちゃうかという"ビッグ・バウンス"という新しい説が出てきていて。今回、今までの定義とは違うアルバムが作りたいなというので、その言葉が合うんじゃないかなと思ったんです。「ムラサキ」と「初恋」みたいな全然タイプの違う曲が共存していたりもするし。バンドの意思表明という感じですね。

樋谷:アートワークも、宇宙が爆発してジャケットを突き破って出ている絵になっていて。これは、昔の定義を突き破って出てきたという意味が込められているんです。