INTERVIEW
OLDCODEX
2016.11.29UPDATE
2016年11月号掲載
Member:Ta_2(Vo) YORKE.(Painter)
Interviewer:荒金 良介
-山口公演(※10月10日開催の[OLDCODEX Tour 2016-2017"FIXED ENGINE"]山口市民会館公演)でYORKE.さんがステージから転落するというアクシデントが起きました。差し支えなければ、当時の状況から聞いてもいいですか?
YORKE.:アンコールでお客さんを煽っているときに落ちたんですよ。頭を二度打って、あばらも数ヶ所折りました。
-えぇっ! そうでしたか。
YORKE.:でも、その状態のまま上海で2公演やりましたからね。痛みはあったけど、それより頭が怖いです。あと、左の手首もクラッシュしちゃったから、それが治るのに一番時間がかかるかな。みんなは意識が5分ぐらい飛んでいたと言うんですよ。その感覚もなくて、目を覚ましたときは舞台監督の腕の中にいました。お客さんの悲鳴も聞こえるし、どこで落ちたのかもよく覚えてなくて。打ちどころが悪かったら、本当に戻って来れなかっただろうなと。
Ta_2:脳震盪もあったもんね?
YORKE.:そう、セカンドインパクト(※脳機能が完全に回復していない状態で2回目の衝撃が脳に加わった場合、致命的な脳損傷に至ること)を引き起こすと、危ないと言われて。本当は2週間以上の安静がベストなんだろうけど......上海公演では10日間空いていたから、勝負するかと。ドクターにも俺がやりたいと言ったんですよ。早く舞台に上がりたかったから。それで上海から復活しました。
-Ta_2さんも山口公演のことはよく覚えてますか?
Ta_2:覚えてますね。アンコール1曲目のとき、ダンサブルな曲だし、最初は煽るために客席に降りたのかなと思ってたら、明らかに近くにいたお客さんの様子がおかしくて。手で"×"を作ってましたからね。で、完全に伸びてるYORKE.の姿を見て......今は元気な状態だから言えるけど、一瞬の間にいろんなことを考えました。これで死んだら解散だな、そしたらもうツアーはできないな、アルバムを作る話はなくなるな、残った絵で個展でも開こうか......。
YORKE.:......意外と現実的(笑)。
-冷静ですね。
Ta_2:当初は気絶しているのか、頭がいっちゃったのかわからなくて。ただ、頭の中では"目を覚ませ! 目を覚ませ!"ってずっと思ってました。で、その日は打ち上げ場所を予約してあったから、飯を食いに行こうって。
YORKE.:俺も病院から出て、そこに合流したんですよ。
-その日の打ち上げに出たんですか!
YORKE.:入院を勧められたけど、"ごめん、できないや"って。打ち上げ会場に行って、みんなに大丈夫だよという顔を見せたかったから。
Ta_2:顔を見て、ホッとしましたね。
YORKE.:俺もそうだね。あの終わり方は決して良くないけど、こうなった以上はちゃんとドラマにしようと。"また山口でリベンジしよう"ってTa_2も言うと思ったし、俺も同じ気持ちだったから。山口公演で止まった針を進めたいですね。ほんとに、どこで落ちたかは思い出せないんですよ。瓦そばを食べたことははっきり覚えているんですけど。
-(笑)復活後、一発目の上海公演はどうでした?
YORKE.:ライヴ前日にご飯を食べたときに、みんなの顔を見たらできる気がしたんですよ。ただ、立ってるだけで痛かったから、2時間半も身体が持つかなという緊張感はありました。結果、上海2日目は行きすぎちゃいました(笑)。身体は痛かったけど、気持ちが乗ってきたので。
-現在も治療中だと思いますけど、元気な姿が見られて良かったです。では、ニュー・シングル『Scribble, and Beyond』の話に移りますが、制作はどういう過程で進めたんですか?
Ta_2:いつもどおり、自分たちが持ってる曲とアニメのテーマ性を見つける感じですね。アニメ側に寄せすぎたり、自分たちなりのメッセージ性がなかったりすると、リリースする意味もないから。
-まず、「Scribble, and Beyond」はアニメ"黒子のバスケ ウインターカップ総集編"の主題歌ですね。
Ta_2:自分たちが得意とするデジタル・ロックみたいな曲は今までもやっていたけど、表題曲に持ってきたことはなかったですね。「Scribble, and Beyond」は、目標に向けて走ってる人に対して、ちゃんと並走して背中を押せる勢いのある曲を作りたいなと思って作りました。"自分対自分"という人に向けての応援歌みたいな曲ですね。あと、今回は"黒子のバスケ"の"総集編"という位置づけでもあったので、原点に立ち返って、バスケをやってる人はいったいどんな気持ちなのか――バスケコートの上は戦場だし、みんな挑戦者だろうから、それを踏まえて作りました。挑戦する様は俺たちも変わらないですからね。現状打破ということを含めて、挑戦とは自分に勝つという意味なのかなと。