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INTERVIEW

HEXVOID

2016.08.10UPDATE

2016年08月号掲載

HEXVOID

Member:ERC(Vo) 一(Dr)

Interviewer:増田 勇一

-タイトルが"America"なのは、やっぱりあの国を意識しているからですか?

一:実はこの曲自体、2回目の渡米の前に作ったものなんです。だから俺たちなりにアメリカ的なテイストを意識した曲でもあります。

ERC:アメリカでぶちかましてやるぜ、という気持ちで作りましたね。そのために作った、という感じ。あとはどちらも『RAVEN』(2014年リリースの2ndフル・アルバム)のあとで作った曲なんで、あのアルバムでやりきれなかったこと、逆にあれを作ったことで自分たちなりに理解できたことが反映された2曲ということにもなると思う。

-いいとこ取り、という言葉がさきほど出ましたけど、ラーメン的に言い換えれば"全部乗せ"みたいな感じのシングルだと思います。

一:たしかに。全部乗せで油多め。麵は当然ながら固め(笑)。とにかく濃厚な感じで。

-このバンドの新しい看板曲になるべき曲たちなんじゃないか、という気がします。そして実際、『RAVEN』を作ったことで再確認できたのはどういったことでしたか?

ERC:常々気にしていたのが、HEXVOIDらしさって何なのか、ということだったんですね。このバンドじゃないとできないことって何なんだろう、みたいな。例えば、俺と一のヴォーカルの掛け合いとかも、『RAVEN』以降はもっと露骨に出てきたし、今はふたりで歌う前提で曲を作ってるようなところもある。そんな具合に、自分たちならではの武器がわかってきたというか。何年もかけながらその武器がどんどん研ぎ澄まされてきて、自分たちの得意技をもっと有効に発揮できるものとして作れたのがこの2曲ということになるんじゃないか、と思う。

一:いつまでもこれまでの楽曲に頼ってはいられないし。もちろん未だにライヴで外せない過去の曲はあるけど、いつまでも同じ必殺技ばかり使うのは嫌ですからね。

ERC:『RAVEN』はもちろん自分たちなりに全力を尽くしたアルバムだったし、後悔もないんです。ただ、あれを経てきたことで成長できた自覚があるからこそ、もっといい曲が作れるはずだと思えていたし、実際それが今回はできたと思っているんで。

一:例えば、曲展開や場面転換の多さとかについても『RAVEN』のときはあくまで実験的だったというか、考えながら数学的に組み立てていたようなところがあったけども、今はむしろそれが自然にできてしまってるというか。しかも行き当たりばったりでそれをやってるわけじゃなく、ちゃんと結果の想像ができている。だから、昔よりもずっと確信犯的にそういうことをやれているようなところがあって。やっぱり単なる轟音ではありたくないんです。かといって、わざとらしい転調の連続というのも好きじゃないんですけど。

ERC:いろいろ細分化されたジャンルがある中で、それぞれの枠組みの中でのルールみたいなものがあるじゃないですか。俺たちはそういう枠に収まった専門店というよりは、イタリアンでもフレンチでもなんでも食わせるような店なのかな、と思っていて。正直、過去には変に自分たちをカテゴライズしようとしていた時期もあったんです。相応しいジャンル名を探してたというか。だけど結局、自分たちでもどう呼ぶべきかわからなくなってしまって(笑)。例えば"カオティック・ニュー・メタル"といった言い方をすることもあるけども、それが指すのは特定のジャンル感というよりも、ホントに言葉どおりの混沌とした感じ、というか。例えば歌舞伎町や香港の夜景って、いろんな看板やネオンサインがゴチャッとしていて、いろんなエネルギーが渦巻いてる混沌感があるじゃないですか。ひとつひとつはバラバラでありながら、全部でひとつのようにも見える。むやみなパワー、エネルギーに溢れてる感じというか。そういったむやみな感じこそ、まさに自分たちの音楽だと思っているんで、まずはそれを正面から受け止めてみてほしいですね。