－ドラマーとしては、バラードの方が腕の見せどころなのでは？

真篭：いや、逆にずっと同じですから超ラクです（笑）。この曲は、歌を聴いていたいんですよ。それぐらい、良い歌なんです。

JAMES：僕は「Light Up My Life」です。こういう曲も作れるようになったという自分の成長を、振り幅として出せた曲だと思うんですよ。ライヴで早くやりたいですね。

野田：反応が楽しみだよね。

真篭：おしゃれな曲だからね。

JAMES：周りもみんな、良いって言ってくれるんで、間違いはないと思います。

野田：リード曲を決めるときの会議で2位だったんですよ。

－単音弾きから歯切れのいいカッティングまで、ギター・プレイも幅が広がったのでは？

JAMES：そうですね。カッティングってバンド柄、これまでやることなかったんで（笑）。そういうところでも振り幅を出せるバンドになったのかなと。フル・アルバムに繋げられる曲になりましたよね。

－野田さんは？

野田：俺も「Nothing」。さっきも言いましたけど、ネガティヴな言葉だけで歌詞を書きながら、自分ってやっぱり楽観的、ポジティヴなんだって気づけたんですよ。そういう意味で好きです。それでいて、今までの激しさに加え、メロディもコーラス・ワークもちゃんと生きている。ライヴで歌っていても一番気持ちいい曲なんです。

－誰も選ばなかったTrack.4「Humming Bird」は4曲の中で一番ラウドロックの要素が強い曲ですね？

JAMES：1曲ぐらい前にやっていた軸を残したいという意味で作った曲なんですよ。

－これだけ振り幅があると、ヴォーカリストとしても挑戦だったんじゃないですか？

野田：それぞれに大変でした。「Light Up My Life」は跳ねるリズムを意識したし、「Humming Bird」はサビがずっとブレスをするタイミングがなかったし。コーラスもきついんですけど、そのへんはライヴに向けて、もっと土台というか身体を作らなきゃいけない部分ではあるんですけど、全曲、サビでコーラスが噛み合うように作ったんです。そこは聴いてほしいですね。ライヴでも音源でも、ここまでコーラスを作り込んでるバンドってあまりいないと思うんで、そこは俺らの武器と言うか、特長なのかな。同期でも流せるんですけど、生の声で出した方が迫力はありますからね。そこは他のバンドには負けたくないところですね。

－楽器隊は今回、新たなチャレンジはあったんですか？

真篭：ドラムに関しては、「Light Up My Life」なんてこれまで全然ない曲調じゃないですか。JAMESが曲を持ってきたときヤバイと思ったし、実際、レコーディングは苦戦しました。ずっとディスコ・ビートと言うか、裏打ちなんで、ハイハットの開け閉めをしている左足が攣った状態でやってました。あれはめっちゃつらかったです。テンポも、速くもなく遅くもなく。それが一番きついんですけどね（笑）。

JAMES：今回、ギターがひとりになって初めてのレコーディングだったんで、大変かなと思っていたら意外にそうでもなかったんです。バッキングとリードを合わせて1本にする曲がほとんどなんですけど、思いの外、うまくいきましたね。今までは主にリード・フレーズを作ってたんですけど、バッキングを混ぜ込むような作り方ができたんで楽しかったです。

－ベースは？

菅藤：ライヴのとき、コーラスもしなきゃいけないんで、ほぼルートしか弾いてないです。今回、全然違う4曲で、ギター、ドラムそれぞれに聴きどころがあるんで、僕はその中で柱になれればと思ってやらせてもらいました。ただ、ドラムとベースが合ってないと、バンドってシンプルなことをしていてもビートに乗ってない感じが出ちゃうので、スネアとバスドラのタイミングで一番気持ちいいところはどこかなとかキメはしっかりドラムと合わせるとか、そういうことはかなり意識しましたね。

－お話を聞いてきて、僕を含め読者はこれからどんな曲を聴かせてもらえるのか楽しみになると思うんですけど。

野田：そうですね。僕らバンドだから、バンド・サウンドとしていい曲を作ろうとしていますけど、極論を言ったら、メロディだけで"名曲だね"と言ってもらえるような曲を作れたらいいですね。そしたらもっと自信がつくのかな。そのうえで、Mr.Childrenとかサザンオールスターズとか、もっとメジャーなアーティストが作ってるようなスケールのでかい曲を作っていけたらいいですね。

－反動で、逆にめちゃめちゃラウドになることは？

真篭：まるっきりラウドをやらないかって言われたらそんなことはなくて。フル・アルバムを出したら、2、3曲はそういう曲が入ると思います。それに、今回も入ってますし。

野田：そのバランスは考えながら、今回のシングルからの流れはちゃんと汲みつつ......。

真篭：ライヴで楽しめる曲ももちろん作っていきますよ。