INTERVIEW
FAKE FACE
2016.08.18UPDATE
2016年08月号掲載
Member:野田 圭介(Vo) 韮澤“JAMES”匠(Gt/Cho) 菅藤 歩(Ba/Cho) 真篭 大二朗(Dr)
Interviewer:山口 智男
-昔からのファンは日本語になったとか、ポップになったとか思う人もいるかもしれないけど......。
真篭:たまにいるんですよ。
菅藤:先日、ライヴのあと"シャウトないんですか?"って言われました。だから、"ないっす。すみません"って(笑)。
-でも、バンドにとっては、ポップでシンプルな曲、あるいはシャウトがない曲で、どれだけお客さんに響かせるかという意味では、かなり大きな挑戦をしているわけじゃないですか?
真篭:そこはホント、認めてもらいたいです。
野田:対バンにも言われますしね。"SiMとかcoldrainがもうラウド・シーンにいるつもりはない、と言っている今、ラウド・シーンのその空いた席に、お前ら簡単に戻って来られるのに、なんでそっちに行っちゃったんだよ?"って。でも、俺らはそこに戻るつもりも、そもそもそこにいたつもりもないし、目指すところがそこでいいのかって思うし。
JAMES:6年やってきて、ブレるとかブレないとかってことではなくて、いろいろやってみたい音楽をやっているうちに、ここに来ちゃったので。
野田:スタートしたときに枠を作ってたわけじゃないんですよ。
真篭:そうだよね。やりたいことをやってただけだもんね。無邪気に。
-今回の4曲もやりたいことをやっていますしね。
真篭:4曲バラバラですもんね(笑)。
野田:でも、全然びっくりしてもらってかまわない。むしろ、驚かせたい。それを狙った作品です。
-4曲の中で最初にできた曲は?
野田:Track.1の「Nothing」。最初はアレンジも違ったんですけど、シングルを出すことになって、じゃあリード曲が必要だってなったとき、ある曲の中で一番キャッチーだったんです。それをTrack.1にできるようにアレンジし直しました。
真篭:ライヴでやったこともあったんですよ。そのときから関係者に評判が良かった。
野田:ライヴでやってたころはギターのリフがあってからAメロという展開だったんですけど、それを歌とギター始めにして、声が最初に届くようなアプローチにしました。
真篭:あと、ちょっと長かったんで、構成を少しいじって、1回聴いただけで覚えられるぐらいの長さにしました。
-そのあとの2曲では希望や自由を求める気持ちを歌っていますが、「Nothing」ではいきなり絶望やそれに対する虚無を歌っているんですよね?
野田:自然に書いてたら、後ろ向きな言葉だけで書き終えてたんですよ。ちょうどメンバーが辞める直前だったので、みんなモチベーションがあがらなかった時期でしたね。俺が一番気落ちしてたんですけど、バンドにどう向かえばいいかとか、自分の責任はどう果たせばいいかとか考えちゃって、何から手をつけていいかわからなかったんですよ。でも、とりあえず目の前にある、"ヴォーカリストとして、歌詞を書かなきゃいけない"ということに没頭しながら書き上げました。後ろ向きな言葉だけ並べても捉え方次第でポジティヴになれるというか、俺はその曲をネガティヴに完結はさせてなくて、むしろ未来が思いどおりにならないんだったら、別に自分勝手に生きていいじゃん。幸運なんて期待してても来ないし、世の中そんなふうにできてない。だったら"何でも思いどおりにやってみたらいいじゃん"ということに気づけたんですよ。
-そういう思いがあるからこそ、他の2曲の前向きな言葉も説得力が出てくるわけですね。
野田:そうですね。「Nothing」のあと、「Light Up My Life」(Track.2)をJAMESが作ってきたんですけど、曲の印象も明るかったから、"Nothing=何もなかった"としても、ここからまた、自分たちでキラキラ輝いていけばいい。そうすれば、周りも認めてくれるんじゃないかって。
-今回の4曲の中で、それぞれ気に入っている曲を教えてもらってもいいですか?
菅藤:僕は「Nothing」ですね。最初にできた曲でもあるし、もともとあった曲がどんどん育って、今の「Nothing」としてCDに収録する。それって、曲が進化した姿が一番見えるわけじゃないですか。だから、気に入っているというよりは、一番かわいがっている曲ですね。最初から良い曲だと思ってるんですけど、何度か直しながら作りあげていった結果、リード曲になったってところが好きです。
真篭:俺は「Letter」(Track.3)ですね。ここまでのバラードって今までなかったけど、めちゃめちゃいい曲なんですよ。歌詞ができて、最初やったときにビビビときました。