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INTERVIEW

POTSHOT

2015.10.07UPDATE

2015年10月号掲載

POTSHOT

Member:RYOJI(Vo)

Interviewer:吉羽 さおり

-みんな音楽にがっちりという距離でなく、楽しく趣味でという距離感が変わった方も多いんですか。

トロンボーンとギターはそうですね。でもベースのICHIKAWAさんは、今はロックンロールしか弾いてなくて、パンクのイケイケのビートはやってなかったので、"どうだったっけ? こんな速かったっけ?"ってずっと言ってるみたいな(笑)。

-グルーヴ感を合わせるのが大変。

もしかしたらまた合ってないかもしれないですけど、当時もそうだったじゃんって。"そのズッコケた感じもPOTSHOTでしょ?"っていう。

-ズッコケ感ですか(笑)。何か"こういうことを言ってやろう"というよりも、自分たちが走ってる姿を見せることの方に、重きを置いてるという感覚はあったんですか。

そうですね。みんなでワイワイできればいいのかなっていう感じですかね。でも今回、POTSHOTっぽい歌詞を書かなきゃなと思っていたんですけど、すんなりと、言いたいことが出てきたんですよね。"ああ、10年前と比べても、世の中そんなによくなってないんだな。むしろ悪くなってるんじゃないの"っていう感じはありましたかね。だからなおさら、こういう一見アホっぽいスカ・パンクみたいな音楽が必要というか、暗い世の中だから、楽しめる音楽があった方がいいのかなとは思いましたね。それで家に帰って、歌詞カードでも読んでくれて、何か思ってくれたらラッキーかなっていうね。その考え方は、当時から変わらないんです。だから、世の中、変わってないなって強く思いました。

-当時20代で、世の中を俯瞰で見ることってなかなか難しいことじゃないですか。

そうですね、でもパンク・ロック自体がそういうことを教えてくれたんですね。NOを言おうとか、おかしいと思うことは闘っていこうと教わったんですよ。スカ・パンクをやるうえでの師匠がいるんですが、Mike Parkさんというアメリカで"Asian Man Records"をやってる方で。その人は韓国系のアメリカ人で、やっぱり人種差別を受けていたらしくて。僕の周りでは強烈な人種差別ってあまり感じたことはなくて。だから最初は、そういうことに異を唱えるのがかっこいいんだっていうポーズだったというか。スカ・パンクの人は、人種差別に反対しなきゃいけないんだっていうスタイルから入ったんです。そういう事実が存在することも知らなかったわけだから、スタイルからでもいいじゃんって。スカ・パンクやMike Parkを見て、"世の中にはそういう問題があって、変えようという人たちがいるんだ""それは当たり前のことなんだ"っていう認識さえあればいいんだと思って。でも途中からはいろいろ知ることによって、それを自分もやらなきゃなという思いがありました。最初は半ズボン履いて、Tシャツ着て、ワーって暴れているだけだったんですけどね。意味を込めるともっと素敵だなって思うようになって。

-今、年齢を重ねてきてそういった事実に対して広くも深くも見えるようにもなっていると思いますが、そういう視点は活動に活かされてきているんですか。

そうですね。でもその逆の怖さというのもあるんですよ、親父の小言になっちゃうんじゃないかなとかね。その怖さもわかるようになったので。そこはバランスとって、あまりシリアスになりすぎない、イタイ感じにはならないようにはしましたね。

-11月にはツアーがありますが、今作はもちろん往年の曲たちがたっぷりと聴けそうですかね。

ツアーと言っても3本だけなんですけどね(笑)。昔はね、20本以下はツアーじゃねえって言ってたんですけど、スケジューリングしたら、その3本もぎりぎりでした。昨年の打ち合わせの段階では、全国ツアーやろうぜなんて盛り上がっていたんですけどね(笑)。

-今回は結成20周年で、期間限定での活動ですが、また気が向けばこういうこともあるかもという見通しはありますか。

そうですね。年1枚アルバム出して、夏はフェスに出て、ツアーに出てっていうルーティーンに疲れたのも、当時の解散理由のひとつではあるので。今回もまたそうしちゃうと、面白くなくなっちゃうので。もう終わりですっていう(笑)。ただ、冠婚葬祭はやろうっていう思いはあるので、誰かの結婚式とか周年記念とかね。一応、11月のツアーで終わって、次に決まっているのは、9年後にニューロティカのあっちゃんの還暦ライヴ(笑)。そこは誘われたら、POTSHOTで出ようっていうのは決めているんです。それまでは、わからないですね。