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INTERVIEW

POTSHOT

2015.10.07UPDATE

2015年10月号掲載

POTSHOT

Member:RYOJI(Vo)

Interviewer:吉羽 さおり

-自分が惹かれたのも、そういうところだったんですか。

そうですね。なんじゃこりゃと思って。これはやらないとまずいなと思ったんですよね。それでバンドを始めたら、きたんですよ(笑)。

-いい波が(笑)。

そう、波が(笑)。よかったー、よっしゃっと。当時ってインターネットがないので情報はレコード屋さんに行くのが1番だったんですけど。渋谷のディスクユニオンに、"メロコアの次はスカコアだ!"っていうポップがあって、VOODOO GLOW SKULLSの1stアルバム『Who Is, This Is?』(1994年リリース)があって。"え、メロコアの次はスカコアなんだ!"って、すぐにそれを買ったんですよ。で、かっこいいし面白いってことで、その当時やっていたバンドに"明日から俺たちスカ・パンク・バンドになるから!"って言って。それが1995年の夏ですね。"POTSHOT"ってバンド名を考えてきたからって、メンバーに言って始まったんですよ。

-そこにいい波がきて、乗っていったと。

そのときはメンバーもいなくて、しっちゃかめっちゃかだったんですけど、かろうじてね。

-でも、当時あのホーン隊がいる所帯を揃えたんですからね。なかなか大変だったんじゃないですかね。

当時、東京スカパラダイスオーケストラはすでにいたんですけど、スカとか、もちろんスカ・パンクなんてまだないですから、そのホーン隊探しは苦労して。たまたまベースが、高校のときにジャズ研みたいなサークルに入っていて、そのときの後輩を連れてこいとか(笑)。知り合いの知り合いでホーンをやってる人がいるらしい、という感じで、無理やり呼んできたり。でもパンクやロックではないから、リズムのとり方が違うというところで最初はすごく戸惑ってました。最近は、スカ・パンクやりたくて管楽器を始めましたとか、スカパラ聴いてやりましたという人もいるから、今だったらメンバー探しはほんとラクそうだなって思いますよね(笑)。

-当時はメンバー集めも大変なら、固定化して動かしていくのも大変ですよね。

そうなんですよ。大所帯あるあるで、すぐ誰かがやめるっていう話になるんですよね。当時は掛け持ちのバンドがメジャー・デビューしちゃったからやめるっていうのもあって。大変だったなあ......。

-一時はスカ・パンク/スカコア・ブームで盛り上がりましたけど、ブームと言われるもの自体は、そのあと淘汰されていきましたよね。

いつごろだったかは覚えてないんですけど、活動の途中からは最初のブームや波は落ち着いてきている実感はありましたよね。仲間のバンドもやめていったり、音楽性をシフトしていったりする人も多かったですし。でもあまのじゃくだったから、"だったら俺たちはスカ・パンクの看板をあえて掲げてやりたい"という思いはありました。恩返しじゃないですけど、スカ・パンクというシーン、言っちゃえばブームがあったからこそ、POTSHOTというバンドが広く世間に認めてもらえるようになったので。スカ・パンクというのは、ずっと掲げておきたかった。その思いがあったがゆえに、行き詰まって解散に至ったところもあるんですけど(笑)。

-ただ、ここ何年かは、また若いバンドでもスカ・パンクをやっていたり、増えてきている実感というのはありますか。

なんとか頑張って盛り上げようみたいな機運は、ここ何年かで感じますよね。そういった空気も、こうして活動するきっかけにはなってますかね。これも2年前ですが、POTSHOTのトリビュート・アルバム『SiNG ALONG WiTH POTSHOT』(2013年リリース)が出まして。そのときも再始動する話は出たんですけど、うまく話がまとまらなくて、別名義の"POTSHOT1997"というプロジェクト・バンドで活動したんです。でもそういうふうに、"POTSHOTが好きだ"って言ってくれるバンドマンも多いんだっていうことがわかったというのも、大きかった気がしますね。

-POTSHOTが好きだというバンドマンの話が、直接RYOJIさんの耳に届くこともよくあったんですか。

そのトリビュート・アルバムのきっかけとしては、HEY-SMITHとSHANKと友達になって。彼らのライヴを観に行って、打ち上げのときに"POTSHOTのトリビュートやらせてくださいよ"なんて言って飲んで盛り上がっていたんですよね。そこに、HEY-SMITHの所属する"CAFFEINE BOMB"の社長もいて、"じゃあ、やっちゃう?"なんてその場で決まったんですよね。だったら、POTSHOTのことを好きなバンドが他にもいるからって、社長がいろいろ声をかけてくれて、若いバンドたちを集めてくれたんですよね。だから、"そうなんだ、このバンドも好きでいてくれたんだ"っていうのがあって、楽しかったですね。

-自分たちを見てくれていた、聴いてきたバンドたちがトリビュート盤を出してくれるっていうのは、POTSHOTが作り上げてきたものがあったんだなと見直すきっかけにもなりますよね。

そうですね。10年やってよかったな、無駄じゃなかったなというのは感じました。