INTERVIEW
Nameless One
2015.10.27UPDATE
2015年11月号掲載
Member:皓(Ba) Jaw(Gt) Koichang(Gt) YAMASHU(Dr)
Interviewer:荒金 良介
-ポップさ、キャッチーさも意識して?
Jaw:みんな普通にJ-POPも好きですからね。
皓:特にメロディに関しては、J-POPやアニソン好きが出てるかもしれない。そこにパワー・メタルのメロディ要素がマッチングしてるところが強味ですね。
YAMASHU:僕はパワー・メタルを聴かずに育ったので、アレンジはメロデスに寄ってるかもしれない。
Jaw:その化学反応が面白いのかもね。
Koichang:僕はまったく作曲に関与してないので、ギター・ソロはJawさんが縦を合わせるメカニカルなフレーズを弾くので、僕はそうじゃない、ワイルドなフィーリングのフレーズを弾こうと意識してます。
Jaw:キャラも分かれてるし、ツイン・ギターの強みもうまく出せてると思います。
-アルバム制作はどういう過程で?
皓:最初にTrack.2「黎明を告ぐ者」という曲ができて、楽曲のテーマや世界観の概要を他のメンバーに伝えるうちに、この曲がアルバム名でいいんじゃないって。
-そこからイメージを膨らませたんですね。
Jaw:普段から個々のファンタジー感をすり合わせながら、雑談することも多いんですよ。そこから生まれる設定も多いです。
皓:妄想トークですね(笑)。
-どんな話をするんですか?
皓:この世界にはこういう戦士がいる、こういう部族がいる......あるあるネタが多いです。ファンタジーあるあるネタを詰め合わせた感じですね。アルバムの世界観にはかなりこだわりがあって、楽曲もコンセプトに沿ったものを収録したかったので、今作は全曲書下ろしです。短期間で製作したのでかなり苦労しました。
-Track.1「Wind Of Ether~エーテルの福音~」はフォーク・メタルみたいな印象ですが、本当にバラエティに富む楽曲が入ってますね。
皓:共通の世界観をオムニバス風に描いているので、バリエーションはあると思います。
Jaw:"黎明を告ぐ者"という世界の中で起きてることを、ひとつの本やゲームのように表現した感じですね。
-Track.4「静寂の森、極光の空」は雰囲気の違う曲ですね。
皓:異世界ファンタジーというテーマがあるから、土着性を感じられるものがいいなと。北欧の民謡に影響を受けました。
-コーラスもとても耳に残りますね。
皓:それはNGTのアイディアです。幻想的な感じになりましたね。
Jaw:今までになかったコーラスの重ね方かもしれない。NGTは、"同系統のデス・ヴォイスだけで10曲を聴いても疲れるだろうから、デス・ヴォイスの中にもキャラを出したり、コーラスの組み合わせで工夫したい"と言ってました。僕らもレコーディング中に聴いて、ハッとすることも多いです。
-激しさと切なさの対比が素晴らしいですね。
皓:特にこの曲はそれが出てるかもしれないですね。メタルというより、軽音時代に聴いていたポスト・ハードコア、エモとかから学んだものが出てるかなと。
-この曲はベース・ラインも印象的ですね。
皓:ベースでリフを弾いたり、サビはベースもメロディアスになるように心がけてます。ウチはキーボードがいないから、活かせるものは何でも活かそうと。
Jaw:キーボード抜きでいかに壮大さを出せるかなと。なのでベースの聴かせ方だったり、ギターもメロディを聴かせるときに笛で演奏しているかのようなこぶしの利かせ方をしていたりと工夫している場面もあります。
-へぇー、そうなんですね。
皓:バンドで決めているルールが2つあるんですよ。"サビをクリーン・ヴォイスで歌わない"、"ギター・ソロを入れる"という。その2つのルールからハミ出さなければ何でもやろうと。そういう意味で「静寂の森、極光の空」は自信作ですね。
-そのルールはどういう考えから?
皓:モダンなものへの反発みたいな。やっぱりメンバー全員が古いメタルが好きだし、勝手にそうなってしまう部分もあるんですけどね。
Jaw:あと、ブレイクダウンは入れたくない。
YAMASHU:モダンに寄っても、二番煎じになっちゃいますからね。
皓:独自路線を行きたいですね。僕はメタル・キッズになる前は実はパンク・キッズで、THE CLASHとかが大好きだったんですよ。プリミティヴなライヴ感を大切にしたいとか、バンドに対する姿勢はパンクからの影響も大きいかもしれません。僕らはあくまでもロック・バンドでありたいと思っていて、そういう意味でも同期などは用いず生演奏にこだわりたいですね。