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INTERVIEW

ANTHEM

2015.10.22UPDATE

2015年10月号掲載

ANTHEM

Member:柴田 直人(Ba)

Interviewer:荒金 良介

1年前から30周年は、こういう流れで動こうと担当ディレクター、プロモーターと話していたので、去年の時点で今年の11月までの動きは決まってました。当初予定していた以上に面白い半面、なかなかハードではありますね(笑)。やっぱり予想以上にエネルギーが必要でした。フェスもイメージ通りにできたんですけど......SABBRABELLS、DOUBLE DEALER、OUTRAGE、僕が思っていた以上に熱の入ったパフォーマンスを繰り広げてくれましたからね。当然、ANTHEMはその3バンドのあとに出るので、お客さんも疲れているだろうけど、"ANTHEMが1番大人しかったね"というわけにはいかない。なのでかなり気合いを入れました。だから、楽しかったのかなと。

-改めて"HEADSTRONG FES."にこの3バンドを呼んだ理由を教えてもらえますか?

去年フェスをやりたいという話になって、ANTHEMがデビュー前後にしのぎを削ったというか、盟友と言えばSABBRABELLSだよなと。とっくの昔に解散してるしなあと思ったんですけど、フェスの話をするときにSABBRABELLSの名前が出なかったことは1度もなかったくらいで。それならば担ぎ出そうと。音楽性どうこうではなく、ANTHEMが同類と見なすバンドを集めたかったんですね。マインド的にシンパシーを感じるバンドがいいなと。それでSABBRABELLSを選ぶなら、DOUBLE DEALERも――僕らが再結成した2000年にDOUBLE DEALERはシーンを席巻してましたからね。彼らはもう解散したんですけど、1日だけ再結成してもらおうと。OUTRAGEに関してはデビュー当時は同じ事務所だったこともあり、交流はありましたからね。まあ、やってる種類のメタルを超えて、彼らはいつもかっこいいなと。天然で、メシもよく食うし、ちょっと抜けてるのばっかりだけど......ステージに立つと、誰もが出せないような不思議なオーラを出すんですよね。

-ええ、そうですね。

でも決して弟分とも思わないし、仲間なんですよ。"かっこいいなあ、こいつらは"って。ただ、"HEADSTRONG FES."への参加は命令ですけどね。"出ろよ"って(笑)。DOUBLE DEALERは彼らに電話をして、"どうしても出演してもらいたい"と伝えたら、"ANTHEMのフェスのためなら出ます"と。でもSABBRABELLSは時間がかかりましたね。ヴォーカルの高橋喜一にいろんな主義主張があって、どうしてもSABBRABELLSではステージに上がれないと。喜一君がNGだったから1度諦めたんですよ。で、ANTHEMのスタッフ会議でダメだと伝えたら、"やっぱり必要です"と言われて。それで僕はケツを蹴られて、何としても出て欲しいとお願いしたんです。じゃあ、ヴォーカルは代役を立てて、"SABBRABELLS(featuring DIOKEN)"というバンド名で出よう、ということで固まったのはフェスの半年前ですね。まあ、SABBRABELLSはもう1度観てもらいたいバンドの筆頭でしたしね。DOUBLE DEALERはそのプレイヤビリティの半端なさを観てもらいたいなと。OUTRAGEは問答無用の規格外のスケール感というかね。

-(笑)

OUTRAGEはうまいヘタを超えたところに魅力があるので。重ね重ね言いますが、基本アホなんですけどね(笑)。実際やってみたら、どのバンドも見事に自分のカラーを120パーセント出してくれたんじゃないかな。CLUB CITTA'川崎の扉が閉まらないくらいお客さんも入りましたからね。3バンドのファンの方にお礼もたくさん言われたし、"来年もぜひ!"と言われましたけど、それには一切返事をしてません。

-はははは。

もう大変すぎて......僕はANTHEMの活動に専念します(笑)。だけど、本当にすごかったですね。その3バンドをANTHEMの企画アルバムに収められたことも光栄ですね。この3バンドには本当に感謝してます。

-では、今回の作品を通して、柴田さんが伝えたいことは?

僕はロック・バンドがライヴ音源を出すというのは、"生き様を見せること"だと思うんですよ。キレイに演奏できるものを選ぶのではなく、僕たちがなぜこのバンドをやっているのか、それが絶対音に出るべきなんですよ。ANTHEMというバンドを構成してるメンバーの生き様を聴いてくださいと。ANTHEMを、楽曲を聴いてくださいということの前に、メンバーそれぞれの個性があって、その集まりがこういうバンドですと訴えかけるものですね。僕はそういうライヴ・アルバムが好きなんです。奇跡的なテイクというものは、どんなに間違っていても、死ぬまでその説得力は変わらない。音には生き様が表れるべきだと思っていますし、ライヴはそういう意識でやってます。だから、本当は怖いことなんです。自分たち自身でこんなものなのかな?と思うこともありますし、そういうときは正直落ち込みます。今回は感情が先走って破綻してる部分もあるんですけど、そこは絶対手を加えるべきではないんです。今作を聴いて、ライヴハウスの空気を感じてもらえたら、その役割は果たせたかなと。今年は気合いが入ってるなあ、という音になってると思います(笑)。