MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

塩原康孝

2015.09.14UPDATE

2015年09月号掲載

塩原康孝

Interviewer:沖 さやこ

-はははは!

思うままに歌詞を書いていったら、歌詞とサウンドの方向性の食い違いに気づいて......"これは作品としてだめだ!"と思ったんですよね。「みらいドロップ」は特にそうだと思うんですけど、曲の持ってるローな部分に合った歌詞も書かないといけないなと思ったので、頑張ってネガティヴっぽいワードを入れました(笑)。今まであった嫌なことを思い出したり、僕は昼間に仕事をしたいタイプなので、基本的に夜中に作業しないんですけど、昼間に歌詞を書くとどうしても明るくなってしまって......(笑)。だからみんなが絶対寝てるであろう夜中の3時に、ペンで書いてみました。

-(笑)でもサウンドはそういうネガな世界観が似合うものがお好きなんですよね。

無意識に作ってたんで、歌詞のことをまったく考えなくて。実はTrack.4「innocent star」と「みらいドロップ」は、楽曲提供用のストックに作ってたものだったので、自分用じゃなかったんですよね。だからソロをやることを決めてから作った曲たちとはニュアンスが違うんです。でもその2曲に関しては自分の好きな打ち込みがいっぱい入った曲なので、これは入れたいなーって。

-「みらいドロップ」はエレクトロ・サウンドなので、塩原さんの好みが色濃く出た曲ですよね。バンド時代には要素としてエレクトロが使われることは多かったけれど、ここまでエレクトロな楽曲はなかったので、ようやくという気もします。

バンドでエレクトロだけをやることはどうしてもできなかったので、今ひとりだからこそできることというか。生の楽器なし(笑)!

-心地いい曲ですが、ラストの後味の悪さが肝だなと。

あれが次の作品に繋がるとかならもっとかっこいいんでしょうけど、その予定は特にないです(笑)。フェードアウトしていったら綺麗な終わり方なんでしょうけど、ああいう"ん?"と思う終わり方というか。曲と合ってないけど?と思うような終わり方もやってみたかったんですよね。

-本当に着の身着のままというか......そのままなんですね。

そうですね。出たアイディアをそのまんま入れる、という感じで作っていきました。だから誰かと一緒に制作をしていたら、絶対こうはならなかったなと思うんです。"入れたい!"と思ったら入れたいんで。いいのか悪いのかわからないですけど(笑)。でもまだまだやりたいおかしなことがあるんです(笑)。純粋なバンドマンからしたら、トリッキーな奴かもしれないんですけど。

-バンドマンというよりは作曲者の性質が強いのかもしれないですね。

ギタリストの曲ってひとりで純粋なかっこいいバンド・サウンドを出せるじゃないですか。僕もバンド時代から"バンドマン気質"という言葉は当てはまらなかったのかもしれないですけどね。言ってしまえば、自分のベースすら前に出てなくてもいいと思ってましたもん。バンド時代にも自分のフレーズと同じ打ち込みのシンセを作って、そっちの音を上げてくれって言ってたし(笑)。"いいの?"と言われましたけど"こっちの方がかっこいいから絶対これがいいよ!"って。でも今も昔もベースは大好きなので、音にはこだわってるんですよ。じゃあそれを前面に出したいか?と言われると、要所要所でいいなと思うんです。

-だから低音が効果的に響いてくるのもありますよね。今はこれまで以上にフラットに音楽と接しているなとも思いますし。ちなみにですが、この先一緒に誰かと制作することは考えてらっしゃるのでしょうか?

あ、機会があれば全然チャレンジしてみたいですね。やっぱり自分にないアイディアは、最終的に絶対自分の糧になると思うんです。それはバンド時代にプロデューサーの方についてもらってよくわかったので。

-今回"生バンドで聴いたらもっと躍動感が出るだろうな"と思う曲も多くて。生音でやることも考えてらっしゃったりは?

ああ、全然やってみたいですね。バンド時代からフル・オーケストラでやりたいくらいだったので(笑)。今作もバンドっぽく作ってる曲も多いので、生音でやったら聴こえ方が違うだろうなって。だからこの曲たちはライヴでやった方が聴こえがいいのかなと思ったりもしますね。今回のインストアで初めてアコースティック・ライヴにも挑戦するんですけど、「-overture-」とかどうやってアコースティックでやればいいんだ!? って思ってて......それはこの前友達にどういうアレンジしてるの?"って聞きました(笑)。

-ははは。ギターを持って歌うのですから、ライヴでも全然違うお姿が拝見できそうです。

根底がベーシストですし、一緒に歌えるほど器用じゃないし、歌が素人なので絶対ベース・ヴォーカルは無理だなと思ったんです。趣味で弾き語りをしたりしてたので、まだバッキング・ギターと歌の方で勝負したいなと思って(笑)。ベーシストとしてフレーズやレコーディングにはこだわっていくけど、ライヴはそれを他の人に表現してもらおうと。ベースの引き算だけはどうしてもしたくなかったんです。自分がベース・ヴォーカルをやるとなると、ベースを捨てることになるなとも思ったんですよね。これからは4人形態でライヴをやっていけたら......と思っていますね。場合によっては3人でもいいし。"絶対こうじゃなきゃ!"というこだわりはもうないので、そのときそのときでいいのかなと思ってますね。

-いろいろ課題もありそうですね。

課題だらけですね(笑)。練習もしなきゃいけないし、これは人に習わないとまずいなと思うものもあるので、技術的な課題もあるし。曲に関してNGがないので、好きなように作れるんですけど、1枚の作品にしなきゃいけないわけで......それをどう自分のものにしていかなきゃいけないのか、というのはこれから探していかなきゃいけないことでもあるので。......これから自分はどうなっていくのかなあ。とにかく思いついたことを柔軟に作っていこうかなと思ってます。