－ははは。「覚醒ミライ」、「僕がぼくであること」をライヴでやった感触はどうでした？

奥村：「僕がぼくであること」はマントを被って歌いましたからね。

谷尾：次の曲はいつも通りのアゲアゲで、その温度差も狙いました。

岡本：そこでツアーの成長ぶりを見せられたと思います。まあ、緊張しすぎて、お客さんの反応は見れなかったけど。

－ツアーの成長というと？

岡本：全体的に意識が変わったから、レベルアップしました。最近ダンスは良くなってると思います。

谷尾：夏に合宿したんですよ。南 流石さんという有名な振り付け師の方で、そのときにダンスの技術というより、ダンスに対する考え方を教えてもらったんですよ。5人のユニゾンが揃わないと指摘されていたので、自分たちでも気づけなかったところも言葉で明確にしてもらって。それからレッスンもしやすくなったし、ライヴでも前より揃うようになりました。「覚醒ミライ」の振りもより音楽に寄り添ったものになったと思います。

－今作のレコーディングはいかがでした？

岡本："そこは力を入れんのんよ"って、社長からいろいろ言われましたね。

奥村：ひめキュンは力強く歌うことが多いから、優しく歌うパートは難しかったです。

谷尾：私も感情の入れ方が難しくて、まっすぐ歌ってと言われることが多くて。感情を入れ過ぎてしまうと、ここはそういうパートじゃないと指摘されました。メンバー5人いると、パートごとで歌うところも違いますからね。全体像がわからないと、どういうふうに感情を込めたらいいのか、わからなくなるときがあるんですよ。自分たちでも全体のバランスを考えて、歌うことを意識しました。

－では、ここから1曲ずつ話を聞いていきたいのですが、「覚醒ミライ」はイントロからヘヴィなギターで幕開けするアップテンポな曲ですね。

岡本：そうですね。歌詞も共感できるところがたくさんありますからね。"「たら」「れば」の連投で"の部分は、こうだったらいいなあと日常の中で思うこともあるけど、それがないように。日々、昨日よりいい日を過ごせたらいいなと。

谷尾："完璧も自由も正しさなんかじゃないから"という部分があるんですけど、完璧や自由は求めたいんだけど、それを手にしても正しいわけじゃなく、幸せになれるわけでもなくて。ひとりひとりに合う生き方をして、その人なりのオリジナリティを追求しなきゃ覚醒できないのかなと。今を確実に生きないと、未来はないと思います。

－なるほど。ひめキュンの今の心境とも重なるところがあります？

谷尾：そうですね。有名にもなりたいし、人気者になりたいし、歌もダンスも上手になりたいと思うけど。それは毎日の積み重ねであり、心の持ち方次第だなと。ほんとにひとつひとつのことを積み重ねたら、最短距離でいけるんじゃないかと。ひめキュンの曲は他人を見ずに、自分を大事にしようという曲が多いので、聴いてる人にも伝わればいいですね。

奥村："自分で行動しなければいけないんだよ"と教えてくれる曲ですね。自分は受け身なところもあるので、すごく考えさせられます。

河野：嫌なことやできないこともあるけど、そこから目を背けずに向き合うことで新しい未来が待ってる、という内容を歌ってるんですけど。みんなもこの曲を聴いて、頑張ろうと思ってもらえたらいいですね。

菊原：イントロから聴いた人がはっとする曲ですね。私も未来のことばかりに目がいきがちだけど、着実に一歩一歩進めるようになりたい。そのきっかけになる曲だと思います。

－次のTrack.2「ワードレス」はメロディが印象的で、コーラス・ワークも素晴らしいですね。

谷尾：私はCメロの前の間奏の音が好きですね。

岡本：歌詞で好きなのは最後の"間違いだらけでも叶わない夢だとしても"の部分ですね。自分の大きな夢があっても、それにチャレンジしなければ、何も始まらないなって。だからこそ、自分と向き合って、逃げずに進んでいきたいと思いました。それにちゃんと自分の足で進んでいけば、自分を見失わずにいれるんじゃないかなって。

谷尾：私はサビの"知らない世界をずっと探してた"の部分が好きですね。将来が漠然としていても、そこに辿り着くまでにどんな道が待ってるかわからないけど、わからないからこそ楽しいのかなと。これだ！という道がないからこそ、ずっと探し続けることができるわけじゃないですか？ 私も焦ることもあるけど、それでも進んでいかなきゃいけない。自分が探求し続けてるものは何だろうと、もがき続けることが人生の楽しみだと思うから。それを肯定されてる気がしたので、前向きにもなれる曲ですね。